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香取貴信
香取感動マネジメント代表取締役 [ サービス力 ]
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香取貴信
[インタビュー]
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社会人として大事なことはみんなディズニーランドで教わった/こう書房(3)
2005.07.17
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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日本中がディズニーランドみたいに、 みんなが楽しく働ける場所になって欲しいと思います。
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当たり前のことをいかに徹底できるか?
【主藤】 主藤 すごいですね。そうすると、メルマガから自分で発行されて、それが本になってきたということですね。
【川崎】 本当におもしろいエピソードですね。経営コンサルティングの方や経済を語られる方々がディズニーランドのことを書く本はいっぱいありますけど、実際に働いていらした、アルバイトの方がこの裏の裏まで書いて下さっているので、すごくおもしろいと思います。
【香取】 要は人が一番大事ですから、ウォルト・ディズニーも言ってますもんね。「一番あなたの所で最高で最大の商品は何ですか」ってインタビューされた時に、“It takes people.全てが人である”。
つまり「ミッキーマウスでもディズニーランドでもない、最大の商品はイマジネーションできる、うちのスタッフなんです」ということです。
教わったことは、本当に人間力っていうんですか。ディズニーランドだから教えていることはそんなに多くはなくて、本当に人として当たり前のことですよ。考えてみて下さい。あんなに多くのバイトがいて、たくさんの従業員がいます。
今だって2万人ぐらいいるうちの9割がバイトですよ。だけどバイトでもできることがあるんですよね。それが人として当たり前のことで、挨拶をするとか、ゴミがあったら拾うとか、人間ですからロボットじゃないので相手の気持ちを考えられますから、困ってそうだなと思ったら声をかけるということです。
自分の大事な友達をお客さんだと思うことですよね。要は単純なことで、当たり前のことをどれぐらい徹底的にやるかということが僕はディズニーのサービスの根幹にあったんじゃないかと思いますね。
ディズニーのキャストが譲れないポリシー
【主藤】 結構細かいところまでのこだわりがサービスを突き詰めたところだと思いますが、本の中でも髪の毛とか紹介していますね。
耳にかかってはいけないという規則があったらしく「耳を切るか、髪を切るかどっちかにしろ」と言われたそうですね。アルバイトで出勤して、現場に出る直前の話ですよね。
【香取】 はい。
【主藤】 「耳にかかっているから、今日バイトできないよね」という話になったと。「今日はしょうがないからいいよ」ということではなかったそうですね。
【香取】 そうです。ルールではそういうふうに決まっているんですけど、ディズニーのポリシーがあるんです。それは、全て今日来てくれたお客さんたちが、僕らがいることで本当に良かったと、振り返ってやっぱり来て良かった、また来たいと思ってもらえるようにすることです。
そのためにも身だしなみはどうしようかと、全てはポリシーの基になっているんですね。だからルールを守っていないということは、そのポリシーを譲ることになりますよね。だから「守れないんだったら帰れ」ということになり、俺明日切ってくると言っても、どのリーダーも「悪いな、ポリシーを譲るわけにはいかねえんだ」となります。
【川崎】 全て、理由があるんですね。
【香取】 ポリシーを譲ったら、ディズニーではなくなってしまいます。
【主藤】 耳に髪の毛かかっていることは、おそらくほとんどのお客さんが気付かないですよね。そしてサービスの提供上にも不都合はないはずです。しかしダメであると。
【香取】 はい。全員で決めたルールだから、全員で守るということです。だから僕だけじゃないですよ。バイトだから「帰れ」と言われるんじゃなくて、社員だろうが社長だろうが関係ありません。
そもそも名札に社員とか、社長とか書いてないですからね。要はお客さんの前に出る時のルールをみんなで決めたから、それは全員で守るということです。だから一番現場のギリギリのところで「帰れ、帰れ」と言われるんです。帰りたくないんだったら、耳かからないように耳を切るか、あとはその場で髪を切るかしかありません。
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