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安田佳生
株式会社ワイキューブ代表取締役 [ 仕事術 ][ 人材採用 ]
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安田佳生
[インタビュー]
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採用の超プロが教えるできる人できない人/サンマーク出版(3)
2005.04.03
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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採用方法と教育方法について 経営者にきづいてほしい
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採用のポイントは、仕事に求められるスキルと候補者の能力が合っているか
【主藤】 では、採用する側にとって、できる人とできない人の見極め方で簡単なコツはありますか?
【安田】 欲しい人材によって見抜き方は違いますが、どうしても見抜かないといけないところがあります。それは、スキルです。
その仕事で求められるスキルと、本人が持っている潜在的な能力が一致しているのかどうか。
例えば、営業でしたら、コミュニケーション能力ですね。営業のパターンにもよりますが、来社型の営業は、お客さんからニーズを引き出さないといけないので、コミュニケーション能力が絶対必要です。たとえば、家のモデルハウスを見に来て、「そこの家を買います」とか「三軒ください」という人はあんまりいないですよね。
【主藤】 そうですね。
【安田】 普通、「家を見に来ただけです」というお客さんがほとんどです。ですが、お客さんもやはり、値段が大事なのか、デザインが大事なのか、色々内に情報を秘めています。それを引っ張り出して、自社の商品とすりあわせていくわけです 。
【主藤】 待ちの営業というんでしょうか。
【安田】 待ちの営業にはコミュニケーション能力が欠かせません。
【主藤】 一方、攻めの営業でもコミュニケーション能力は重要ですか ?
【安田】 攻めの営業では、コミュニケーション能力があると逆にまずいです。
【主藤】 まずいですか?
【安田】 例えば、我々リクルートでやっていたようなひたすら電話をかけたり、訪問販売をする場合、コミュニケーション能力が高いと、相手が嫌がっているのが予想できてしまう訳ですよね。だから、やり続けるとおかしくなってしまうんですよ。
【主藤】 精神的におかしくなりますか?
【安田】 精神的におかしくなるし、相手が嫌だと思っているから、やっぱりできませんよね。
【主藤】 普通、攻めの営業でもコミュニケーション能力が高い人を求めてしまいますよね。
【安田】 そのプッシュ型の攻めの営業で業績を上げている人というのは見てみれば分かりますが、決してそうじゃないですよ。
どちらかというと少し鈍いです。お客様がいきなりガチャンと電話を切っても、何とも思わないと言うか、何でこの人切ってしまうんだ?何が悪いの?みたいな、そんな人の方ががんがん行けるわけですよ。
採用する企業は、まずは募集する職種を分析することから始めよう 【主藤】 確かに、私の時にも大先輩が同じフロアにいたのですが、彼はどういうふうな営業をやっていたかというと、飛び込み営業で会社を訪問しますよね。
すると「こんにちは!社長!」って言って、ずかずかとフロアの中を歩いていくんですね。そして、一番奥に大体偉い人の机ってありますよね。そこまで「こんにちは!近くに来たので寄りました!リクルートの何々です!」と脇目も振らずに、人の迷惑を顧みませんでした。
今、考えてみるとそれは周りのことを、考えてないわけですよね ?
【安田】 なかなか、まともな神経では、プッシュ型の営業をやり続けるのは難しいですよ。
【主藤】 なるほど。そういう職種に応じて、自分の会社が求める人材があると。
【安田】 そうです。まず、営業マンであれば、どういう商品をどういう売り方をしているのかなど、必要な能力っていっぱいありますよ。
例えば、コミュニケーション能力や企画立案力とか、あればあるほどいいですが、すべての能力を持っている人はいません。だから、もう絶対に譲れない能力はどれか、と一つだけに絞ります。
【主藤】 それは、職種の中で?
【安田】 職種の中です。その能力が突出して高い人を選んで採るんですよ。
【主藤】 ということは、まず自社の職種の分析。
【安田】 そうです。そこから入ります。
【主藤】 ほとんどの会社は、そこまでやらずにとりあえず、営業なら営業、事務なら事務を募集して、面接をして、人受けがよさそうだから、売れそうだからで決めてしまいますよね。
【安田】 今まではそれで良かったですけどね。今まで、営業マンの仕事っていうのは、集客して、商品説明やクロージングをかけて、お客様を決意させて、フォローするという仕事なんですね。
今までのできる営業マンというのは、集客とクロージングに強い人が業績を上げていました。
【主藤】 そうですね 。
【安田】 ところが、今はお客さんがそういう営業を嫌がりますね。さっきのタイプでは、売れないですよ。
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