NY金価格=2,000ドル説○史上最高値更新中のNY金価格だが、この相場はバブルではなく、過去のインフレ調整後の実質価格でみた場合、まだまだ割安感があると見られている。
○1980年につけた高値875ドルを、米国の消費者物価指数(CPI:1982年〜1984年の平均=100 として指数化したもの、米労働省発表)を用いて現在の物価水準に引きなおすと、約2,450ドルとなる。
○2010年12月14日現在、1,432.50ドルが名目上の史上最高値であるが、実質価格でみた場合、さらに1,000ドル以上の上昇余地がある。米国の金融緩和政策の長期化によるドル安が見込まれる中、1 ドル=70円までドル安が進行しても、NY金価格が2,000ドルになれば、国内金価格は約4,500円になる。それでもまだ、史上最高値の6,495円まで約2,000円幅の上げ余地がある。
参考として、「NY金価格の推移」、「米消費者物価指数と前年同月比」を参照していただきたい。
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資料:第一商品
マネタリーインフレのシナリオ○リーマン・ショックを受けて、2008年10月、FRBは金融危機を回避するためにドルの無限供給を決めた。理論上紙幣の無限供給は可能だが、副作用として悪性インフレのリスクがあるため、通常は中央銀行がその量をコントロールするのだが、追い詰められたFRBは禁じ手を採用した。
○米政府は崩壊しかけた米経済を立て直すために大量の米国債を発行した。その結果、発行残高の増加額が異常な数値になっている。そして、FRBはこの異常に膨らんだ国債の買い取りを決定、さらなるドルの増刷を実施した。
○その結果、米マネタリーベース(中央銀行であるFRB が供給しているドルの総量)はこの2 年間で2.4倍に急増した(2008年9月約9,010億ドル⇒約1 兆9,570億ドル)。通貨の量が増え過ぎれば、その価値は下がってしまい、相対的にモノの価値が上がってしまう「マネタリーインフレ」が現実味を帯びてきた。事実、経済的な因果関係がないはずのマネタリーベースと金価格が連動しているが如く推移している。超金融緩和が続く限り、あふれるドルが金価格を更なる高値へ押し上げるかも知れない。
参考として、「米国財政収支」、「米国債発行残高の増加額」、「米マネタリーベースと金価格」を参照していただきたい。
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