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畑中 由利江
エコール ド プロトコール モナコ代表 [ 礼儀作法 ][ 文化・芸術 ][ 豊かなライフスタイル ]
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畑中 由利江
[インタビュー]
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内面と外面のバランスが取れる人は美しい(1)
2007.02.04
[ TOPBRAIN RADIO ] あのひとの美意識を聴く!
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自分自身で使いこなしていかなければ自分の物にはなっていきません
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プロトコールとは上質なマナーということ
植松 本日はエコール・ド・プロトコール・モナコ代表 畑中由利江さんをお迎えしております。
マダム 畑中さん、本日は宜しくお願い致します。
畑中 宜しくお願い致します。
マダム 畑中さんは日本とモナコを行き来しながら、両国の文化交流コーディネーターとして今ご活躍でいらっしゃるんですけれども、現在は東京の南青山にてマナーのお教室エコール・ド・プロトコール・モナコの代表を務められていらっしゃいます。そしてちょっとお伺いしたいのですが、プロトコールとはどのようなものでしょうか?
畑中 はい。言葉だけで訳しますと、国際儀礼とか世界標準マナーという風に非常に堅苦しい言葉に聞こえるかもしれないんですけれども、私はこのプロトコールという上質なマナーを皆様に学んでいただきたいと思う気持ちから、エコール・ド・プロトコール・モナコという名前を付けたわけなんですね。プロトコールというのはですね、国家間で使われているルールとかマナーということですね。国家間なんですね。エチケットという言葉はよく使われるかと思うんですけれども、これは個人間で使われるマナー、という。そのような違いがありますね。
植松 じゃあ例えば外交官同士とかそういうレベルで。
畑中 そうですね。ですからいわゆる上質なマナー、それがプロトコールということになります。
植松 なるほど。
マダム 例えば具体的にイメージするとしたら、大きな広間でいろんな方と会話したり、社交の場といったところでどういう風に振舞ったらいいかというのを想像したものでもよろしいんですか?
畑中 そうですね。例えば世界の首脳会議があるとき、その後にお食事会がありますよね。例えばその時の席次であったり、お食事の頂き方からしてそうなんですけれども、こういったところで使われることというのがプロトコールということになりますね。それを如何に私達の生活のレベルに合わせて、またそれを使いこなせるような生活を送れるか、ということを私のスクールを通して皆様にご指導させていただいております。
マダム ということは一般の方にもそういう風なもののエッセンスが少し分かると会社ですとかいろんな公の場で役に立ちますよ、ということでよろしいでしょうか。
畑中 その通りですね。
マナーは知識だけではなく実践も大事
植松 日本のいわゆる一般的なマナーや伝統的なマナーとプロトコールとでは分かりやすい違いみたいなものはありますか?
畑中 例えばすごく分かりやすいことで言いますと、お食事をいただく際に和のお作法ですと手は膝の上なんですね。これが例えばフランス料理とか西洋料理をいただくとき、テーブルでいただく時のお食事というのは両手はテーブルの上なんです。これが意外に出来ないんですね。スクールの中でテーブルマナーのレッスンをよく行うんですけれども、どうしても皆様は癖で膝の上に置いているんですね。これは中世の時代に長いテーブルにテーブルクロスを床の上まで長くかけたようなお食事会がヨーロッパで行われていましたけれども、その時代には暗殺が多かったんですよ。その時に例えば人を殺すような武器をテーブルの下に隠しておくと怪しいんですね。ですから手はテーブルの上に置きましょう、何も私は持っていませんよ、潔白ですよ、というところから手はテーブルの上に置くというのが始まりなんですね。
植松 敵意が無いことを。
畑中 そうです。これが今にも伝わっているということで、西洋のお食事をいただくとき手はテーブルの上ということになっています。
植松 そういうルーツを考えるとちょっと面白いですね。
マダム そう思うととても面白いですね、何故こう置くのかっていうことの理由が分かると。
畑中 ただ単に「置いて下さい。これはルールですから」と言うと「どうしてかな」と思いますけれども、そうではなくてちょっと歴史とかそのルーツを知ると「こういう意味なんだな」ということが分かってより自分の中に浸透してくると思いますし、またそれもお食事会の時など知らない方とのお話のきっかけにもなると思うんですね。
植松 日本のマナーとプロトコールを使い分けることが出来るとかなり幅と言うか、お付き合いも広がりますね。
畑中 そうなんですよ。その通りで人間の幅が広がり、お付き合いの幅が広がっていけば、社交性も出てきて自信を持った自分をいつも表すことが出来ますよね。そうすると例えば自信が無い方ですと、緊張しているわけですから、緊張している時って下を向いてしまうわけですよね。下を向いていて、例えば一緒にお食事をしていたとしましょう。「テーブルマナー、大丈夫かな」なんていう風に思ってしまうと横を向いてキョロキョロ、何となく人の真似をするようなことがありますよね。
植松 まさに僕がそうです。この順番でいいのかな、とか気にしちゃう感じで。
畑中 そうですよね。カトラリーは大丈夫かなとか、これ落ちてしまってどうしようかな、とか。そんなところから少しでも知識として持っていたりとか、また知識だけでも駄目なんですよね。これを自分自身で使いこなしていかなければ、自分の物にはなっていきませんのでやっぱり実践も大事な部分になりますね。そこから顔が下を向いていたところから顎がちょっと床と平行ぐらいになれば目線も皆様と合わせることが出来て、そしてお顔周りも明るく見えますよね。そうするとお話も弾んで来ると思いますね。自分を明るく見せたりとか、楽しい雰囲気を作り出す、その場の雰囲気作り。そういったことも余裕が出てくれば会話にもどんどんつながっていくと思いますよ。
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