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石井裕之
セラピスト [ コミュニケーション ]
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石井裕之
[インタビュー]
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一瞬で信じ込ませる話術コールドリーディング/フォレスト出版(2)
2006.05.21
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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コールドリーディングは相手のことを よく理解しようとするテクニックでもあるのです。
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初対面の相手には”第一印象の逆を褒める”ことが鉄則
【高城】 コールドリーディングについてもう1つお伺いいたします。他にあたりをつける手法はありますか?
【石井】 Meタイプならば我を刺激する、Weタイプならば一体感、みんなの役に立っているという言い方もできます。そのため看護婦さんはWeタイプが圧倒的に多いです。別の角度からのテクニックの話をすると、ビジネス等々にそのまま生かせる話ですが、パッと会った人をどのように褒めるかという話です。褒める時にその人第一印象の逆を褒めるのです。
【高城】 第一印象の逆を?
【石井】 普通の人は大体第一印象そのままを褒めてしまうのですよ。
【高城】 そうですね。
【石井】 例えば川崎さんは僕を見た時に、第一印象としてもし褒めるとしたらどういう褒め方をしますか?
【高城】 先ほど初めてお会いした際言ってしまいましたけれど。大変お若いなと思いました。
【石井】 その褒め言葉は、実は正直言うと僕はあんまり嬉しくないんです。もちろん褒めてもたわけですから、「ありがとうございました」とはいいますが。なぜ嬉しくないかというと、それは皆から言われているからなんです。どこへ行っても「見た目より若いですね」と言われるからなのですよ。そうすると僕にとって川崎さんは普通の人の1人にしか印象がないわけ。だけど僕の見た印象の逆を言うとしたらどうですか?
【川崎】 逆ですか?
【石井】 「見た目より若い」を逆に、しかもそれをいい表現で言うとするとどうですか?
【川崎】 落ち着いている。
【石井】 そう、そう、そう。だから実は43歳なんですけど、「43歳にしてはすごく落ち着いている感じですね。ものすごくいろいろな経験をされてきたんでしょうね。」と言われると、すごく嬉しいわけですよ。
なぜかというと、人間はアンビバレンスといって、2つの側面を必ず持っているのです。表面に出ているものの逆の属性が潜在意識にあるわけです。逆を褒められると、潜在意識にアピールされた気持ちになるわけ。だから「あっ、川崎さんってすごいな。よくわかってくれるんだ、僕のこと。」というふうになりやすいんですね。
【川崎】 ちょっと心が通じ合うんですね。
【石井】 そうです。だから相手をパッと見た瞬間の印象。普通の人だったらこういうところを褒めるだろうなというものを全く逆にして褒めてしまう。実はこれはコールドリーディングのテクニックなのです。
コールドリーディングの手法は、ビジネスでも通用するもの 【高城】 コールドリーディングの強さがあっという間にわかってしまった気がするのですが、この手法はいろいろな部分に使える気がしますね。
【石井】 そうですね。
【高城】 ビジネスでも使えるのではないですか?
【石井】 もちろん。もともとはニセ占い師や詐欺師のテクニックですけど、騙すという目的以前に相手を信頼させなければいけない。信用させなければいけない。
例えば占い師の所に行ったら「あっ、この占い師はすごい」とまず思わせるから、突飛なことを言われても「そうかな」と思ってしまうんですよね。だから信頼というのはどんな分野にもやはり通用するものだと思うんですよね。この人はわかってくれると思わせる。その意味では当然ビジネスにも使えるし、恋愛にも使えるし、教育にも使えると思いますね。
【高城】 最近はコールドリーディングについて企業やビジネスにおいても問い合わせが結構ありますか?
【石井】 僕はコールドリーディングを本に書く以前はセラピストとしていろいろな潜在意識的な話を講演で行ってきました。コールドリーディングの書籍を出す際、ニセ占い師の技を表に出すということが、ビジネス系の講演にマイナスになるとずっと思っていたんですよ。 でも意外だったのが、逆に講演依頼が増えたんですよね。講演で「コールドリーディングがすごくおもしろかったです」と言われ、ある意味イメージが湧いたんでしょうね。社員間のコミュニケーションや営業スキル、部下指導で呼んで頂くことが多いですね。
【高城】 どういう企業からですか?
【石井】 企業さんのスタイルとしてはいろいろですね。不動産があったり、コンサルティング会社があったり、一般企業があったりいろいろなのですが、やはり一番依頼が多いのはエンジニアですね。やはりエンジニアはMeタイプで、自分の追求することに対してはすごく強いけど、いざそういう人達も成長してチームを組んで部下を指導しなくてはいけないというスタンスになった時にすごく悩むわけですよ。
人間関係が得意でない。Weタイプ的な要素がないからできないという人に対して「どういう部下を指導したらいいか」、あるいは「お客さんとコミュニケーションをどう取ったらいいか」ということでトレーニングをしてください、というお話を頂くことが多いですね。
【高城】 石井さんにとって、そういう波及効果は予想外でしたか?
【石井】 ええ。予想外でしたね。コールドリーディングは奇をてらった部分もあり、「ああ何だろう」と思わせる反面、人はちょっと引いて「なんだこれは」というふうに見るだろうなと思っていたのですよ、逆にそうではなかったですね。
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