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高井伸夫
弁護士 [ 時間管理 ]
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高井伸夫
[インタビュー]
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朝10時までには仕事を片づける/かんき出版(3)
2005.03.20
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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ビジネスの世界は先手必勝 ”待ち”からの”攻め”の仕事へ
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トップ自らが朝方になって、社員の手本をなろう
【主藤】 主藤 具体的に高井先生が弁護士というお仕事を通じてですね、多くの経営者の方とお会いされていると思うんですけども、そのなかでやはり朝型の経営者の方、多いですか。
【高井】 もう30年前ですが、経団連の当時会長をしていた方で土光敏夫さんっていう方がいました。土光敏夫さんは、みなさんはご存知ない方、圧倒的に多いと思いますけど、本当に経営建て直しの神様でした。
例えば、東芝を建て直したり、あるいは石川島播磨を建て直した方でしたけど、僕は縁あって、委任状を頂くことになりました。委任状を頂く時にお邪魔させて頂きたいということを申し上げたら、7時20分に来いって言われたんですね。
【川崎】 朝の7時20分、早いですね。
【高井】 夜の7時20分か、朝の7時20分かは、ちょっとわからなかったんだけど、まあ朝でしょうと思って、7時20分に行ったわけですよ、昔の東芝本社ですけど。
そうしたらおじいさんみたいな人がいて、上着は脱いで、よれよれのワイシャツ姿だったと思うんですけど、まあちょっとイメージがわからないんで。おじいさんがエレベーターの前に立ってて、何階かのですね、タオルを腰に結び付けてたっていうイメージがあったわけです。
秘書室に行って、秘書から委任状をもらったんですが、その時、「土光先生はお見えになっておるんですか?」って聞いたら「エレベーターの前でお会いになったんじゃないですか」って言われたんです。
7時20分にお見えになっていたんですよ。土光さんが朝お見えになるということで、部長も朝早く来る、課長も朝早く来る、そして仕事が先手必勝で進むということで、建て直していったわけですね。
【主藤】 ということは、トップが朝型になると、組織も朝型になっちゃう。
【高井】 そう、組織全体が朝型になってくるわけですね。だから土光さんはどうやって経営改革されたかっていうと、自分自身で率先して、朝を大事にするっていうシステムで企業の全開っていうか、全力、フル回転するっていうことを試みられたわけですね。
それはもう30年も40年も前の話です。ですから、今の経営者の人で、朝の10時頃出てくる、11時頃出てくる、午後1時に出てくるなんてもう、経営者の名に値しないですね。
【主藤】 名に値しない。
【高井】 リーダーシップが足りないですからね。
だから、経営者としては、社員より早く出てくるっていうことをモットーにして、生活信条にしないと、この競争社会のなかでは乗り切れないと思いますね。
朝一番にミーティングを入れることで、仕事、組織全体のスピードがあがる 【主藤】 ちなみ高井先生ご自身は6時に出勤されているということですけども、やはりスタッフの方々も早いんですか。
【高井】 みんな、早いですよ。自然に(早く来るように)なってきますね。ただ、存在感がなければダメですね。
要するに、価値を生み出すパワーがないとダメなんですね。ただ来ているだけで、日経新聞だけひっくり返して読んでいたんじゃ、しょうがないですね。
【主藤】 やっぱりその朝の時間に、先ほどおっしゃった一番大事な仕事を入れる。それが先手必勝に。
【高井】 そうです。それで、一番大事な仕事っていうのは、実は企業でも、私どもは事務所ですが、小さなミーティングを朝一番に入れておくっていうことですね。そうすると、発射台が取り揃って、全回転で企業も回転し始めるってことですね。
【主藤】 ちょっとしたコツっていうのが、その朝にミーティングを入れる。それが、組織を朝型にするコツですか。
【高井】 そうです。だから、10時頃から会議を入れるところはダメですし、ましてや午後から会議を入れるところは。朝一番に入れて、そして自然にスピード早く処理できる。
僕が言っているモットーにはね、即時即刻処理と。午後やります、明日やります、来週やります、来月やりますはダメと。即時即刻、処理すると。それはもう、朝型しかないわけですよ。
【主藤】 即時即刻というのも、何か問題が発生したら。
【高井】 ただちに。優先順位をつけて、優先度一番のものから片づけるということから進めないと、これからの企業間競争を乗り切れないし、また個人との間の競争も乗り切れないと思うんですね。
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