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谷桃子
日本バレエのパイオニア [ 文化・芸術 ]
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谷桃子
[インタビュー]
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背筋を伸ばして生活しよう(2)
2006.10.22
[ TOPBRAIN RADIO ] あのひとの美意識を聴く!
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体を使うということが人間には大事なことだと思うんですね。
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秘訣としては適度な運動、姿勢を伸ばすこと
マダム それだけ日本でバレエ界を築かれた先生に私達もいろいろとお話を伺いたいと思って今日お話をいろいろと聞いているんですけども、谷先生がバレエを通してこのような私達、若い世代の者達に何か伝えたいこと、それから日常生活でこういうふうなことを気を付けて生きていく、暮らしていくなんていうようなことでもしアドバイス頂けましたらばお願いしたいんですけれど。
谷 そうですね、なかなか難しいですね(笑)。私どもは踊ることばかり考えて過ごしてきましたから、世の中のいろいろなことを知らないんですよね。ただ踊りばかり夢中になってたもんですから、世間知らずでございますので。ただ体を使うということが人間には大事なことだと思うんですね。結局、今この年になりましたですけども、お医者様へ行くと「内臓が若い」と言われるんですよ。ですからやはり適度な運動があれば皆さん健康でいられるだろうし、立ち居振る舞いも敏感に動けますし。街中を歩いていて自動車や自転車が来ても、運動神経を持ってそれがある程度使われていると敏捷にそれを避けることも出来ますしね。何かそういうことが私達の仲間でも「危なかったんだけど、私飛んじゃった」とかね。いろいろなことが体を使うことにおいて身を助けることがあるようですから、やはり適度な運動をなさることはいいんじゃないかと思います。
植松 とは言え、ずっと踊ってこられて適度な運動と言うにはかなりハードな。
谷 我々のような専門になるともう度が過ぎて、私なんかは足を痛めてしまっております。これは情けないことですけれど、踊り過ぎなんです。足が痛んでしまってもうあちこちガタガタになっております。だからやはり適度に、というほうがいいですね。
植松 それでも内臓が若いという状態ということは。
谷 それはお医者様によく言われるんです。
マダム やはりバレリーナの方は姿勢がいいですから、背筋を伸ばしていると内臓の辺りの圧迫が少ないので。
谷 そうですね、背中が伸びておりますから姿勢が皆、わりにいい。
マダム 先生も舞台でご挨拶された時にすごくすっと、いつも伸びて立ってらっしゃいますから。
谷 いえいえ、そうでもないんですけども。今度はちょっと過ぎて、足が普通にまっすぐ歩けばいいのを皆外股になって歩いておりますんですよ(笑)。踊りを踊っているといろいろな違いが多少は出てくるんですよ。
植松 秘訣としては適度な運動、姿勢を伸ばすこと。
谷 大事だと思いますね。やはり姿勢が悪いと病気にもなりがちでしょうしね。
植松 当然のことだと思うんですけれども、やはり谷先生がおっしゃると重みがありますね。
マダム 本当に。
谷 いえいえ、とんでもございません。
マダム 私達も谷先生を拝見してやはりすっと背筋を伸ばして生活しようという気に改めてなりますね。
谷 いえいえ、とんでもございません。私なんか(笑)。
マダム 有難うございました。今日は谷先生にお越しいただきましたけれども、植松さんいかがでしたでしょうか。
植松 秘訣の部分のお話にも通じると思うんですけれども、今、このお年になられてこの体型、姿勢というのが既にもうお会いしただけで勉強になったというか。
谷 とんでもございません。
マダム あとやはり凛としたオーラみたいなものですよね。
植松 こうなりたいというものを感じさせていただきました。
谷 いえいえ、とんでもございません。全然もうガタガタでございます。(笑)
植松 いえいえ(笑)。何回もガタガタと言ってらっしゃるんですけど、そんなこと全くないですよね。
マダム 本当に妖精のような先生でいらっしゃいます。皆様、お顔が見えなくて残念ですけれども(笑)。有難うございました。
植松 有難うございました。本日のゲスト、バレエ界のパイオニア的存在として日本バレエ界の歴史を作られた巨匠、谷桃子さんにお越しいただきました。本日は有難うございました。
マダム 有難うございました。
谷 有難うございました。
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