今年12月、NY金は史上最高値を更新し、1,400ドルを突破した。国内金価格も27年ぶりの高値となり、3,800円台に乗せた。10年前に比べると、NY金価格は4倍以上、国内金価格も3倍以上に上昇した。
金が暴騰したということは、相対的に政府や通貨の信用が急激に低下したということでもある。このことは、私たちの生活にも影響を及ぼすだろう。
参考として、「東京金とNY金」および「各資産のパフォーマンス比較」をご覧いただきたい。
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資料:第一商品
金暴騰の理由を探る前に、金という実物資産の特徴を見ていきたい。金は次のような特徴がある。
@ 希少性が高い 金の地上在庫は約16 万トン。50メートルプールにすると3.5 杯程度しかない。まだ採掘されていない推定可採埋蔵量は5〜7 万トン。年間生産量を2500トンとすれば30 年も経たずに掘りつくされる計算になる。
A 換金性が高い 人類共通の資産である金は世界のどこでも換金できる。同じ実物資産でも不動産は手続きが煩雑で、場合によっては売れない場合もある。
B 無価値にならない 株や債券、もっと言えば通貨は発行する会社や国家の信用によって成り立つ。常に信用リスクがつきまとい、時によっては無価値になってしまう。しかし金は人類の歴史上、一度たりとも無価値になったことはない。
C 品質が劣化しない 融点が1064 度と高い金は容易には溶けない。また、溶けたとしても金であることに変わりはない。数千年たっても「金」であり続けることが出来る。
D 通貨にもなり得る 金はモノの代表であるが、通貨としての側面を持つ。それ故、かつて金本位制が確立された。通常のモノは国家の信用力により通貨になるが、金はそれ単体で「通貨」として通用する。「無国籍通貨」と言われる所以である。
E 金利が付かない 金は預金や債券のように、それ自体に金利が付かないし、株式のように配当も付かないことが最大のネックである。しかしながら、主要先進国の超低金利・金融緩和政策の長期化が見込まれる環境下では、その欠点も重視されず、投資対象として選択されやすい。
金市場を取り巻く環境としては、このようなものがある。
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