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小松俊明
外資系エグゼクティブリクルーター [ 時間管理 ][ キャリア ]
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第1回 人生の操縦席に座ろう
2007.01.09
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自分の人生の操縦席に座ること。このことを実感できる人は、意外に少ないのが現状ではないか。大企業と中小企業で働くことの違いを言いたいのではない。サラリーマンという生き方と独立することの比較をしたいわけでもない。僕がここで言いたいこと、それは「自分のフライト・プランを持つこと」の大切さである。
「自分は何をしているのか」、「どこに向かおうとしているのか」この単純な事実をしっかりと把握していることが大切である。軌道修正することはよい。実際のパイロットも、飛行機を飛ばしながら、気流の変化に合わせてフライト・プランを修正しているという。僕が最近心配なことは、間違った方向に進んでいることを知りながら、そのまま対策をとらない人や、かえってアクセルを踏み込んでしまうような人が増えていることだ。具体的には、いろいろなケースがある。やりたい仕事ができないまま、現在の仕事を続けている人。給料が下がり続けてモチベーションを下げているのに、現在の職場にとどまり続ける人。自分の自由になる時間がほとんどないほど残業を続けているのに、現在の職場で働き続けている人。
僕は転職をいたずらに勧めたいのではない。どちらかというと、ヘッドハンターのわりに転職には慎重派である。ある意味、転職ほど簡単なことはなく、実は難しいけれどもっとも大切なチャレンジは、今いる職場で評価を高めて、そこで成功することである。転職を繰り返しても、本質的な問題解決にならないケースがあまりにも多いからだ。
社会は乱気流、嵐の様相でもある。だからといって、どこに向かうともわからないジャンボジェット機のエコノミー席で、長時間、神経と体力をすりきらせながら、じっと座席にしがみついているのでは、いずれ人生というタイマーも時間切れを迎えてしまう。 「自分の人生の操縦席に座る」ためには、軌道修正が必要な瞬間があるかもしれない。そのときは、思い切ってフライト・プランを書き直すべきである。ジャンボジェット機に乗っていても、常に自分が操縦桿を握っていることを忘れないことである。必ずしも別の飛行機に乗り換えなくてもいいし、セスナ機の操縦桿を握らなくてもいい。どんなフライトでもいい。自らの「フライト・プラン」を自分が書いているということが、フライトそのものを楽しむためのコツなのである。
僕は自分の人生の操縦席に座りたい。他の方々にも、これだけはおススメしたい。 人生はアドベンチャーではないか。何もかもが面白い。そして自分が書いたフライト・プランの到着先であれば、それがどこであっても納得がいくというものだ。人生とはこうありたいと思っている。
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