|
|
中谷彰宏
著者 [ コミュニケーション ][ 成功法則 ][ 自己実現 ]
|
|
|
|
中谷彰宏
[インタビュー]
|
自分を変えるきっかけを作る“言葉の魔法”(1)
2007.09.19
|
|
成功とは、友人とは、体験とは、本気とは―― 人生の節目に答えをくれる言葉の数々
|
□ベストセラー著者が、初のアンソロジー本にかけた想い
――――本日のゲストは、これまで780冊の本を書かれた大ベストセラー著者の中谷彰宏さんです。数々の著書の中から、『中谷彰宏 名言集』をテーマにお話をお伺いしていきます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
――――これまで、780冊の本を書かれる中で、それ以前に書いたことは、新しい本では紹介しないという方針でいらしたそうですが、この『中谷彰宏 名言集』に関しては違うのですね?
アンソロジーになっているんだよね。アンソロジーというのは今までやったことがなかったんだけど、今まで僕の本を1冊も読んだことがない人に「何を読めばいいですか」と言われた時に、それなら映画の予告編集みたいな本があってもいいかなと。それで作ってみたら、この名言集は13冊から“オイシイとこ取り”をしているんだけれど、読み返してみると面白いんだよね。 だから、読んだことがない人向けに作ったのに、意外に読んだことがある人が読み返しても新たな発見がある。それはどうしてかというと、この名言集、10年以上前、つまり僕が30代半ばくらいに書いた本の抜き書きなんだよね。10何年前にそれを読んでいた読者が、10何年前の頃の自分にめぐり会うことができるんだよね。本というのは、それを読んだ時に自分が何をしていたかということもワンセットでそこに入っている。それから10何年経っていればそれなりの経験をしていて、辛い思いもしていて、もう1度10何年前に読んだ本を読み返すと前は気付かなかった意味や行間が読めるようになっている。 僕はね、ずっとダイヤモンド社のツチエさんと20年以上本を作っていて200冊以上にもなっているんだけど、この名言集は誰が選んでいるかというと、僕が選んでしまうと僕の思い入れになってしまうけれど、それを一番僕を知っているツチエさんが抜き出してくれている。
――――では、この名言集は中谷さんが選んだのではない?
僕は選んでいない。僕が選んでしまうと偏りが出てすごくマニアックな選び方をしてしまうので、僕をよく知っているツチエさんが選んでくれている。それはツチエさんにとってはすごく楽しい作業。アンソロジーの本の作り方はたいてい、これは恋愛の話、これは仕事の話、これは時間の話、これは企画の話、と分類してしまう。でもこの本をツチエさんがうまく作ってくれたなと思うのは、あえて分類していないんだ。ではどうしているかというと、本の中に200個ぐらい言葉が入っているけれど、言葉を抜き出してから、シャッフルしている。シャッフルして並べ変えている。だから、前に載っている言葉が一番強い言葉かといったら、そんなことはない。僕自身ですら、例えば横でこの本を読んでいる人を覗き見するじゃない。読んでくれている子の横から覗き込んでみるとね、自分が書いた言葉なのに自分でびっくりする。それはあると思う。
――――例えばどんな言葉がありましたか?
例えば「中途半端は一番弱い」。喧嘩をした時に最も弱いのは中途半端。僕の頭の中では、徹底的に逃げるか徹底的に戦うかのどちらかかなと思うんだけど、そしたら“徹底的に逃げるか、徹底的に謝るか”と書いてある。落ち、あるじゃんと思って、自分で意表を突かれる。自分ながら意表を突かれるんだよね。でも、深いなこれは、と。 この間も博報堂の同期の友人と食事したときに、「僕ら代理店の人間に、戦うというのはありえないよね。徹底的に逃げるか、徹底的に謝るかしかないよね」って。その方がやっぱり深い。その方が大人だよね。 実は30代半ばに書いた言葉だけど結構深いものを書いていて、それを以前に読んだ人のほうがよりカルチャーショックが大きいかもしれないね。
|