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朝倉千恵子
株式会社新規開拓代表取締役社長 [ 営業 ]
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朝倉千恵子
[インタビュー]
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初対面の1分間で相手をその気にさせる技術/日本実業出版社(3)
2005.06.12
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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営業では、相手を意識した 心のマナーを大事にして欲しいと思います。
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飛び込み営業は、情報収集と考えよう
【主藤】 ここで、具体的なテクニックのお話をしていきたいと思います。私も営業の経験はありますが、例えば「飛び込み営業に行った時に、担当者に会えなくてもOK」ということで、担当者に会う秘訣はもちろんですが、ターゲットの選び方というその前段階の話がヒントとして書いてあります。
例えば「ウチは突然来てもらっても困ります」というクライアントには、こちらからお断りしようということなんですよね。
【朝倉】 要するに相手の時間を拘束するから、断られて当たり前ですよ。
ましてや、受付に携わる仕事をしている方から見ると、突然やってきた訳の分からない人物を簡単に取り次ぐ訳にいかないじゃないですか。
だからシャットアウトするのが当たり前なんですね。けれど、飛び込み営業はそこからがスタートだと思うんですよ。なぜかというと、通常は誰に電話をかけていいかという、キーマンが分からないじゃないですか?
【川崎】 はい。
【朝倉】 例えば名簿を見て電話をかけるにしても、「何々の担当の方にお取次ぎいただけますか」というような曖昧な表現でしか電話をかけられません。
そして、「名前も知らないのにあなたは電話をかけてきたの?」とガシャンガシャン切られてしまうわけです。でも、飛び込み営業を情報収集と割り切ってしまえば、こちら側が応対をきちんとすれば相手も怪しい雰囲気を感じず、丁重に話をすると相手も丁寧に受け答えをしてくださいます。
だから、この次は誰にアポイントをとればいいのかと、その場で情報収集ができるんですよ。
【主藤】 あくまで情報収集の第一環として、飛び込み営業を捉えてみようと。
【朝倉】 もちろん、その場で情報を頂いたあとに「ではこの方は、本日その場にいらっしゃいますか?」と聞きますよ。
実際にそこからお取次ぎいただいて、本当に名刺交換の予定が長くなったこともあります。けれども、「飛び込み営業は度胸づけだから、とにかく行ってこい」と目的も全く無いまま、オドオド、ペコペコ頭を下げて受付に行ったら、絶対はねのけられるのは当たり前ですよ。
だから、いかにパッと見た瞬間に「あれ、この人断ったらいけないんじゃないの」というオーラを醸しだすべきだと感じます。
【主藤】 なるほど。面白いですね。
初対面では、まず相手に一目置かれる存在となるべし
【川崎】 営業で受付に行かれた時のエピソードで、背筋をピンとして「あ、誰か重要な人が来たな」という印象を見た目から醸しだして、オドオドしないで進まれるということですが、やはり受け入れる側も「あ、どなたか大事な方の、大事な方かもしれないな」となりますよね。
【朝倉】 そうです。相手側も丁寧に受け答えしなければいけないし、無下に断ってはいけないなという心理になるんです。ほとんどの営業マンは、受付に行くまでの間、口から心臓が飛び出るほどドキドキしています。
そして、ペコペコ何度も頭を下げて、手を震わせながら、名刺交換をするんです。どう考えても怪しいから、取り次いでくれないんですよ。
【主藤】 なるほど。
【朝倉】 だからそこの最初の第一関門をいかに潜り抜けるか、といったら、私は本当はものすごく緊張する性質なんですが、あえて背筋をピンと伸ばして、堂々とモデルウォーキングをして、要するに名刺をきちんと渡します。
それによって相手が一目置くわけですよ。ですから邪険にされなかっただけの話ですね。
【主藤】 本当に貴重な話ですね。
【川崎】 例えば、夏の暑い日に汗を拭きながら、ジャケットを抱えて「スイマセン」って入って、結局取り次いでもらえずに帰る方、この人の目的は何だったんだろうと。度胸試しとしか思えない感じの人っていますよね。
【朝倉】 はい。あとは「この資料だけでも」とか「名刺だけでもお渡しいただけますか」っていう人。お名前と顔の一致しない名刺は価値の無い名刺と扱われますから、結果的には捨てられてしまいます。大切な資料も「この資料だけでも置いておきますから」では、見ないんですよね。見ない資料を手裏剣のように配っているわけですよ。
これはもったいないというのが私の発想です。だから、営業は情報収集と割り切った方がいいんじゃないかと、あえて分かりやすく書いたんです。
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