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家入一真
paperboy&co代表取締役社長 [ 成功法則 ][ 起業 ][ インターネット ]
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家入一真
[インタビュー]
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ビジネスも人生も、自分のペースをどう守れるか(3)
2007.10.03
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引きこもりから13億円のIT企業社長へ―― 前へ進む勇気とヒントをくれる人生の話
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□ナナロク世代は“草食”?――欲が見えない新しい経営者像とは
―――ところで、本のタイトル『こんな僕でも社長になれた』の「こんな僕でも」とありますが、ここまで試行錯誤して会社を大きくされてきた社長であるにもかかわらず、 「こんな僕でも」という表現を使われたのはなぜなんでしょうか。
「こんな僕でも」というのは、この本で大半を占めている引きこもっていたこととか、いろんなことから逃げ回っていたころだとか、そういったものを含めて「こんな僕」とタイトルにつけています。
―――自分自身の自己表現、自己実現のための役割としては、「会社の社長」というのがご自身に合っていたということでしょうか。
それは今でもわからないですね。
―――フリーターとか引きこもりの方にたいして、「こんな僕でも」できたから、みんなもできるよというメッセージも込められているのかなと思います。
そうですね。そういう方でも会社を経営してくような可能性はあると思います。
―――実際に本を読まれた方が、お手紙やメールを送ってくださったケースはありましたか。
そうですね、結構いただきました。すべてに目を通しています。お返事できるものとできないものはありましたけど。
―――いただいたメッセージのなかで、共感されたものもありましたか。
そうですね、わかるわかる、そうそう、という感じでした。そういう時期はたいてい同じような心理状態に落ちていっているんです。
―――ナナロク世代とよく言われている、同世代でいうとmixiの笠原さんとか、ドリコムの内藤さんもそうだと思いますが、20代の現在活躍している同世代の経営者のなかにも、似たような要素があるのでは。
ああ、そうですね。
―――別の世代の経営者のように、社長になって人間として成長したいとか目立ちたいという考え方とは違いますよね。
そうですね。誰かが言っていたんですが、ナナロク世代の社長さんはみんな“草食”だと。1つ上の世代は肉食だったんだけど、ナナロク世代は草食だって。
―――1つ上の世代というと楽天の三木谷さんなど、我々の世代ですよね。
ああ、そうですね。
―――思いっきり肉食ですよね、確かにね。
僕も肉は好きです。
―――仕事の仕方でいうと草食というのは、つまりあまり欲深く見えないと?
そういうことでしょうね。
□嫌なことからとことん逃げれば、その先に何かが見えてくる
―――本を出されて、会社も売上13億にまで成長し、これからさらにビジネスもいろいろと大きくなっていくのではと思いますが、これからやっていきたいこと、伝えていきたいことなどありますか。
paperboy&co.という会社で僕達が培ってきたノウハウもそうですし、考え方とか、面白さとか、そういうものはインターネット以外でもいろいろと表現していけるのではないかと思っていて、まだ漠然とはしているんですけれど、例えばゲームだとか、そういったインターネット以外の方面にもちょっと興味がありますね。
―――それは、興味の領域が広がってきたということですか。
そうですね。
―――最後に、引きこもりの方などに向けて、例えばこれから仕事をする機会もあると思いますが、そういうときにこうなってほしい、こんなことを期待しているといったメッセージをぜひお願いします。
真っ正面からぶつかろうとすると、どうしてもダメになってしまうので、僕のやり方なんですけど、嫌なことからはとことん逃げていると、その中で何かまた次のものが見えてくると思いますから、へんに焦ることなく自分のペースでやっていけるといつか何かが見えてくるのではないかと思います。へんに焦っちゃうと、どうしてもへんな方向に行ってしまったりするので。
―――肉食世代の40代にとっては、すごく勉強になる一言だったのではないかと思います。ありがとうございます。 本日のゲストは、『こんな僕でも社長になれた』の著者、家入一真さんでした。私も初めてお会いしましたが、ものすごく自然体な方だと感じました。ビジネスをしていると周りの影響で自分のペース以上に頑張ってしまったり、無理をしてしまったりする方が多いんですね。今日お話を聞いて、それはやはりよくないと感じました。自分のペースで確実にやっていくことができれば、長い目で見ればビジネスは成功する、ということを教えていただきました。 家入さん、本日はどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
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