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宋文洲
ソフトブレーン株式会社マネージメントアドバイザー [ 営業 ]
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宋文洲
[インタビュー]
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やっぱり変だよ日本の営業/日経BP企画(1)
2005.05.01
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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私の考え方が広がれば、日本はまだまだ大きな成長力を 持っている国だと思います
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日本の営業は効率が悪い!
【主藤】 今回のゲストは、日経BP企画から出版されて、既に7万部を突破した、営業の本では異例のベストセラーの「やっぱり変だよ日本の営業」著者であり、ソフトブレーン株式会社会長でいらっしゃいます、宋文洲さんにお越し頂きました。宋さん、宜しくお願いします。
【宋】 お願いします。
【主藤】 最初は留学生として来日し、上場までされた社長というのはすごいですね。
【宋】 はい、私が第1号です。
【主藤】 そうですよね。しかもマザーズに上場した後に、東証二部に上場してしまうという、これはもうなかなかできることではないと思います。
こういうビジネスのお話も聞きたいのですが、今日はあえて宋さんがお書きになった「やっぱり変だよ日本の営業」という本や、今までの営業では実際数字が上がらないというこれからの営業に関する秘訣をお伺いしたいと思います。まず、日本の営業が変だタイトルにも書いてありまして。
【川崎】 タイトルがおもしろいですよね。
【主藤】 おもしろいですね。
【宋】 どこかのテレビの番組みたい。
【主藤】 これは、どの時点で気付かれたのでしょうか?
【宋】 私、1回目の天安門事件の影響で日本に居ついてしまいまして、最初の事業は今と違って土木のソフトウエアです。
その時は自分で販売していた時期がありまして、その4、5年間の販売を通じてわかりましたね。やはり我々中国人は、日本に来るまでは、日本は全て先進的だと思っていました。
実社会に入ってみると、製造は確かに非常に先進的なことをやっていましたが、販売とかマーケティングは、ものすごく泥臭くて古いです。効率が悪いんですね。その時、これは商売になると気づきました。だから、バサッと土木の事業を止めて、6年前に現在の事業をスタートしました。
【川崎】 なるほど。
【主藤】 中国から見ていた日本のイメージや営業はさぞかし効率的でシステマチックにやっているだろうと思ったところ、ご自身で営業をされてみると全然違っていたと。
【宋】 全然違います。裏切られて、もうとんでもないと思いましたよ。
義理、人情、プレゼント・・・。】「GNP」営業では結果につながらない 【主藤】 日本は、やはり製造業の方は効率化が非常に進んでいますか?
【宋】 全くおっしゃる通りです。
【主藤】 しかし、営業部門は違ったのですか?
【宋】 日本の方々もご存知の通り、結局日本は製造で成長してきた国です。日本製品が、世界中に輸出されても、日本国内においてはどういった販売をしているか、特に管理部門も含めてホワイトカラーの業務が本当に効率的かどうかというのは、僕ら外からではわからないわけですよ。
中に入ってしまうと、こんなとんでもないことをやっているのかということです。しかし、高度成長期は、当時の中国、韓国、ロシアなどは、あまり製造をしませんでした。日本は一人勝ちで、物をガンガン作れたので、営業は少々無駄があっても儲かっていました。 だから、誰も問題意識がないんですね。
【主藤】 なるほど。
【宋】 けれど、このバブル前後から中国、韓国、ロシアやシンガポール、台湾もが物を作り出したから、日本は今でも製造はリードしていますが、そのリードの幅が小さくなってしまいました。
【主藤】 追いつかれてしまったのですね。
【宋】 そうです。追いつかれた分、余裕なくなりましたが、営業は相変わらず根性営業ですとか、義理、人情、プレゼントが主です。これを合わせて、GNPと言いますね。
【主藤】 GNPとは、義理、人情、プレゼントですか。なるほど。
【宋】 そのやり方では、「頑張っています」とやった気分になってしまうんです。
【主藤】 やる側の満足度が高いからでしょうか?
【宋】 そうです。結果につながっていないわけですよ。
【主藤】 仕事をした、という満足からは結果が出ないと。
【宋】 そうです。結果が出ないから、もっと頑張れ、もっとGNPとなりますね。
【川崎】 間違った方向にどんどん進んでいるわけですね。
【宋】 接待ですとか。
【主藤】 さらに、接待もそうですか。
【川崎】 今でもありますよね。
【主藤】 接待は非効率の典型ですね。
そういったことに気付かれて、土木解析ソフトで会社を起こされたのですが、実は途中でガラッと業務を変えてしまったのですか?
【宋】 ええ、全部止めました。 ソフトの方がもっといいと思いました。
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