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本間 裕
経済評論家、第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師 [ 資産運用 ]
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過去のハイパー・インフレ
2011.06.11
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海外では、いろいろな識者が 「ハイパー・インフレ(超インフレ)」を警告し始めている。
そして、「ハイパー・インフレの定義」についても、 いろいろなコメントが出始めているのだが、一説では、 「月間の物価上昇率が50%を超えた時に、 ハイパー・インフレと認められる」というものである。
そして、この計算では、 「10ドルの商品が、一年間で、1946ドルにまで上昇する」 という状況になるようだが、 「20世紀中に、30ヶ国で発生したハイパー・インフレ」 においては「平均的な物価上昇率」とも言えるのである。
また、 「どのような時に、ハイパー・インフレが発生するのか?」 についても深く議論され始めているのだが、その要因としては、
「戦費を国債で賄うこと」、 「金融機関を政府が救済すること」、 「国債発行額の急増」、 あるいは、 「紙幣の増刷」や「賃金の凍結」、 そして、「民衆の動乱」などが挙げられているのである。
しかも、これらの全ての要因が、 現在の「アメリカ」に当てはまっており、この観点からは、 「たいへん近い将来に、アメリカで、ハイパー・インフレが発生する」 とも考えられているのだが、この点については、 「私自身の考え」とも一致するようである。
このように、現在の世界情勢については、 たいへん不気味な段階に差し掛かっており、実際には、 「限界点」や「臨界点」と言われる 「ターニング・ポイント」に近づいているようだ。
そして、この点に関して、たいへん象徴的だったのだが、 今回の、「菅首相の辞任騒動」でもあったようだが、 それは、「一国の首相が、国民を騙してまでも、 自分の地位を保とうとした」ということである。
つまり、「首相の信用が、完全に失われた」ということであり、 このことが意味することは、「菅首相のもとでは、重要法案が、 一本も通らなくなった可能性がある」ということである。
つまり、「かりに、法案を通したら、再度、 自分の地位を保とうとするのではないか?」というような 「疑心暗鬼の状態」に、すべての国民が陥ったために、 「8月までは、持たない可能性が高まってきた」ということである。
そして、このような「信用の完全失墜」に関しては、 「アメリカの国債も、まったく、同様の状態である」 とも思われるのだが、実際には、 「発行額の上限」に到達しながらも、 「入札」や「政府の買い付け」に関しては、 「今までと、まったく変化がない状態」とも言えるからである。
別の言葉では、 「菅首相と同様に、どのような手段を使ってでも、 覇権国の地位を守ろうとしている」という可能性があり、 このことが、世界中の人々に知れ渡った時に、 「資金が、商品へと、急激に移行する」という 「ハイパー・インフレ」が発生することが考えられるのである。
2011年6月6日 本間裕(経済評論家、第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師)
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