ゴーストタウン化した幕張新都心『パルプラザ幕張』の再活性化が進行中
2007年08月16日(木)

新都心の人口増に標準を定め、不動産会社による商業施設開発ラッシュが相次ぐ、千葉市美浜区のJR京葉線海浜幕張駅。そのなかでも駅北口から徒歩2分の「パルプラザ幕張」の再活性化がここにきて急速に進んでいる。駅をはさみ、幕張メッセの反対側に位置するウッドデッキを基調としたこの広場は、「財団法人千葉県まちづくり公社」(詳細は下記に記載)が千葉県企業庁の意向で2007年4月より管理運営を開始したばかりである。

パルプラザ幕張は、1997年4月企業進出の呼水の目的で千葉県庁が核となり約6億円を投入し建設、整備を行なったのが始まりである。ところがJR京葉線海浜幕張駅前という好立地にも関わらず、近隣住民をはじめ、周辺オフィスに勤務するビジネスマンの利用を見込めず集客に苦戦。その閑散状態はまさにゴーストタウンの様相、出店者の多くがこの閑古鳥状況に悲鳴を上げた。結果、経営難から撤退が相次ぎ、パルプラザ幕張では空き店舗が目立つ深刻な状態が続いていた

そのようななか、管理運営を県より引き継いだのが「財団法人千葉県まちづくり公社」(以下まちづくり公社)である。環境配慮した快適で潤いのあるまちづくり推進を提唱するこの団体は、2000年4月1日付けで千葉県の行政改革の一環として、千葉県都市公社と千葉県地域整備協会及び財団法人千葉県都市整備協会が統合し発足した財団法人である。

再度パルプラザを復興させたいまちづくり公社へ「地域貢献の手伝いを」と、挙手した企業があった。その企業とは、国内外に17店舗を経営する炭火焼鳥居酒屋チェーン株式会社くふ楽(千葉市、福原裕一代表、2006年9月期売上高:約10億9000万円)。海浜幕張のWBGマリブウエスト内に本社を置く、くふ楽は、「ゴーストタウン化したパルプラザの活性化」という同じ目的を掲げるまちづくり公社とともに、魅力あるまちづくりを推進するための施策検討を昨年より開始した。

■「パルプラザ幕張」再活性化に向けて
 @ 『重要課題の選出』
幕張新都心で商業施設の展開が進行する傍ら、パルプラザ幕張の再活性化の重要課題として、住民や近隣ビジネスマン達からのニーズ、「安心して家族と食事をする場所が少ない」「仕事帰りに気軽に立ち寄れ、落ち着いてお酒を楽しめる場所が少ない」といった多くの声に着目。そして、ビル内テナントが多い海浜幕張商業地域の中で、敷地内にウッドデッキが有り、唯一地上店舗のみで構成されているパルプラザの特徴を活かす事も重要である、と両社がお互いに認識した。また、パルプラザ内でシンボル的構造をもつドーム状の店舗の活用をくふ楽が提案し、まちづくり公社より、ベイタウンに在住する愛犬家のマクハリーゼたちの散歩コースになるよう、ドッグカフェの機能を持たせたカフェテラス席のある店舗を、とのアイディアが出た。その他、和食堂・居酒屋・焼肉店・中華料理店、そして唯一無かった高級レストランをくふ楽が出店する事で合意。幅広い年齢層に対応できるパルプラザに変貌させ、新都心内外から幅広く集客することを前提に、再活性化を狙った。

■「パルプラザ幕張」再活性化に向けて
 A 『‘課題’を‘現実’へ』
今年6月27日、パルプラザ内に銀座くふ楽総本店として高級串焼き店を開店。続く7月25日には、くふ楽始まって以来の高級レストランを併設した。以前はビアホールであったが、ここ1年ほど営業せず倉庫と化していたパルプラザのシンボル的ドーム状店舗は、このレストランへと生まれ変わった。(写真下・上段参考)このレストランの名前は『センテナリア(伊語/センテナリオ:百年記念祭)』。コンセプトは『1日に100人の【記念日】を祝う、100年に1度の伝説のレストラン』。人生の記念日であるウェディングにも利用でき、洗練された大人の空間を実現した。ランチタイムには、ドッグカフェとしてテラス席を利用できるため、愛犬家に優しい演出も。外資系の企業が多い海浜幕張で欧米人にも楽しんでもらえるよう、英語が話せるスタッフや欧米人のスタッフの雇用も積極的に行なっており、地域住民が利用しやすいサービスを提供している。

入社1年4ヶ月目で『センテナリア』店長に抜擢された宮ア千春(1983年生、現在24歳)は、「お食事、スタッフのおもてなしはもちろん、店内は、バリアフリーも徹底しています。ご年配の方、障害をお持ちの方も、お気軽にご来店ください。世代を超えて、海外の高級リゾートをテーマとしたこのレストランで、身も心もリラックスしていただきたいですね。」と、張り切っている。

今後もパルプラザには外食企業の出店が予定されている。海浜幕張駅周辺の集客のみにこだわらず地域内外から幅広く集客を狙いたいところ。地域の更なる活性化としてパルプラザ幕張の改進はまだ始まったばかりだ。【参考資料:財団法人千葉県まちづくり公社(千葉市中央区)http://www.cue-net.or.jp/】

■レストランバー『センテナリア(伊語/センテナリオ:百年記念祭)』
メニュー数40品、ドリンクメニュー数100種類以上。料理はオーガニック素材を活かしたモダンフレンチ、フランス料理にアジアンのテイストを融合させたオリジナルスタイル(写真は参考)。
店内の天井は7メートルを超え、開放感ある癒しの空間演出と、優雅な雰囲気を実現、坪数90坪、総席数70席。
ランチ11:30〜14:00、ディナー17:30〜22:00、月曜定休。
くふ楽の通常主力店舗客単価が3000〜3200円に対し、
センテナリアではランチ1575円から、ディナー5040円から。
月間1000万円(年間1億2000万円)の売上げを見込む。
連絡先【住所:千葉県千葉市美浜区ひび野1-6 B棟-1、電話番号:043-213-2123】。
ホームページは、http://centenaria.jp/


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