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香取貴信
香取感動マネジメント代表取締役 [ サービス力 ]
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香取貴信
[インタビュー]
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社会人として大事なことはみんなディズニーランドで教わった/こう書房(1)
2005.07.17
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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日本中がディズニーランドみたいに、 みんなが楽しく働ける場所になって欲しいと思います。
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ディズニーランドで働きはじめた理由とは?
【主藤】 今回のゲストは、こう書房から出版され、シリーズ2冊で20万部以上突破のベストセラー書籍、「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった」の著者でいらっしゃいます、香取貴信さんにお越し頂きました。香取さん、今日は宜しくお願いします。
【香取】 はい、宜しくお願いします。
【主藤】 ご自身のアルバイトの経験を基にしてこの書籍も作られ、今のお仕事の礎にもなっていらっしゃるそうですね。 この本はもう20万部、シリーズで売れているそうですが、英語版もあるということで、非常に好評になっています。
そもそも香取さんというお人柄、プローフィールの紹介ではヤンキー少年とありましたが、これは高校時代の頃でしょうか?
【香取】 はい、時代が時代でした。見ての通り、勉強もできないし、スポーツもできないし、目立つ方法としてやんちゃするしかないという感じですから中学高校とずっと一般的にヤンキーでした。
【主藤】 悪さをしていたと。
【香取】 はい。
【川崎】 でも、おもしろいきっかけですね。そんな少年がなぜディズニーランドで働き始めたんですか?
【香取】 当時、付き合っている彼女がいたんです。自分がヤンキーですから、当然彼女もヤンキーです。その彼女がディズニー大好きで「行こう、行こう」と誘われて、学校へ行くよりいいかなと思って行っていたんですね。
その時は本当にそこで働くとは、これっぽっちも思っていなかったんですよ。自分の中では、あそこは気持ち悪い場所だと思っていましたから。
【主藤】 ディズニーランドは気持ち悪い場所ですか。
【香取】 はい。だって、優しいんですよね。行かれたことがあればわかると思いますけれども、みんながみんな、優しくしてくれるじゃないですか。それが最初は、素直に受け入れられないわけですよ。
パンフレットを開いて「どれ乗る?」ってやっていると後ろから来て、「どちらかお探しですか?」とかいろいろ言われるわけですよね。「なんだ、お前」っていう感じでしょう?
そんなこんなで、その帰りにいつも彼女がミッキー好きなので、「ミッキーと会いたかった、ミッキーと会いたかった」とずーっと言っているので、だったらバイト代もよさそうだし、俺がいっちょミッキーになってやるか、みたいな感じです。
【川崎】 すごいきっかけですよね。
【香取】 僕がミッキーになったら、たまには喜ぶかなと。
【主藤】 そういう動機で面接を受けられて、合格されたんですか?
【香取】 はい。
【川崎】 難しいって聞いたことあるんですけど。
【香取】 いやいや、4周年の頃ですからね。今ではすごい難しいと思いますよ。今行ったら、僕もう入れないと思います。当時は4周年の頃だったから、本当に人不足もあって、ディズニーランドなんかその時は「5年経ったら潰れる」とか、近所のおばちゃんも言っていましたしね。そういうような時代でした。要はお客さんも「遊園地とテーマパークって何が違うの?」という感じでした。
サービスの最大の敵は「慣れ」
【主藤】 いろんな偶然や運がよかったというのもあるかもしれませんけれど、ディズニーランドに入られてから素晴らしい経験をされていますよね。
【香取】 そうですね。
【主藤】 実際まず、どういうふうなことをディズニーランドではアルバイトとして担当されたんですか?
【香取】 主にアトラクションで、名前で言うと「ジャングルクルーズ」とか「イッツアスモールワールド」です。
【川崎】 憧れですね。
【香取】 やりましょうか?
【川崎】 本当ですか?
【香取】 ちょっとやってみますか。
【川崎】 お客さんが乗ってきました。
【香取】 いやー、お待たせしました。青い空、白い雲、やって参りました皆さんのボート。アマゾンアニー号の到着です。改めまして皆さん、こんにちは。
【川崎】 こんにちは。
【香取】 こんにちは。ジャングルクルーズへようこそ。私がこのアマゾンアニー号の船長の香取です。これから皆さんを危険がいっぱいのジャングルへご案内します。何が起こるのかわからないのがジャングル。二度と戻ってこれないかもしれない。そこでほら、後ろを振り返って下さい。私達のためにたくさんの見送りの人達があんなに並んでくれています。さあ、じゃあみんなで一緒に見送りの人に手を振って、お別れしましょう。いきますよ、せーの、バイバーイ。
【川崎】 バイバーイ。そういえば、やっていますね。
【主藤】 すごいですね。いまだに覚えているとは、すごいですね。
【香取】 何千回と、やっていますもんね。
【主藤】 そういう話し方をもう何千回もやっているからといって、お客さんに悟られちゃいけないんですよね。その都度、初めてのように感動を与えると。
【香取】 はい。最初に毎日が初演というふうに教わりました。自分が初めてお客さんの前に立った時のドキドキして、心臓が口から出てしまうような思いとか、お客さんから「ありがとう」と言われたり、先輩から「良くやった」と褒められたり、とにかく初めての時のあの新鮮さを絶対に忘れてはいけないということです。
要は、あそこは人がやっていますから、ディズニーランドの最大の敵は、やっぱり慣れですよ。
【主藤】 ディズニーランドというのは、感動を提供する所ですから、その感動の敵は慣れになってしまうというわけですね。
【香取】 そうです。
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