● LOHASのS、サステナビリティ(持続可能性)に注目気候変動が日々刻々進む今日、ビジョンの無い、格差や消費偏重の社会になりつつある日本。こんなことでいいのか、という問題意識から、現状を打破するキーワードとして、日本で広まるLOHAS(ロハス)という新しい価値観に着目しました。LOHAS(Lifestyles of Health and Sustainability 健康と環境に配慮したラフスタイル)は、1990 年代の後半にアメリカで生まれたムーブメントです。元々はオーガニックな農産物を広め、世の中を変革していくことを目指して始まりました。日本でもこの価値観を持った生活者が25%程度存在するという調査結果が出ています(※1)。認知も7割を超えています。(※2) 本書では、持続可能な社会とはどんな社会なのかというビジョンを持ち、そこからバックキャスティングし実現に向けて行動していく姿勢、世の中を変えるのは私たち一人ひとり、より良い社会を目指そうという価値観を、授業を通じて培うことを提案しています。
※1 イースクエア調査(2006 年5月) ※2 インテージ調査(2006 年11 月)
●次世代を担う子どもたちに、ライフスタイル全般にわたり、地球環境問題を最優先の課題としてしっかり根づかせたい。今回、小中学校の先生向けに企画・編集した意図としては、ロハスや持続可能性に関して、一般より教育界のほうが浸透していないのではないかということがありまた。また、教育改革でも環境問題は環境問題、金融教育は金融教育と、ばらばらに教えられているのが現状です。地球規模の課題に対応し、持続可能な社会を創造してく子どもの生き方そのものを変えるには、価値観やライフスタイル全般にわたる新しい視点・アプローチが必要です。21 世紀型道徳教育の柱、それが、ロハス教育であると提案いたします。 おりしも、国連の10 年プロジェクトEducation for Sustainable Development(ESD:持続可能な開発のための教育)も3 年目を迎えています。「持続可能な社会の実現を目指し、私たち一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境との関係性の中で生きていることを認識し、よりよい社会づくりに参画するための力を育む教育」とされています。
● 衣食住余暇生活から健康、CSR、地域再生、CO2、気候変動までロハスの視点で解説 ESD の全ての領域をカバーすることはできませんが、持続可能性をはじめ、気候変動、CO2 と生活、衣食住余暇、地域再生、企業の見方(CSR,SRI)などについて、LOHAS の観点から読み解き、授業での活用方法を提案しています。小中学校の先生方を対象としていますが、家庭で親子で話し合う題材としても好適な役に立つ内容になっています。日本古来のすばらしい価値観である“もったいない”といった自然や物を大切にする心はもとより、LOHAS ならではの、心と身体の健康、ホーリスティックな医療、動植物の知恵に学ぶ、エコツーリズムから地域再生、次世代・他の動植物・途上国の人々への思いやりといった視点をもりこむようこころがけました。
『社会科教科書』 臨時増刊号
『ロハスの教科書 −持続可能な社会をめざす新しい生き方』出版