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渋井真帆
株式会社マチュアライフ研究所代表取締役 [ 経理・会計 ]
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渋井真帆
[インタビュー]
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あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編/ダイヤモンド社(3)
2005.05.29
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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多くの人に『稼ぎ力』というものに 意識を向けていただきたいと思います。
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経済は、世の中の仕組みを理解することに始まる
【主藤】 男子禁制、女性しか中身を知ることできないということで、私はますます興味があります。この「女のたしなみ経済塾」や「女のたしなみ やわキャリ塾」はどういったことをされているんですか?
【渋井】 弊社は事業の柱が3本あります。1つが私や所属講師の講演活動や、執筆活動。
2つめが、企業さん向けの人材育成や、マーケティングのコンサルテーションという、顧問契約を結んで仕事をするパターン。
3つめが、弊社自体が運営している女性限定ビジネススクールです。これが「経済塾」、「やわキャリ塾」というわけですが要は稼ぎ力トレーニングをばらして提供しています。
【主藤】 そのスクールは、女性しか受けられませんか?
【渋井】 男性でも受けられますよ。私自身が請け負っているのが、いわゆる企業役員クラスのマネージメントの方です。あの方々も役員になる時に経済の勉強をしないといけないのですが、プライドが高いので「男性から教わるのが嫌だ」という人が多いんです。
【主藤】 女性から教わるほうが素直に学べると。
【渋井】 30代ぐらいの女性にビシバシ言われるのをおじ様達はどうも好きみたいです。それ以外にも企業さんに研修などを依頼されたりしますが、やはり部長さんクラス以上の方々が多いんですよね。一般のフリークラスでは女性限定にしています。
【主藤】 授業の中身は具体的に、経済の難しいことを教えているんですか?
【渋井】 よく「経済は難しい」と言う人がいますが、私達が生きている社会とは資本主義社会ですよね。ということは、経済の基本的な仕組みや経済金融経営の基本的な仕組みは、我々の生きている世の中の基本的な仕組みそのものなのです。「経済ってわかりません」と言って済ましている人は、「自分の生きている世の中の仕組みがわかりません」と言っているのと同じですよ。
経済の勉強をするといっても、要は世の中の仕組みを勉強すること。私の塾に来る方々は、経済ってこんなに簡単だったんだと皆さんおっしゃいます。
簡単な順から、経営、財務、経済、金融となりますが、多くの方が経済イコールマネー(金融)だと勘違いされていて、余計難しくなってしまっています。
経済とは世の中の仕組み。そして、世の中の仕組みがわかれば、世の中の先行きもわかります。
先行きがわかれば、投資ならばあとはどんな金融の商品、道具を使えば、ビジネスならばどう動けば一番自分にとってメリットになるかというのがわかりますよね。
世の中の仕組みがわからないと、自分の活かし方もわからないということになります。自分の活かし方がわからなかったら、資本主義社会でお金やチャンスを呼び込むこともできないですよね。だからうちの塾は、まず「たしなみ経済塾」で世の中の仕組みの学び方、世の中の仕組みを見る見識、物事の捉え方を習った人以外は、他のカリキュラムを一切受けれないことにしているんですよ。
【川崎】 まずベースをやってから、というところを紹介しているわけですね。
決算書を暗号文書として読みこなそう 【主藤】 稼ぎ力養成講座の「決算書読みこなし編」は基本ですか?
【渋井】 これは、経済塾が終わった人向けです。ところで男性の方は、経済塾で学ぶ類の話を皆さん結構学んでいますよね。
【主藤】 日常、仕事をしていく中で学んでいるんでしょうね。
【渋井】 そうですね。学んでいる方と学んでいない方が生じていて、男の方の二極化を作っていますよね。
【川崎】 今、お話を伺っていて「経済ってそんなに難しいものではないんだ」という印象もありましたけど、決算書の本というとすごく難しくて、他の書店に並んでいる本とかを見ると、基本的に専門用語が普通に使われています。
ですが、渋井さんの本では、基本のことも解説して下さっていて、初めて目にする人でもすごくわかりやすいですよね。
【渋井】 そうですね。決算書を一言でいうと、人間の欲望と行動をお金という単位で数値化した暗号文書なんです。
【川崎】 ゲームみたいですね。
【渋井】 そうですね。決算書が暗号文書だというのがわかれば、あとは暗号の読み方だとか、ルールとか、読む順番がわかればいいわけです。
また、決算書を使って、企業にまつわる人間の欲望とか行動というのを読み解けばいいんだということが気付けるんですね。
例えば、売上高の上昇というのは、その会社の商品やサービスをお金を出してでも買いたいという欲望を持った人が増えたということを、お金という単位で数値化したことに過ぎません。そういう人が増えたんだと思えば、なんで商品を欲しがる欲望が増えたんだろうと、また人間の行動や欲望にアプローチしていけるんです。
だから決算書は、すごくドラマなんですよ。だから、決算書の読み方を学ぶ時に、売上高、営業利益、売上高営業利益率という言葉が、どんな欲望やドラマによって生まれて重視されるのかという背景がわからないと使えないんですよね。
【主藤】 そういった基本的なことをこの本でまとめられているということですね。
【渋井】 おっしゃる通りですね。
【主藤】 おそらくこの本が8万部も売れて、そしてなおかつ現在も売れ続けていますけど、やはりその内容や、知らない人のための視点から書いたというところがわかりやすいのでしょうね。
【渋井】 そうですね。決算書を道具として使う視点の人から、私は決算書の読みこなし方を教わりました。ですから、決算書を暗記して満足するのではなく、ちゃんと企業を分析したりできるような本を書きたいと思いました。
他にも、決算書は投資で使ったり、自分の仕事の仕方だとか、働き方とか、評価面談の時のアピールの仕方の時や説得材料としてもすごく役立つツールです。
【主藤】 今、おっしゃったことが決算書の一つの使い方なんですね。
【渋井】 はい、そうです。
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