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藤巻健史
フジマキ・ジャパン代表取締役 [ 資産運用 ]
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藤巻健史
[インタビュー]
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藤巻健史の5年後にお金持ちになる「資産運用」入門/光文社(2)
2006.07.09
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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長い目で経済を見ることは重要で、 自分の財産を守るためにも日々の勉強は必須です。
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財産赤字を早く縮小しなければ、ハイパーインフレという大変な状況になってしまう
【高城】 本の中で「日本がインフレになる」とおっしゃられていますよね。経済をマクロ的に俯瞰してみるには非常に勉強になったのですが、インフレになるという見解を教えて頂けますか?
【藤巻】 ちょっと間違えてはいけないので言っておくと、普通経済学上、インフレというのは消費者物価が上がるか下がるかということ。
スーパーやデパートで売っている卵や洋服が上がるかどうかなのですが、私がまず間違いなくなるだろうと思うのは、‘資産インフレ‘の方なのですね。
土地と株は消費者物価に入っていないのですが、土地や株は上がるかなと考えています。それはなぜかというと、バブルと同じような現象がある。要するに世の中にお金が非常にジャブジャブあるので、少なくとも土地と株は上がってしまう。ただ消費者物価はあのバブルの時さえ上がらなかったので、今回も上がらないかもしれない。だけどバブルと同じように土地と株だけは上がってしまうかな。バブルの時は狂乱経済、狂乱物価といわれたのですけど、消費者物価は非常に安定していたのです。だからあの時と同じような現象が起こる可能性はあります。
経済学上、デフレが続いている、もしくはインフレでないにもかかわらず、土地と株だけは上がっているという現象が起こることになると、私は思っていますね。
例えば4、5年資産価格として土地と株の価格が上がって、その後本当の意味での消費者物価が上がるかどうかはわからないです。わからないというのは、今、日本は財政赤字が非常に大きい問題であって、今、日本の持っている一番の爆弾だと私は思っているのですけども、財政赤字を早く縮小しなければ最悪の事態、ハイパーインフレ、すなわち消費者物価が毎年10%とか20%上がっていってしまう大変な状況になってしまうのかなと思っているのです。だから国民が早く財政赤字のことに注意しないと大変な状況になってしまう。それが来るかどうかは、この数年間のうちに国民やマスコミ、政治家の人が早くこの財政赤字をなくすような努力をするかどうかにかかっているのです。
投資の立場から見ても、やはりそれは重要だと思いますよ。土地と株は上がっていきますけど、その後に財政赤字が解消されていなかったら、もっと上がってしまう可能性がありますよ。極端な言い方をすると、今日明日ではないですけども、数年先には株価が4万円になるかもしれない。要するにバブルを超えるかもしれないと言っているのですが、その後またバブルの崩壊みたいに下がるのか、もしくは私は7、8年かけて4万円ぐらいまで上がるのが一番いいのかなと思っているのですけども、その後もじわじわと上がり続けて日本経済がいいのか、もしくはハイパーインフレという本当の消費者物価までいってしまったら20万ぐらいまで上がってしまう可能性があるかもしれないのですけども。これはいいことではないですね。タクシーに最初に乗ると初乗りが100万円とか、そういう時代だったらどうでしょう。
【川崎】 乗れない。
【藤巻】 そういう時代になってしまうかもしれないというのは、財政赤字をどういうふうに国民、政府が対処するかによってかかっていると思うのです。だから投資家の立場からしてみても財政赤字の問題は非常に注視しておかないと、自分の財産を守るためにもいけないのかなと思いますよ。
【高城】 私も本を読ませて頂いて、バブル時代はちょうど大学を卒業する前後に経験したのですけど、消費者の物価は上がっていると思っていました。ところが消費者物価はそんなに動いていなくて、不動産だけが上がっていたということを全然知りませんでした。
【川崎】 私もです。
マーケットを理解したければ、トレーディングを小さくちょっとやってみること
【高城】 ある意味、今の若い方々は、株をすごく短期的な勝負、ネットトレーディングの時代になっている気がして、藤巻さんのように経済を俯瞰した形で財産や資産を動かすという認識がすごく減っていることを改めて感じます。
最後1つだけお聞きしたいのですが、長期的な視点を持って資産や財産を作っていくことが足りなくなっている時代かと逆に感じていますけど、藤巻さんから見て最近のネットトレード含めた全体の傾向を見ていて、何か気になる点があったらご指摘して頂きたいなと思うのですが。
【藤巻】 主たる勝負は長期的なものでデイトレーディングは私自身小さくしかやりませんでした。
その経験から言えることは、デイトレーディングでは、決して儲からないということです。モルガン銀行に利益を貢献できたのは、長期的に経済を俯瞰して、その方向にあたった勝負をしてきたからで、自分の経験からしてみても長期的な勝負でないと収益目標は達成できない。
長期的な勝負をするにはやはり勉強をして、日本経済がこれからどうなるかをはっきり見極める。要するに頭脳ゲームだと思うのですが、頭脳ゲームに勝つだけの学習はしておく必要があるのかなと思いますよね。
【高城】 ちなみにマーケットを理解したいというビジネスパーソンが目の前にいたとして、もし「こういうことしたらいいよ」とアドバイスするとしたら、どんなことですかね。
【藤巻】 マーケットを理解したければ、小さくちょっとやってみることが重要だと思いますね。自分の懐に影響しないとひとごとのニュースにしかならないですけども、やはりちょっと悔しいぐらいの勝負をしていると、それに関係するニュースをよく見ると思います。それから勉強すると思うのです。
例えば為替の外貨建ての商品をちょっと買っておくと、ドルが上がった下がったというニュースを見ますし、なぜドルが上がったのかなということも研究するし、経済を見る目が養われると思いますね。例えば若い方であれば一番重要なことは、将来土地や家、マンションを買う時期を間違えたら、きっと自分の財産の面に関していうと失敗ですよ。例えばバブルのピークの時に借金をして家を買ってしまった方、土地を買ってしまった方はなかなか苦しいですよ。だからそういう時に間違えない。いつ家を買うか、いつマンションを買うかという時期を見極めるためにも少しやってみて、勉強しておいて、人生最大の財産形成の時に間違えない。これは若い人達にとっては重要かなと、私は思いますけどね。
【高城】 川崎さん、振り返ってみてどうですか?
【川崎】 この前、石油が都内で130円台になった時に「まあ、大変」と思ったのですが、目先のものに反応しやすくなっているなと。自分は違う方向を見ていた気がしますね。
【高城】 でも最近、女性の方も興味を持っている方が増えたのではないですか?
【川崎】 その通りだと思います。
【高城】 資産運用とか、興味ありますか?
【川崎】 当面貯金も担保になるものもありませんので、身近なものに関するところだけ興味を持てるのではないかなと思いますけどね。
【高城】 同じですね。
【藤巻】 財政赤字を解消すればインフレは来なくて済むのですが、例えばもしインフレが来るような時があれば、汗水たらしたお金がパーになってしまう可能性もある。だからお金を増やすということだけではなくて、財産を守る意味でもちゃんと勉強しておいた方がいいと私は思いますけどね。
【高城】 ありがとうございます。それでは最後にリスナーの皆さんにメッセージを1分ほど頂ければと思います。
【藤巻】 マーケットと同じですけど、人生はやはりハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンだと思うのです。自分の人生目標を決めて、ハイリターンを取りたい方はやはりハイリスクを取らないとダメです。ハイリターン・ローリスクなんてことは、人生にもマーケットにもないので、やはり自分の目標を決めて、ハイリターンを取りたい人はハイリスクをどこかで取る。人生でも、マーケットでも。ローリターンで満足という人生観の方は、やたらと変なハイリスクを取ってはいけませんよ。
まず自分でどの程度の人生が設計するかを見てから、いろいろなことを決めた方がいいのではないかなとトレーダーとしては思いますね。
【高城】 ありがとうございます。本日は「藤巻健史の5年後にお金持ちになる資産運用入門」の著者、藤巻健史さんにお話を伺いました。ありがとうございました。
【藤巻】 ありがとうございました。
【川崎】 ありがとうございました。
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