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高城幸司
人事・キャリアコンサルタント/きき酒師 [ 営業 ]
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高城幸司
[インタビュー]
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営業マンは心理学者!/PHP研究所(2)
2005.05.22
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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日本のビジネスパーソンに営業の力を もっとつけてもらいたいと思います。
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「営業マン=心理学者」の理由とは?
【主藤】 リクルートの中でも一番売りにくい商品で、理解されにくい商品を扱う部署で4年連続トップのセールスを記録し、そのご自身の経験から数々の書籍を執筆されてきて、この本も生まれたと思います。
「営業マンは心理学者!」とタイトルにありますが、営業と心理学というのは、関連性は大きくあるのでしょうか?
【高城】 「心理戦」とよく言いますが、営業の仕事は、結局、お客様に会いに行って、そこで商品の説明をして、最終的にはお客様の心を掴んで、その商品を買うということです。
もし商品だけがあって、「その商品がいいものかどうか」勝手にお客様が選ぶのであれば、営業マンは要りません。
ですから「何を基準に商品を決めるか?」というと、商品を説明する「営業マン自体」であり、その営業マンがきっちり説明する「説明の力」であったりするわけです。
説明にものすごく大事なポイントがあるので、「説明を理解しているか」「相手の方はどう思うか」とか「タイミング」など細かいせめぎ合いが、営業の現場ではあるんです。
そうなった時に、「相手の方が何を考えているのか」「どういう話をすれば相手の方に喜んで頂けるのか」とか、それから同じような商品を選ぶのであれば「彼から選ぼう」と思って頂けるような営業トークを使うためには、当然相手の方の気持ちがわからないといけません。
そこで、心理学者のように相手の気持ちを見透かす力があれば、相手の気持ちを掴む言葉もしゃべれますし、相手の方が喜ぶような商品の説明もできるのです。
それから相手の方がもし「今日はもう帰ってくれ」というふうな気持ちになっていれば、日を改めた方がいいですし、それから逆に「もう今日中に話を決めたい」と思っているならば、その日にちゃんと結論を導いた方がいいわけです。相手の気持ち読まないと、やはりわからないですから。
【主藤】 読むという表現は、感じ取るという言葉が当てはまる場合も多いかと思いますが。
【高城】 感じ取るより、察するのです。察するということには2つあって、1つは自分自身がその場でお客様と話をしながら、相手の気持ちを読む、察することです。
あともう1つは、そもそも訪問する前に「相手の方がどのようなことを考えているか」ということを想像しておくことです。
よく仮説といいますが、例えば「今日はどんな季節で、どんな時期か」と。もし忙しそうな時期、あるいは年度末でバタバタしている時期なら、「ちょっと時間を短くしなくてはいけないな」とか考えますよね。そういった想定しなくてはいけない部分がたくさんあるので、想定する準備によって、ある程度相手の心理を読むことが一つです。
それから、普段ものすごく気難しそうな人と会ってみたら、意外と機嫌が良さそうな時もあります。そこで、せっかく機嫌がいいなら「結論をもらいたい」と、その場で臨機応変に対応しなくてはいけないので、相手の心を読む力が必要ですよ。
【主藤】 営業マンは、相手の心を掴むための心理学を知るべきですね。
【川崎】 今までは気持ちを察するぐらいの感覚しかなかったのですが、戦略的ですよね。
【高城】 要するに今、物の売れない時代といわれ、同じ商品が世の中に多いですよね。
個人にとっても企業にとっても、「商品をいかに魅力的に見て頂けるか」は、やはり営業マンの力なので、そこは心理戦がものすごく大事だと思うんですよね。
営業マンだけでなく、管理職からも熱い支持
【主藤】 実際、「営業マンは心理学者!」はどのような方から反響が多かったですか?
【高城】 これは明らかに2つに分かれていて、1つは20代の前半の若手の営業マン…。 特に女性の方で、出向いて訪問するという営業よりは、例えば販売員とか接客に近い方です。
あと私、実はお酒が大好きなんですが、ワインのソムリエの方ですね。例えばワインをサービスするうえで、「何本か持ってきてくれ」といわれると、プレゼンテーションをしなくてはいけません。
その時、相手の方のお財布を想定しながら、「どれぐらいの価格帯を提案したらいいのか」と、これは営業ですよね。お客様と日常の会話をしながら、相手の心理を読んで、「このお客さんだった5千円のワインがいいのかな」とか、読む必要がありますよね。そういう若手のサービスマン、販売員の方です。
あともう1つは、実際に営業のメンバーを直接持っている管理職の方です。コーチング的な発想なんでしょうね。
【主藤】 教科書みたいな位置づけですか?
【高城】 そうです。
【主藤】 確かにこの本は、営業的な電話の使い方とか、営業マンとしての心構えはもちろん、訪問してどういうふうなことを言った方がいいのか、具体的なテクニックがたくさん散りばめられていますね。
【川崎】 目次を見ても、サブタイトルがついていて、すごくわかりやすいです。もし何か調べようと思った時にも、バイブル的な感じで開けることができますね。
【主藤】 例えば「ぶっちゃけた話、この相談どうなりますかね?」というふうに、具体的なトークで見出しが書いてあります。
だから、「今このあたりが自分の課題だな」と思ったら該当するそのフレーズを探せば、解決法が書いてあるという、わかりやすい作りです。
【高城】 ありがとうございます。先ほど言いましたように、わりと上司の方が営業現場で若手の営業マンに同行し、現場の若手の営業マンのお客様とのやり取りを見ていて、「ああした方がいい」「こうした方がいい」と振り返る時に、この本を読んだりする方が結構いらっしゃるんです。
「さっきの言い方よくないよ」「もうちょっとこういう言い形で丁寧に話した方がいいよ」とか、「相手の方が結構やる気だったんじゃないの?」ということを指導する時に、使うみたいですね。
この本の縁かどうかわかりませんが、ここ1年で、20社ぐらいの企業の講演をやらせて頂いたんですね。1つは大企業の提案営業している部門の部長さんに対して、「上司がどうメンバーを育てるか?」です。あともう1つは、女性を中心とした保険のセールスの方に営業の話をさせて頂いたんですけど、わりとヒットしたという感じがしますね。
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