|
|
高城幸司
人事・キャリアコンサルタント/きき酒師 [ 営業 ]
|
|
|
|
高城幸司
[インタビュー]
|
リクルートで学んだ「この指とまれ」の起業術/日本経済新聞社(3)
2006.04.16
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
|
|
30歳までに自分の可能性を広げて、 40歳までに自分の次の道を見つけたらよいと思います。
|
自分のやりたいことを30歳までに1つやろう
【川崎】 新規事業を提案する場だけでなくて、既存の仕事や世の中に既にあるものに対して「もっとこうだったらいいのにな」というところからまた広げていくこともされていますよね。
【高城】 ありますね。世の中のビジネスは、ゼロから1を生み出すのは大変ですよね。でも何か1のものがあって、それを10に広げるにはできることがいっぱいあります。例えば僕がやっている仕事で、自分の後輩がみたら「もっとこういうやり方あるじゃないですか」ということがあるでしょう?
【川崎】 そうですね、人によって。
【高城】 そうしたら人にやらせていい。1から10に広がるものが結構あると思います。だから必ずしも新しいことをやるだけでなく、例えばリクルートの中の新しいビジネスのヒントがあれば「これを僕にやらせてください」と言ってやる人もいますよね。それがいいところかな。
【川崎】 ということは、勤めているのがリクルートでなくても、リスナーの方もいろいろな会社にそれぞれ勤めていらっしゃると思うのですが、今ある会社の中でやれるべきことを考えていくというのも何か新しいことへの挑戦になりますかね。
【高城】 そうですね。勤め始めて30を過ぎると、「会社に言われたことをやればいい」というように体がなってしまうんです。
【川崎】 そうですね。
【高城】 会社に言われたことをやるとか、会社の上司に評価されるからやるというふうに身についてしまうんですよね。
【川崎】 評価につながることを先にパッと考えてしまいますよね。
【高城】 ですよね。でもずっと会社にいるわけではないと僕は思っていたからかもしれないけど、会社からどう思われているかとか、会社から評価されているとか関係なくて、それよりは自分のやりたいこと、世の中に役に立つこと何だろうといつも考えて、それを30までにできれば1つ。
本当言うと3つぐらいがいいんだけど、社内で提案したりとか、場合によっては社外でNPO作ったりとか、週末起業したりとかできるではないですか。そういうことをちょっと仕掛けてみる。「自分は世の中に通用する人間なのかな」というのをちょっと試してみた方がいいと思います。
そうでないと、だんだん人間が内向きになっていって、気が付くと40、50になってずっと同じことをやって人生が終わってしまうと思います。そうならないように30までに自分の可能性を広げて、できれば40までに自分の次の道を見つけたらいいのではないかなと思います。そういうことをわりとリクルートという会社の中ではできると思います。でも他の会社でもきっとできます。
【川崎】 そうですよね。伺っていると精神的なものがリクルートという会社で確立されたけれども、他の会社でも生かしていくことができるものですね。
【高城】 そうですね。
経営者はビジョンを出し、メンバーに任せて失敗した時に責任取るのが仕事
【川崎】 この番組聞いていらっしゃる方の中にはサラリーマン方、会社を経営していらっしゃる方もいらっしゃると思うのですが、高城さんご自身も2005年から独立をされています。起業とマネージメントには、共通点がありますか?
【高城】 同じところと違うところがあって、会社の仕事は自分がいなければできない仕事と、自分がいなくてもできる仕事があります。経営者は得てして自分がいなければ「会社が回らない」と考えてしまいます。起業する時にそう思ってしまうんです。最初はそれでいいです。
要するにゼロから生み出す時は自分にしかできないんだから自分にしかできないように頑張ってやるわけです。でもマネージメントは人を雇いますよね。その時にどこかのタイミングで「俺がいなくてもこの会社、回るように変えなきゃ」と変えるべきです。
【川崎】 それは必要ですか?
【高城】 しないと大きくならないではないですか。いつまでもたっても自分が見ていないと会社が伸びなくなってしまうでしょう。だからどこかのタイミングでシステムに変えて、誰かに任せる。「俺がいなくたってこの会社、回るじゃないか」というふうに変えるわけです。ただ経営者はゼロから1を生み出す時に起業するので、自分がいなくてはダメなように情熱を持って頑張ればいいと思います。
もっと大きくしたいのなら、どこかのタイミングでマネージメント力を高めて、「俺がいなくたってあいつができる」、「こいつができる」というふうにしていくことが大事で、そういうような感覚で会社経営をやっていったらいいのではないかと僕は思っています。
【川崎】 なるほどですね。「リクルートで学んだ「この指とまれ」の起業術」でマネージメントの方に限らず、部下をたくさん持っていらっしゃる方は「勝手に仕事が回っていくように、自分で何でも抱え込まないように」と書いてありましたけど、私達は「私がいなきゃ」という仕事にやりがいを感じてしまいがちですよね。
【高城】 経営者はビジョンを出して、メンバーに任せて失敗した時に責任取るのが仕事だというのが考え方です。「俺がいなきゃ」というのは、「俺が決めた」ということが大事であって、その後やる人は違ってもいいわけです。全部を1人でやるというのは無理なので、大きくしたいのなら「誰かに任せることを覚えましょう」ということが言いたかったことです。
【川崎】 責任を取る時の心の準備はしておくという。
【高城】 そうです。その通りです。
|