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片桐 明
株式会社コストダウン 代表取締役/インターネットFAX総合研究会 特別研究員
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指揮者 広上淳一氏
2012.05.06
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私(代表 片桐)はまず交響楽団や、そのコンサートに興味がありません。
ですから自ら情報を取り、コンサートをチェックし、チケットを買い、出向くことは皆無です。
そういう自分が氏の存在を知ったのは一昨年(2010年)、コーラスをしている母から「第九を唄うから来て」と言われて、無理矢理買わされたからです。
家内と二人で出向いたコンサート。感想は「面白かった」。
何が「おもしろかった」のか。
それは広上氏の表情、身振り、手振り、そぶり・・・そのすべてが「おもしろかった」のです。
それまで指揮者の姿を前から見た経験はありませんでしたし、見られないのがコンサートホールだと思っておりました。
出向いたのは京都 北山 京都コンサートホール。
そのホールには指揮者を前から見られる2階席があります。
偶然、その席に座りました。
そこから初めて指揮者を見、広上氏を見ました。
私は氏の一挙手一投足に目が釘付けになり、音は二の次になっていたかも知れません。
知らないなりにもテレビ等を通じて他の指揮を見たことのある私は、今までに見たことのないような失礼ながら氏のコミカルな指揮ぶりは、しかめっ面をし、何か偉そうで、大事なのは奏者なのに・・・などと思っていた私の勝手な指揮者像とは真逆なものでした。
広上氏は小柄で、顔の表情も豊かで、体全体を大きく動かし、使い指揮されておりました。
氏自身が楽しそうで、奏者の皆さんも何かしら楽しそうに映りました。
そして広上氏は演奏中に奏者に親指を立てて「グッジョブ」という「褒める」ということを何度もされていました。
そういう思い出があったので、5月4日(金)にNHKで放映されました「心を鍛える音楽道場〜指揮者・広上淳一と弟子たち〜」を見ました。
ある意味、番組で氏の厳しい顔と指導を初めて見、氏の「謙虚であれ」、「コミュニケーションが大切」という考えを氏がどういう風に体現されているのかも知りました。
氏が指揮するコンサートはリハーサルを経て、一度だけの本番に全員が合わせて、きっと二度と出来ない創造力があるのだと思います。
「今日も何かあるぞ、今日は何が起こるのだろう」というのが氏のコンサートなのかも知れません。
もしかすると氏が指揮するコンサートで氏を前から見ることが出来るコンサートなら、また行くかも知れません。
そういう意味では、私にとっては、奏者を喰ってしまう指揮者で、「良い指揮者」とは言えないのかも知れません。
ずぶの素人の私から見た広上氏はそう映りました。
しかし番組で指揮という世界、指揮者という世界を少しだけ深く知ることが出来たと思います。
オーケストラがその演奏中、言葉なしで指揮者と奏者、奏者同士がコミュニケーションを取っていることも初めて知りました。
コミュニケーションは言葉や文字だけではない。
色々なコミュニケーションのスタイルがあり、その大切さも改めて感じさせて頂きました。
以上です。
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