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日野佳恵子
株式会社ハー・ストーリィ代表取締役 [ マーケティング ]
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日野佳恵子
[インタビュー]
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クチ・コミュニティーマーケティング/朝日新聞社(1)
2005.03.27
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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商品をクチコミするのではなく、 会社を商品と見立てよう
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創業からの知恵 クチコミュニティ・マーケティングの誕生
【主藤】 今回のゲストは、朝日新聞社より出版し、シリーズで既に6万部を突破したベストセラー、「クチコミュニティ・マーケティング」の著者、日野佳恵子さんです。宜しくお願いします。
【日野】 宜しくお願いいたします。
【主藤】 この「クチコミュニティ・マーケティング」という本は、実際に日野さんご自身が試して上手くいった方法を、惜しみなく公開されていらっしゃるのですね。
【日野】 そうです。惜しみなくというか、自分が広島で会社を2人で起こす時、あまりにも貧乏で、仕事がない時はどうやって仕事を増やすか、ということを自分自身が行ったたやり方をそのまま、本にしたのです。
【主藤】 初めからクチコミの専門家だとか、マーケティングの専門家というわけではないのですか?
【日野】 そうです。広告のセールスプロモーションという分野で、仕事はしていました。けれども、自分が起業した時に、既に結婚や出産もしておりまして、当時保育園にお迎えに行きながら、短時間の中で、どうやってクライアントの数を増やし、成長していくのかという時に、たどり着いた方法を後々振り返ってみると、「あ、これクチコミじゃん」となったのです。
そしてお客さまが紹介してくれる、という仕組みをそのまま本にしました。
【主藤】 切羽つまった状況から生まれたノウハウ、自身の成功を本にまとめて、それがベストセラーになったと。
【日野】 そうですね。自分がしたことを書いただけです。
【主藤】 でも、それは、これから事業を始めようとか、あるいは会社の企画部にいらっしゃる方とか、中小企業の社長にとっては、心強いお話ですよね。
【日野】 自分で言うのも変ですが、この通りやれば、みんなクチコミは起きますよ。
お客様の増加と共に、継続してこそビジネスの証
【主藤】 早速ですが、単なるクチコミということではなくて、日野さんの場合は「クチコミュニティ」という言葉を使われていますが何か意味があるのですか?
【日野】 はい、「クチコミュニティ」、舌をかむようなネーミングですけど、これは造語で、商標登録しておりますので「使う時は許可を取ってね」って書いています。
クチコミというのは一般的に、ブームとかヒットに近いイメージをお持ちの方が多いと思うんですね。私は起業家でしたので、ヒットしてお客さんが沢山今月来ても、来月はまた探さなくてはならない。
そこで、来年のお客さんを探すにはどうしたらいいのか、と。特に私は昔、広告代理店にいましたので、一つのプロジェクトで儲かっても、プロジェクトが終わると、必ずしもそのクライアント様が来年、再来年に仕事をくれるという保障がありません。
【主藤】 そうですね。常に新規をみつけていかなくてはいけませんよね。
【日野】 そうなんです。会社ですから常に前年より、少しでも発展したいじゃないですか。
そう思った時に、今まで付き合っているお客様から、仕事が引き続きもらえて、なお且つ新たな人がお客様の紹介で増えていくというのが、継続されてこそ、ビジネスなんですよね。
そこに気付きまして、コミュニティというのは、お客様そのものをコミュニティとして大切にすることから、クチコミは起こるんだよという考え方が一つあります。
あと、もう一つは、先ほどインターネットの話が出ましたが、広告を作る上で、買う人が主役の時代になるだろうと思って、(私を含めて)二人の主婦で(会社を)始めたんですけれども、主婦のモニター組織を作りたいなと創業の時から思っていました。
【主藤】 商品モニターですか?
【日野】 そうですね。創業が1990年で、当時インターネットはないんですよ。
【主藤】 まだブロードバンドもないですね。
【日野】 はい。その時に近所の主婦の方を集めて、モニター化をしようと思い、最初はビラ配りをして、幼稚園や保育園の前で「あなたもモニターになりませんか?お仕事あるかもよ!」と始めたんです。
【川崎】 お二人で?
【日野】 そうです。だってお金がないので、自分たちで(ビラを)コピー機で刷って、自分たちも保育園に子供を預けている立場でしたから、お母さんを口説いて、「あなたの意見を聞いて企業に売りますよ」って何十人かを集めたわけですよ。
その何十人が、何百人、何千人と膨れていくんです。その経緯が全部、紹介だったのです。
【主藤】 全部紹介だった?
【日野】 そうなんです。それが、最終的にはインターネットに移って十万人になるわけです。
私からすると、お客様つまりクライアントを増やす方法論とモニターさんを増やす方法論がとても似ていたという事で、それがどちらも、もともと接触した人を大切にすると、必ずその人が紹介する、ということから、コミュニティというイメージとクチコミがくっついて「クチコミュニティ」という名前を作ったということですね。
【主藤】 単純にクチコミと言われていますが、知らない人から知らない人へ口伝えに噂的に広まっていくというクチコミではなくて、それもある種のコミュニティ、サークルとていう感じで仲間意識を維持しながら発展していく、クチコミなのですね。
【日野】 そうですね。
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