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石井裕之
セラピスト [ コミュニケーション ]
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石井裕之
[インタビュー]
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一瞬で信じ込ませる話術コールドリーディング/フォレスト出版(3)
2006.05.21
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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コールドリーディングは相手のことを よく理解しようとするテクニックでもあるのです。
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コールドリーディングとの出会い
【高城】 通常はセラピストやコールドリーディングの手法といいますと、女性の方が読んでいるイメージがあるのですが、実際に読者の方の反響はどんな感じですか?
【石井】 僕の読者は、特にこの本に関しては6、7割ぐらいが男性ですね。おそらく、女性に比べると男性の方が人間関係に対して直にコミュニケーションでも仕事に関わってくる部分が大きいからではないかと思いますね。
【高城】 私は本を読ませて頂いて、コールドリーディングや心理戦のテクニックみたいなものを学んだ気になったのですが、石井さんはなぜこの本を書くきっかけができたのかということにすごく興味があって。
【川崎】 そうですよね。
【石井】 もともとは私は外資系の企業でSEをやっていたんですけど、海外に赴任していた際、初めてこういったものに出合ったんですね。コールドリーディングそのものというよりも潜在意識的なものをビジネスや人間関係に生かすというのに出合って、当時はもう10何年も前ですからコミュニケーション術はまだ日本では全然普及していなかった時代なので衝撃を受け、仕事をしながら勉強しました。
日本に帰ってきてから催眠療法を専門に独立してやるようになったんですけど、そのころも1対1のカウンセリングがやはり多かったんですね。これはみんなに共通することだから、要するに1対1の話だけではなくてここで得たものをセミナーみたいな形でみんなに広げていけば使えるのではないかなということで始めたのです。セラピー、カウンセリングとコールドリーディングはテクニックとしてすごく共通しているところがあったんですよ。
もちろんコールドリーディングの場合、目的は騙すこと。セラピーは相手を良くしてあげること。でもそこに至るまでの信頼関係を築くとか、相手のことをわかってあげるというところについては同じノウハウが使えるということがわかって、その意味であえてコールドリーディングの面を出してきたということですね。
【高城】 川崎さん、実際に石井さんの書籍を読んでみていかがでしたか?
【川崎】 例えば、私は人とカウンターに座る時に、必ず左側に相手を置かないと落ち着かないんです。あと荷物を必ず左肩にかけないと落ち着かないんですね。なぜかなと思っていたんですけど、そういうことが全部「あっWeタイプだからなんだ」という発見があって、すごくおもしろかったですね。
【高城】 自分の習性や習慣に「なるほどね」と思えるものがあったのですか?
【川崎】 思えるところがたくさんありました。
自分がリードしたいとき、相手に主導権を渡したいとき、状況によって成功するポジションがあった! 【高城】 11万部という大ベストセラーになられて、読者の方は男性が多いということですけども、直接その反響を受けたことはありますか?
【石井】 主にメール、あるいはセミナーに「本を読みました」と来てくださった方々の話を聞くと、やはり当初心配していたことは全くなく、要するにコールドリーディングは騙しのテクニックだということは、頭の中から一切消えているんですよね。「人間関係に使ってみました。こういう結果が出ました。もっともっと勉強したい。」というような人達が増えている状況ですね。
【高城】 結果としてみると、それはすごくいいことですね。
【石井】 良かったことだと思います。
【高城】 私も本を読んでみて、マネージメントをする方がもっともっとこういったことを勉強していった方がいいなと思いましたね。騙すということではなく、会社の上司が部下とコミュニケーションする上で大変重要だなと思ったのですが。
【石井】 その通りです。
【高城】 そういった部分でこの手法は使えますよね。
【石井】 もちろんそうですね。要するに部下に信頼される上司でなければまずいけないし、部下の気持ちをわかってあげる、あるいは「この上司はわかってくれる」と思わせる上司でなければいけないと思うし、その上司のスタンスがMe的な上司なのか、We的な上司なのかを自分で納得していないとうまく回っていかないと思うんですよね。
【高城】 最後に1つだけ、日常で使うシチュエーションとして、本の中にもいくつか書いてありますが、恋愛やビジネスの場面でうまく使えるコールドリーディングのヒントがありましたら、教えて頂けませんか。
【石井】 さきほどのMeタイプ、Weタイプの話に少し絡むんですけども、ビジネスでも恋愛でも何でもいいんです。自分がリードを取りたい時と、相手に主導権を渡したい時がありますよね。つまり契約であれば決定して欲しい時、サインが欲しい時は相手にリードを渡さなければいけないですよね。ところが自分の商品の説明をする時は自分がリードを取らなければいけない。相手には聞いて頂く立場にならなくてはいけない。
その時のポイントは自分の左手側に相手を置いた時に、自分が主導権を取れるんです。自分の右手側に相手を置くと、相手に主導権を取らせることができるんです。車の運転席をイメージしてもらえればいいです。運転席の側が、要するにハンドルを握っている人が全てを握っています。運転席の側にいる人間は潜在意識的に、つまり相手の右手側にいる人間は潜在意識的に自分がリードしなければいけないんだという心になるんですよ。
だから街を2人で歩いている人達を観察しているとおもしろくて、(本人から見て)右側を歩いている人が必ず半歩先を歩いている。どっちに行くか、その人が握っているわけ。 「私の右に出る者はいない」という言葉もありますよね。自分が右に来るというのは自分の我を立てるということで、自分がリードするんだという意識になってしまうんですね。
だからお客様に決定してもらいたい時は自分をお客さんの左手側にポジションを取る。自分がリードしたい時はお客さんの右手側にポジションを取る。恋愛でも2人恋人同士が歩いているのを見ていて、男性の方が左手側にいる時は「あっ、女の子の方がリード握っているんだな」ということが読めるわけです。
【高城】 自分で意識的にリードしようと思ったら、自分が右側にいればいいんですね。
【石井】 そうです、常に。だから実はここの2人は高城さんがリードしているようで、川崎さんがリードを握っているというのがパッと読めるんですよ。
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