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小田真嘉
経営コンサルタント [ コミュニケーション ][ 自己実現 ][ キャリア ][ サービス力 ]
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小田真嘉
[インタビュー]
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人との「出会い」が人生を変える(2)
2007.10.10
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まずは出会った相手の“人脈になる”―― 誰にでも実践できる人脈づくりのコツ
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□いい人脈を保つために必要な5つのキーワード
―――そうして培われた相関関係、人脈、出会いというものを、本にしようと思われたきっかけはなんだったのでしょう?
もともと、人との出会い方などを伝えたいなと思っていたんです。なぜなら、私がいろんな人を紹介したりしたなかで、みんながちょっと教えて欲しいことだったり、こういう場合はどうやったらいいのかというのを聞かれて教えたらすごく喜ばれていたので、それを1冊の形にしたいなと思っていたのがまず1つ。あとは、実は企業のコンサルティングをずっとしていた時に、そこの方達に、社外の人脈をいかに築くかという話を実はずっとしていたんですよ。なので、ネタはいっぱいあったんですね、もとのネタは。それでたまたま出版社の方から依頼があって、こんなこと言っていいのかわからないですけど、「中身は自由に書いてください、若い女性でも読めるような内容を書いてください、あとはお任せします」と言われたので、それだったら今までやってきた企業研修だったり、そういう、コンサルティングで伝えてきたことの一部をちょっと入れたのを作ろうかな、というのがきっかけでしたね。
―――そこからベストセラーが始まったわけですね。ぜひお聞きしたいと思っていたことがあるのですが、出会ったあと、出会った方とどうお付き合いしていくことによって、どう自分を成長させたのかという点をお聞きしたいのですが。
それはすごくよく聞かれていて、そもそも物理の世界でもそうですけど、エントロビーは常に増大していくわけじゃないですか。だから、散らかしていた部屋はほっておいたら散らかっていくわけで、人脈もほっておいたらどんどん、どんどん散らばっていくと思うんです。だからそこに何かのエネルギーを加えないと、保てないと思うんですね。じゃあそこで何をするのか、私が何をしてきたのかというと、簡単に言うと、5つしかないんです。 5つとは何かって、みんなが持っている経営資源を回す、という言い方を私はするんですね。簡単に言ったら、「人、物、お金、情報、感情」です。この5つを回す、ということをしたんですよ。
―――5つを回す、とは具体的にどうするのでしょう?
まず1つ目の「人」というのは、今まで出会った人に人を紹介する。人を紹介したりだとか、何かあった時に呼んだりだとか、人と人を繋ぐことをした。2つ目の「物」というのは、物をプレゼントする。どこかに行った時に、これ誰々さんにいいなとか、これをあげようとか。3つ目の「金」は、ごはんを食べに行った時にお金を使ったりだとか、自分のお金を使ってどこかに行ったりだとか、もしくは、ここはちょっと私に奢らせてくださいとお金を使ったり。そして次に「情報」というのは、「この間、誰々さんからこういう話を聞いてきたんですけども、役に立つと思いますよ」と常に情報を流す。最後の「感情」というのは、相手が気持よくなるようなことをするんですよ。それは不安を取り除くか、気持ちいいことをするか。なので、問題を解決するようなことを何かしたりだとか、笑顔で常にいたりだとか、「この人と一緒にいたいな」というような感情を、とにかく相手のエネルギーをチャージするようなことをする。この5つをひたすら回す、という意識がありました。
□相手に見返りを求めないからこそ、人脈は広がっていく
―――それを受けた立場からすれば嬉しい反面、返していかないとな、と思う関係になりませんか?
そうですね。まあ、返していただくこともありますけど、こちらは全然期待していないんですよ、それを。
―――そうなんですか。例えば言葉でもお金でも何かを提供すると、何か返ってくるという期待値が出ますよね。
最初は出ます。
―――でも違うわけですね。
はい。出れば、相手に執着すればするほど、俺はこれやるからお前何か返せよってすればするほど、人脈が減っていったんですよ。これはまずいということで相談した人に「お前はバカか」と言われて、「気持ち的には、10人にしたら1人返ってきたらいいぐらいの気持ちでやりなさい」って言われたんです。
―――簡単そうで難しいですよね。人にサービス精神を持って接するということですよね。
はい。
―――奇特な人間になれということでしょうか。
というか、出来るだけそこは、私自身も時間とかいろんなものが制約されるので、それは知恵を使ってやったんですよ。例えば今だったら、メールとかインターネットとか使えるので、一斉に何かを送るということかもしれないし、自分がイベントをするときに、それをきっかけに集まってもらうということかもしれないし、とにかく知恵を使って頭を使ってやるようになっていったら、ステップが3つあると思うんです。「人が集まる所に行く」というステップと「自分が人を集める」というステップと、最終的には「人が集まってくる」というステップがあると思うんですね。私は最初、人が集まる所に行き、そして人を集めるところをやったと思うんですよ。その時に、こうやっていろんな人を紹介していったら、気付いたら、逆に自分がいろんな人を紹介していただいたり、それが多くなった時に、「ああ、それだったらこの人も紹介しますよ」という流れが自然になったんですよね。だから要領を掴むには、大量にやらなきゃいけないと思うんですよ。
―――数が必要だと?
だと思う。量が質に変わる瞬間ってあると思うので、まずは私もよくわからなかったし、失敗も恥ずかしい思いも人を傷つけたことも裏切ったことも、結果的にはいっぱいあると思うんですけど、でもそうして数を沢山やった結果、自分のなかで、ああ、これをやればいいんだ、こんな感じか、と自然に勝手になっていったというんですかね。
―――今ではそのプロセスを経て、普通にできるようになったということですね。
そうですね。
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