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和田秀樹
ワダ・インスティチュート代表 [ 自己実現 ]
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和田秀樹
[インタビュー]
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お金とツキが転がり込む習慣術/祥伝社(4)
2005.05.15
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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毎日5分でよいので、 自分を見つめる時間が欲しいですね。
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自分の長所を客観的に把握できる環境は?
【主藤】 そうすると、それは自分の長所を客観的に知る一つのテクニックでもあるわけですよね。
【和田】 結局、受験とか、ある種の情報処理能力に関しては、とても優れているわけだから、何もわざわざ医者になる必要はないんです。
【主藤】 すると、ますます自分のその長所に気付きますから、要は環境によって他人が教えてくれるわけですよね。そうすると先ほどのお話にもありましたように、ますます長所が伸ばせますね。
【和田】 はい。例えば、東大の医学部を出て、TBSを受けたら、普通法学部出ていたって、TBSは、例えば100人に1人位しか受かんないわけです。
でも医学部だったら珍しいから採ってやろうという話になりませんか?つまり元々学歴が高い人の中でも、自分らより上にいた珍しい人種の人たちだから、それだけで一目置かれる可能性がありますね。
【主藤】 なるほど。
【和田】 それから、もう一つは、日本の医学部を出たって、医学知識や実際の経験がないとたいしたことないのに「こいつは医学を知っている」「人間を知っている」と言う目で見られます。別の企画だとかにいろいろ参加させてもらえる可能性も高いですよね。
【主藤】 なるほど。
【和田】 医療問題、人体の問題、心理の問題をやるにしても、医学部を出ているということで一つ面白い知識を持っている人だと思うわけですよ。
ここで大事なのが、人間は期待されるとそれに合わせようとするところがあります。そうすると、医学については他の奴より詳しいという話になって初めて、もっともっと医学を勉強するようになるわけです。
【主藤】 本当は詳しくないけれども、他人から、「詳しいよね」と言われて初めて勉強すると。
【和田】 例えば、経済学部を出ているから経済に詳しいかというと、たいして詳しくないんだけど、超理系企業なんかに入ってしまって、経済学部が一人もいないと「お前は経済詳しいからお前に財務をやらせる」「経営の判断をやらせる」という話になった時に初めて勉強しますね。
【主藤】 医学部や経済のお話、自分の学歴というところからお話に至ったわけですが、他人から自分の長所を客観視される環境におくと、他人がそこを賞賛してくれると。 【和田】 そうですね。
【主藤】 そして、ますます自分を伸ばそうとする、これが実はツキを呼ぶ法則ですね。
【和田】 そうです。つまり、自分が評価されたら、余計頑張るわけです。
まず第一段階として、自分はツイてる人間だと思えれば、例えばの話、東大の医学部を出て医者になるのは確かにつまらない道だけど、安全な道ですよ。ところが、医学部を出て、ベンチャーであれ、テレビ局であれ、なにかに入るのは、多少はリスキーだけど目立つ道ですよね。
【主藤】 目立ちますね。そちらの方が運もツキもありそうですね。
【和田】 つまり、俺は理Vに入れたような賢い人間だからとか、ツイてる人間だからと思って、それでよその世界にチャレンジすれば、また別の面で運が生まれてくるかもしれないし、他人からも期待されるかもしれないわけですから。
【主藤】 常にトライし続けた方が実は運が向いてくると。
【和田】 僕はいいと思いますよね。
自己主張することでチャンスを掴め 【主藤】 本の中には「1000人に嫌われても100人のコアのファンを持て」とあります。これだけ嫌われるのは誰でも嫌ですよね。
それでも、自分の長所を認めてくれる人が少数でもいればこれはまたツキが転がり込むということですか?
【和田】 はい。つまり、嫌いだと言っても、本当にストーカーされるとか、恨まれるというレベルの嫌われ方をすると結構厄介です。
しかし、普通に「あいついけすかん奴だなぁ」とか、テレビに出ている時、「偉そうにしているなぁ」「ちょっとこの人落ち目になったらいいのになぁ」と思われる人は多くいるでしょう。しかし、実害ってあまりないわけですよね。
でも嫌われることは個性があるわけだから、好いてくれる人もいるわけです。その好いてくれる人はコアな人だから、例えば何をするにしても「じゃあお前金出してやるよ、頑張れ」とか、いろんな形で支えてくれることもあるわけです。例えば本を書く時に、誰にでもいいような八方美人的な本を書くと、結局みんな買ってくれないんだけど、とがった本を書くと、お金を出して買ってくれるということがあるわけで、少数意見の方が逆に言えば、部数がたくさん出るというパラドックスが起こるわけですよね。
【主藤】 本の例えでお話いただきましたけども、これは会社の中で営業成績がずば抜けていいとやはりひがまれたりしますし。
【和田】 そうですね。
【主藤】 例えば「いつもいいクライアントばかり取って」と実はそうではないのに、誤解されているとか。けれどもそういうふうに思われる位が実は運もついてくるのですね。
【和田】 嫌いな人が多いということは、一般論から言って、ものすごく嫌われることをするだとか、力もないのに威張るとかありますが、自分が嫌われるのを恐れて、自分の自己主張をしないと、逆にそれは好かれるチャンスを失ってしまうわけですよ。
【主藤】 嫌われるのを恐れず、割り切って自己主張をすることが運やツキを呼び込むコツだと。
運やツキを呼び込みたいなと思うと、ついつい人に嫌われないようにしようとか、無難に組織に適用した人間になろうとか、そちらの方が運も向いてくるだろうというふうに思ってしまいますが、実は違ったのですね。
【和田】 結局、自分を否定的に見る人は、嫌われることを恐れるわけですよね。自分を肯定的に見る人は、要するに好かれればいいやと思えるみたいなところがあるわけですよね。
【主藤】 面白いお話ですね。本の最後の方に「変な人間といっぱい付き合うように」と書いてありまして、これも面白いなと思います。ツキとお金に関する本ですから、変な人間と付き合った方がお金もいっぱい入ってきて、ツキもあがると。
【和田】 どちらかというと変な人間が全然駄目な可能性もあるし、上手くいかない可能性もありますが、やはり成功者は変な人が多いですよね。
例えば、僕なんかでもちょっとずつ有名になってくると、いろんな人が「久しぶりに会おう」とか言ってくるわけですよ。そこで、有名になったから途端に会いたがっているとか、どうせ下心があるんだろうと思って会わないでおくと、ひょっとしたらいい話かもしれませんし、何か頼まれた時や、お金を貸してくれと言われた時に初めて断ればいいことですから。
【主藤】 なるほど。やはり可能性は常に広く持っておくということで、変な人間と付き合うというのは一つの例えとしてあげられていらっしゃるんですね。
【和田】 そうですね。だから、いろんな人と付き合っていると、逆に言えばそこからビジネスチャンスも広がってくるかもしれません。
これはヤバいやと思ったら、やめればいいことですから。
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