|
|
小田真嘉
経営コンサルタント [ コミュニケーション ][ 自己実現 ][ キャリア ][ サービス力 ]
|
|
|
|
小田真嘉
[インタビュー]
|
人との「出会い」が人生を変える(3)
2007.10.10
|
|
まずは出会った相手の“人脈になる”―― 誰にでも実践できる人脈づくりのコツ
|
□たくさんの出会いがあったから得られたものとは?
―――実際に人脈や出会いによって財産として得たものとか、成長させてくれたというのはありましたか。
大量なデータベースが頭のなかに入ったんだな、と思うんですよ。それがきっかけで何が起きたのかというと、いろんな、例えば経営者とかいろんな活躍している人に「どうやって上手くいったんですか」と聞いていくと、みんな言うことが違うんですよ。「仕事は苦しんでいるようじゃ、まだまだ甘い」と言う人もいれば、「仕事は楽しまなきゃダメだ」と言う人もいれば、何かみんな言っていることが違う。ずっと会っていったら、なるほど人というのは、それぞれのステージというかステップが分かれているんだな、というのに気付いていったんですよ。
―――ステージが違うんですね。
はい。それを体系的にまとめたのが次の『成長法則』という本に繋がるんですけども、沢山の人と会ったことによって、人がどういうことに気をつけて、どういうふうな成長過程を行くのか、ステップ、ステージを上がって行くのかというのに気付けた、というのが自分のなかでものすごく大きな財産になったかなと。
―――つまり、一人ひとりが言っていることはちょっと違っているように聞こえたとしても、その方の成長のステージによって言うことが違うだけであると。
はい。全然違う。
―――同じステージなら一緒かもしれない?
はい、そうですね。
―――実際にそれを体感して、自分の仕事や日常に活きることはありますか。
そうですね、普段の仕事のなかで、会社さんに関わってコンサルをすることが仕事上、ものすごく多いんですけど、その時に、言葉にすごく意識するようになったんですよ。
―――言葉を意識するとは?
例えば「仕事」という言葉に対して人がそれぞれ思っている定義はバラバラ、ステージごとにバラバラなんですよ。それなのに会社の社長さんは、「こうやれ、ああやれ」とか、もしくは「こうしよう、ああしよう、こんな会社にしよう」と言うけれども、そもそもの言葉の定義が人それぞれ違うので、スタートが違うので、みんな違う方向に行っちゃうんですよ。 なので、私は常に徹底するのは、ステージごとの違いをよく感じるので、言葉の定義をしっかり合わせる。それぞれのステージの違いをみんなでお互いに理解する、ということをすごく意識できるようになったということですかね。
―――会社経営でビジョンとかミッションという言葉を作ったときに、それを更に細かく分解して、現場に落ちるようにプロセスを踏みますよね。そういうことでしょうか。
そうです、そうです。
―――それやるかやらないかで、大分違いますよね。
私は「全然違う」と言い切れるくらい。スタッフと社長の「お客さん」という言葉の「お客さん」の定義が全く違ったりするわけですよ。
□出会いのチャンスは日常にいくらでも転がっている!
―――逆に今の日常で、ビジネスパーソンとして活躍している方を見ると、人脈を作るとか人に出会うより、まだ日常のベースのなかで悩んでいる方も多いと思うのですが、そういう方に対してアドバイスするとしたら、どんなことを心がけたらいいのでしょうか。
日常的に見て、というと。
―――仕事で9時から5時までいっぱいだったり、なかには実務が忙しいと夜も遅くまでやって土日もぐったりしている方は多いですよね。そういう方が人脈や出会いに対して、もっと積極的にやろうとしたら、どんな取り組みがいいのでしょうか。
いつも思っているのは、居心地の悪い所にこそチャンスはあると思うんですよ。だから、ちょっと今まで自分が経験したことのない、異業種の人との出会いを意識するだけでも大分違うと思うんです。例えば今まで、いつも飲んでいた場所が居酒屋だったら、ちょっとバーに変えようとか。そういったちょっと違う場所でも、もしかするとそこには出会いがあるかもしれないわけですよね。ちょっと今までと違ったルートで帰るとかでもそうだし、今までの日常からちょっと変えることだと思うんです。ちょっと変えることが、小さい変化を起こすことが、後々に大きい成果に繋がってくると思うんですよね。だから、ほんのちょっとでいいと思うんです。
―――確かに簡単そうで難しいですよね。当たり前のようでいて、会社から帰る道をちょっと変えてみるってないですよね。出会いもそうですよね、確かに居酒屋に行ってしまうと、同じ会社の同僚と同じ居酒屋で同じ会社の人って多いんでしょうね、きっとね。それを変えるだけでも変わってくると。
変わってくると思いますね。
―――そういう悩みや相談は結構、小田さんのところにきますか。
結構、きますね。あとは企業さんに入ってどんどん、どんどんやってくと、異業種の人達との人脈を築きましょう、といった話をする時に「どうしたらいいんですか」なんてよくあるので。そういう場合に、例えば昔好きだったことだったり、趣味だったり、やっていたようなことを、インターネットでキーワードを入れて見てみるとイベントなんてよくやってるじゃないですか。まずはその、身近な今まで経験したことのなかからちょっと踏み出してみてもいいんじゃないですか、というようなことは言いますけどね。
―――なるほど、確かにそうですね。それでは最後に、今後ご自身のテーマで、こういうメッセージを発信していきたいということはありますか。
そうですね。自分のなかでも、そもそも人って出会いがあってその先に成長があると思うんですよ。いい出会いがあるからこそ、人は生きながら生まれ変わっていくのではないかなと思うんですね。今度はその、成長というものを含めてもう一歩先に進んだら「進化」という、進化する人ってどんな人だろう、進化する組織、進化するチームってなんだろう、というところを、ここ1、2年はもっともっと突き詰めていきたいなと思うんですね。
―――チームというのは1人だけではなくて、ということで。
そうですね。
―――最近チームビルディングなどという言葉を聞きますが、そういうことですか。
そうですね。
―――最近の企業は成果主義のために、孤立しているケースが多いですよね。
そうですね。そのなかで、「個」という身分、私は1人の「個」というのをパズルの1つのピースだと捉えているんですよ。ピースだから1つのへっこみ、へこんでいるところが短所、でっぱっているところが長所とみると、みんなそれぞれがパタパタパタとくっついていったら、自分の長所は誰かの短所を、自分の短所は誰かの長所を活かすところに変わりますよね。みんな1つのピースとして繋がっていったら、そこにはもう欠点がない、長所を活かすだけのチームになると思うんですよ。そのピースが全体に繋がったことで、ピースという平和にも繋がるような、そんな組織を目指したいんですね。チーム作りの応援、支援というのを。
―――今回の本をお読みになった方々には、新作ができたら続編として読んでいただくといいかもしれないですよね。本日のゲストは、『出会う! 技術』の著者、小田真嘉さんでした。 小田さんはまだ20代ですが、とてもしっかりされていて、人脈や出会いというのは大体30代になってものすごく関心を持つものですが、そういう部分で小田さんは、ものすごく人生を早く生きている人ではないかと思います。私自身、小田さんからすごくいい言葉をいただきました。「人生一番大事なことは、素直なことである」ということを小田さんが言っていました。これは、30代だろうが40代だろうが、おそらく変わらない、ものすごく大事なキーワードかなと思いましたので、自分自身もこれから心がけていきたいと思っております。小田さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
|