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安田佳生
株式会社ワイキューブ代表取締役 [ 仕事術 ][ 人材採用 ]
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安田佳生
[インタビュー]
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採用の超プロが教えるできる人できない人/サンマーク出版(2)
2005.04.03
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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採用方法と教育方法について 経営者にきづいてほしい
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無理は禁物。適材適所の人材選びをすることが大事
【主藤】 この本は、私も、実は安田社長とお会いする前に本屋さんで手にとって、買いました。
【安田】 ありがとうございます。
【主藤】 その当時から相当売れていて、ベストセラーになっていました。
【安田】 なぜか…はい。
【主藤】 これは、それだけ売れるというふうに思われましたか?今、すでに20万部突破していますが。
【安田】 全く、思いませんでした 。
【主藤】 売れた要因はどこですか?
【安田】 どこでしょうね?サンマークさんが営業をがんばったからでしょうか?
【主藤】 私は、人についての普段言われない見方、例えば、焼肉の場面を、想定して、分かりやすく、気が利いている人とそうでない人の見極め方みたいなのを、これから就職しようという若者の視点や採用する側の視点にも立っているし、いろんな切り口からいろんな学びが得られるような本になっているなと思いました。
【安田】 多分、一番は意外性じゃないですか。頑張ればできるということを書いている本が多い中、私はどちらかというと、頑張っても駄目なんだということを言ってしまったわけなんですよ 。
【主藤】 そうですね。人材論というか・・・。
【安田】 やはり人間は向き、不向きがあります。向いていない人をいくら教育しても、出来るようにならないですよ。
【主藤】 そうですね。そのお話はいろいろ本にもありますが、そもそも、研修や教育で人は伸びないということですか?
【安田】 伸びない人は伸びない、っていうだけですよ。ただ、研修すれば伸びる人は伸びますよ。
【主藤】 伸びる人は伸びる…。
【安田】 ええ、採用するだけでは伸びないですからね。やっぱり。
【主藤】 適材適所っていう言葉がありますけども、適切な職種に、就いていないと、無理やり伸ばそうとするのは、無駄であると。
【安田】 無駄ですね。本人にもかわいそうですよね。
【川崎】 そのお言葉を伺うと、安田さんがすごく効率的な方な気がしますね。
【安田】 そんなことないですよ。
【川崎】 そうですか。やっぱり人に関しても、無駄なことをやっている人もたくさんいらっしゃると思うので、そういう時は、ぱっと見方を変えたり、方向を変えたりするのが、すごくいいとわかりました。
【安田】 それは仕事なので、そういうふうにやっていますが、私の人生は無駄ばかりですよ。
キャリアのある人が仕事ができるとは限らない 【主藤】 人材教育をビジネスにすることは、何かご自身の過去の経験が大きく生きているのでしょうか?
【安田】 そうですね。自社の採用を始めていろいろ気付きがありました。もちろん、お客さんの採用も手伝っていましたが、世の中で人材に関して言われていることが、実は間違っていることの方が多いなということに気付きました。それで、仕事がだんだん面白くなってきたんですよ。
【主藤】 8割の社長は採用の方法を間違えている…と書かれていましたが、今はまず、そもそも伸びない人材を無理やり伸ばそうとしているというのが、一つの問題点であると。あと典型的な問題点などはありますか?
【安田】 キャリアがある人の方ができると思っていることです。
たとえば、営業マンを採るとするじゃないですか。そしたら、営業をやったことのない人よりは、4〜5年営業やっている人の方が営業はできるだろうと、100人社長がいたら、98人位はそう思っていますね。
【川崎】 はい、思いますね。
【安田】 実質はそうではありません。5年間、営業をやっていて転職する人っていうのは、そのキャリアを持って転職する人ってことです。ほとんどは営業をやっても売れなかったから、会社を変えるわけですよ。
現実的にものすごく売れている人が、会社を辞めたりしないですよ。ですから、「5年間営業をやっていました」というのは「営業には向いていませんでした」と言っているのと同じじゃないですか。
【主藤】 キャリアアップとは違いますか?
【安田】 違いますね。自社の会社の営業マンを見ていて、辞めるのがどういう人かと、残っていくのはどういう人かを見比べたら分かると思います。その仕事で業績をがんがん上げている人が、普通はポンと辞めないですよね。やはり、なかなか業績が上がらず、付いていけないという人が辞めていくわけですよ。
【川崎】 すごく分かります。一部には、そうじゃない人もいらっしゃるんですが。
【安田】 もちろんです。
【川崎】 私の周りにも、転職ばかりしている知り合いがいますが、お給料はどんどん上がっていくのに反比例して、どんどん慢心していって、どうしてこうなんだろう?と思うことが身近に沢山ありました。
【安田】 本当に職を変えた方が本人のためにもいいですよ。本人も5年営業をやっていると、何もやったことがない仕事よりはまだ営業の方が経験もあっていいと思い、また営業で転職するんです。
そしてまた芽が出ないので、また営業で転職する、という繰り返しになってしまうのです。そもそも、何で一番初めに営業マンになったのかというところに大きな理由なんて実はあまりなかったりしますよ 。
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