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小田真嘉
経営コンサルタント [ コミュニケーション ][ 自己実現 ][ キャリア ][ サービス力 ]
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小田真嘉
[インタビュー]
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人との「出会い」が人生を変える(1)
2007.10.10
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まずは出会った相手の“人脈になる”―― 誰にでも実践できる人脈づくりのコツ
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□出会いの達人になるきっかけは“自分探し”
―――本日のゲストは2万5千部のベストセラー『出会う! 技術』の著者、小田真嘉さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
―――小田さんは「出会いの達人」というイメージがあるのですが、「出会い」とか「人脈」というのは、簡単そうで難しいですよね。
難しいですよね。
―――一言で「出会い」、あるいは一言で「人脈」とよくいいますが、そもそも小田さんにとって「出会い」とはどういうものなんでしょうか。
そうですね、私にとって「出会い」というのは、実はコンプレックスから始まったんですよ。私自身というのが。 小さい頃どもりがひどくて、本当に裸の大将みたいに「ぼ、ぼ、僕は」みたいな話し方だったんですよ。私が喋ると、クラス中が笑うみたいな。国語の教科書を順番に読むみたいなとき、あるじゃないですか。丸を読んだら次の人、次の人って。自分の番になると緊張して喋れない、読めない、という状況で、すごいコンプレックスがあったんですね。そのなかで友達が実はすごく少ない、その当時は少なくて、友達が多い人に憧れていて、それから自分のなかでの意識というのが少しずつ憧れに変わってきて。まあ、そこからいろいろないきさつがあるんですけが、大学が防衛大学校で、ちょっと特殊な大学ですごく閉ざされた世界だったので、その後またいろんなことがあるんですけれども、そこを卒業して民間企業に事情があって移った時に、自分自身の世界が狭いな、ということに気付いたんですよ。
―――世界が狭いとは?
それはある人との会話のなかから出たんですけども、私自身、やりたいことが全くわからなかったんですよ。大学を卒業して、社会に出る時に、一体私は何をしたいんだろう、どんな仕事をすればいいんだろう、とわからない時に、ある人との出会いがあって、その人にどうしたらいいんですか、と相談したんです。その時、「君は、冷蔵庫を開けて牛乳しか入っていなかったら、それで何か作ろうと思うかね」って聞かれたんですよ。
―――牛乳しかない、とはどういうことですか?
「牛乳しかなかったら何も作れないですよね」。「まさしくその通り。君の心の冷蔵庫のなかには牛乳しか入っていないんだ」と。「まずは、いろんな人と出会って、食材を詰め込みなさい」と。
―――なるほど。冷蔵庫のなかに牛乳ばっかり詰めてもダメだから、例えば果物も必要だしハムも必要、つまりいろんな分野の人と出会うことが必要だと?
そうです。それがきっかけだったんですよ。それで、当然私は喋るのも苦手だったし、人と接するのも苦手だったんですけど、まずは自分の心のなかの冷蔵庫をいっぱいにしようと、いろんな人達に出会い始めたんです。どういう人が、どういう思いを持って、どんな仕事をして、どういう生活をしているのか、というのを単に「知る」ということがスタートだったんです。
―――では「出会い」を何か仕事に結びつけるような狙いが意図的にあったわけではなくて?
実は最初は、自分探しだったみたいな。
―――いろいろなジャンルの人と出会うために、どういう方法をとったのですか。
簡単にいうと、まず身近なところから広げていったんですよ。友達の友達とか、あとはインターネットが少しずつ少しずつ発展していったので、それでパーティーだったり交流会だったりイベントだったりと出歩くようになって、そこでいろんな人と出会って、ごはんを一緒に行ったりだとか、人を紹介してもらったり、というのが結果的に繋がっていったのが最初なんですよね。
―――周りの方は、小田さんが突然そういう行動に出てびっくりされたのでは?
そうですね。だから多分、これを見ている人がもし私の小学校の友達だったり中学校の友達、高校、大学の友達だったりしたら、「小田、お前何やってんだ」と。
―――それぐらい違うのですか。
全然違います。大学では成績も悪かったし運動もできなかったし、ちょっとこう、影に隠れる存在で、表舞台に出るのが嫌だったので。全然違いましたね。
□自分が相手の“人脈になる”――それが出会いのコツ
―――人に出会うということは、会う方にとっても「会ってみたいな」と思わせるものがないと会えないですよね。そこはどんな努力をされたのでしょうか。
最初はもう、何もなかったので、情熱だけで。「すみません」と。「私、今後どうしていきたいかわからないんです」と。
―――素直に言ったわけですね。
素直に言った。それで、最初に言ったのは、「どうやって仕事で成功したんですか」「どうやったら上手くいったんですか」という、仕事のことを最初にずーっと聞いていったんです。
―――何か答えてもらえたんですか?
はい。熱心にノートをとったりだとか。あとは何をしたかというと、その聞いた話を友達に伝えていたんですよ。いままで出会った人達に。 すると、いろんな感想が出るじゃないですか。「それは面白いね」「それはいいことだ」みたいな。そうして教えてもらったことを本人にまた返していたんですよ。「先日教えていただいたこういう話を友達に話したら、こんなふうな感想が出て、こんなに喜んでいたんですよ」と言ったら、また余計に教えてもらえたんです。
―――すごいですね。それを繰り返していくなかで、人間関係が広がりますよね。何人くらいの人とお会いになったんですか?
ネットなどでは1万人と書いているんですけど、ビジネスマンとか、仕事も含めてなんですが、1万人っていうのはまったく嘘でして。
―――嘘なんですか、いいんですかこんなところで……。
実は、もっと多いんですよ。 カウントしているのがそれぐらいで、あとは全然覚えていないんです。高城さんもいろんな経営者とものすごい数会われてると思うんですけど、数えていないですよね。
―――3千人と言っていますけど、全然違いますね。
そう思います。私もそうで、1万人と言っていますが、仕事柄いろんな経営コンサルとか組織コンサルで入るので、現場でいっぱい、1日にもうすごい人数と会うので、それも含めたらとてもちょっと何人なんだかわらないぐらいなんですけども、何人と言えばいいのかわからないので、とりあえず、ちょっとこう抑えめに。
―――1万人、と言われているわけですね。
まあ、実際に直接会って、いろいろなことを教えてくれたのは、たぶん千人くらいだと思うんです。
―――出会った方の数が1万人以上いらっしゃったとしたら、ある程度、分類されたりしましたか?
しました。まず私が心がけているのは、決定的にここは1つあって、「相手の人脈になろう」と思ったんですよ。
―――相手の人脈になる、とは?
自分の人脈を広げるのではなくて、相手の人脈にまず自分がなろう、と。 だから、自分の出会いを活かすには、相手が自分と出会った時に相手が活かせることをこちらがしよう、みたいな。 そういうことを心がけていたので、分類というのは、まず何をしたかというと、話している時に、「ああ、この人を以前会ったこの人を紹介したり繋げたりしたら面白そうだな」というように、そういう意識が最初はあったんですよ。 私のイメージでは、分類というのは、なんていうのか、頭のなかにインターネット、ネット図というのかな、自分を中心にまずは横転回していくわけです。新しく出会いました、次々に出会っていく、そしてその人達からそれぞれまた誰かを紹介してもらえる。そうしてまず横転回をして、縦にどんどん掘っていくわけじゃないですか。その時に私が意識したのは、分類というより、むしろ斜めを繋ごうと意識をしていたんですよ。
―――相関図みたいですね。
そうです。
―――実際、相関図を書かれたことがありますか?
あります、あります。何回も書き直して。今はもう、全然書いていないですけど。当時は書きました。
―――すでに書けないですよね。
今は無理ですね。今は直感というか感覚でやっていますけど、当時は誰々の特徴を書いて、その人にとって必要だろうなと自分が感じたことなどを書いていたんですよ。
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