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片桐 明
株式会社コストダウン 代表取締役/インターネットFAX総合研究会 特別研究員
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ものごとの前提を問い直す−そもそも・・・(そもそも会議)
2012.05.04
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一昨日、2日(水)の日経夕刊 第9面 らいふプラスに『「そもそも」を問い直そう 「仕事・お金・家族って何」』と題して記事掲載されました。
記事冒頭は、『「仕事って何」「お金って何」「家族って何」。世の中の様々なことがらの根っこ、「そもそも」を一から問い直して考える機運が出てきた。そうしたテーマで討論する「そもそも会議」という草の根の活動も生まれ、広がっている。背景には、東日本大震災であらわになった、日本社会が「そもそも」に無関心だったことへの反省があるようだ。』で始まっております。
私(代表 片桐)は、日本社会が「そもそも」に無関心だったかどうかはわかりませんし、反省しているかというとそうではないと思いますが、日本人は「Why」を考えず、「なぜ、何の為に」から考えることが少ないのではないかと思います。
以前、「世界の日本人ジョーク集」(早坂隆著)の「早く飛び込め!」という項で沈没寸前の客船で、皆に避難を促す時に、日本人には、「みんな飛び込んでいますよ」、アメリカ人には、「飛び込めばあなたは英雄ですよ」・・・フランス人には、「飛び込まないでください」と言えば良いというジョークが紹介されてあったのを思い出しました。
これなどは日本人の思考の結果か、逆に行動パターンの結果、身に付いた思考かはわかりませんが、確かに「みんな・・・」というのは日本の場合、誰かや誰か達を説得する時に良く持ち出されるフレーズではないでしょうか。
また、昨年の東日本大震災をきっかけに、例えば、「原発って必要?」「原発って何?」、「電力会社って何?」ということに多くの日本人が考えるようになったと思います。
私自身も色々なことについて、ものごとの「そもそも」を考えるようになりました。
「そもそも必要なのか?」「なぜ必要なのか?」「必要だとすればどうあるべきか」というような感じです。
さて記事で取り上げられた「そもそも会議」では、「結婚」のような簡素なテーマを決め、それに対する考えや体験を自分の言葉で語り、検討する。ただし、ただし、正解を出そうとはせず、結論をまとめようとすることもしないそうです。
また「そもそも会議をするときのルール」としては、
1.発言のハードルを下げるために、わざとつまらないことを言う
2.共感を得るために、なるべく自分の体験を語る
3.正解の主張や相手の攻撃・説得は禁止
4.議論で波風が立ってもOK
5.議論の結果、価値観が変化していく自分を楽しむ
6.本音が話せるように、聞いたことはこの場限りにする
というものが紹介されておりました。
実社会で行われる生産性の低い会議は、時に「会して決せず」と揶揄されますが、この「そもそも会議」は「会して決せないことも良し」ということを前提に、終了時間が少々、延びても、脱線しても良しとし、一つの結論にまとまらなくても、参加した各自の中に起こる変化や気付きが大事で、「ゆるい」会議のようです。
色々な年齢、立場の人が、議論したい一つのテーマの下に集まり、ゆるく始まり、ゆるく終わり、解散する。
必要とあれば、また集まる。
そんな感じでしょうか。
私は集まっても、集まらなくても、「そもそも」を考えることはとても大切なことで、必要なことだと思います。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
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