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藤沢久美
シンクタンク・ソフィアバンク副代表
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藤沢久美
[インタビュー]
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進化しつつもベースの哲学を守ること(1)
2007.04.15
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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存在するものには全て意義があり、必ず良いものがあるのでそれを見直して活かしましょう
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実は現場主義です
川崎 本日のゲストはダイヤモンド社から刊行され、現在2万6千部のベストセラー「なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか」の著者でいらっしゃいます藤沢久美さんです。
高城 藤沢さん、本日はよろしくお願い致します。
藤沢 よろしくお願いします。
高城 まずお聞きしたいのですが、ダボス会議、よく聞く名前ですけど、どういうものなんですか?
藤沢 ダボス会議というのは世界の経済についていろいろ考えていく、未来について考えていく有識者会議と言われているんですけど、その一部にヤンググローバルリーダーという組織があるらしいんですね。それは2010年か2011年までに世界中から1111人の40歳以下の人を集めて2030年の世界を皆で考えてロードマップを作ろうという考え方があるらしいんです。で、2010年までに少しずつ世界中から人を選んでいく中で、2007年選んでいただいたので、私は活動はまだこれからなんです。
川崎 どれくらいの頻度で参加されるんですか?
藤沢 1月に就任のご連絡をいただいてからちょくちょく「来月アメリカで会議がありますからどうですか」とか来るんですけど、軽く行けないですよね。
高城 日本から選ばれている方はそんなにいないですよね。
藤沢 今年は日本から14人で世界で90人だったんです。
高城 でもダボス会議に選ばれたっていうと我々から見たら「すごいな」って感じですよね。早速ですが、今回のテーマとしてはこの2万6千部のベストセラーになった「なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか」というこの本を中心にお聞きしたいと思います。この本を作るきっかけを教えていただけますか。
藤沢 NHKの教育テレビで“21世紀ビジネス塾”という全国の中小企業を取材してご紹介する番組があったんですね。それをきっかけに全国の中小企業の現場を回り始めたんです。すごく面白くて。
高城 実際にそれは藤沢さんが行かれたんですか?
藤沢 はい。スタジオで見てても勿体無いので、現場のロケに参加したいとお願いをして常にロケに行って現場の社長さんのインタビューしたり従業員の方々の中に混じって一緒に営業に行かせてもらったり。そしたら本当に現場にこそいろんな知恵があるな、と思ってそれを本にまとめたんですね。
高城 日常のお仕事はどちらかと言うと上から見ているイメージなんですけど、これはすごく現場の本ですね。その辺りのギャップはどうだったんですか。
藤沢 逆ですね。私がすごく現場主義なんです。現場が大好きなので現場を回ることをやっているので、大所高所で物を考え勝ちな政府の委員会によく呼んでいただけるんですよ。現場の声ってなかなか政府とかに入ってこないので、私がそれを言う役割という感じです。
高城 じゃあ藤沢さんに言えば国に伝わるということですよね。
藤沢 そうですね。
高城 この中でテーマとして10の発想転換ということになっていて、そこで更に細かくいろんな企業が登場しているんですね。社名は書いてないんですけど牛乳屋さんを使った有機野菜の販売会社さんの話で「これはこの間うちのラジオに来られた社長さんだな」なんていうことを思ったりしました。実際にこういう会社を回られたのはこの本を作るまでどのくらいの期間だったんですか?
藤沢 テレビで回ったのは170ぐらいで、この本を書くまでの間に4年くらいあったのでその間500社くらい回っていたと思うんですよ。
川崎 すごい量ですね。
藤沢 テレビ以外にも雑誌とかラジオにも企画を出して現場に行く仕事にさせてもらっていたので、かなりの量ですね。
高城 藤沢さんが実際に現場に行くと言ったら社長さんは喜ぶと思うんですけど、実際に行きます、みたいな話をしてびっくりされませんでしたか?
藤沢 そうですね。大変だな、と思われたとは思いますね。テレビ局の人達は現場に行ってもらうことになると手続きも大変なので、スタッフだけで行きたいなって最初は思われたみたいです。でも途中から放っておいたら「この人勝手にインタビューしてるからいいや」って。
高城 それが1冊の本になったんですもんね。
物事は螺旋階段のように進化する
高城 このテーマとして御用聞きビジネスということが切り口になっていますが、御用聞きというとすごく古いイメージがありますよね。お家の裏の勝手から入って何か注文を取るというイメージ。それが今さら伸びているというのはこの本にも書いてありますけど、実際そうなんですか?
藤沢 そうなんですよ。うちのソフィアバンクの代表の田坂さんが「使える弁証法」という本の中で書いているんですけれども、物事が進化するときは螺旋階段のように進化するとヘーゲルが弁証法の中で言っている、と。つまり螺旋階段って横から見れば上に上がっていくんだけど上から見るとぐるっと回って元に戻ってくるわけですよね。なので御用聞きというのも昔あったけれども世の中が効率化の流れの中で御用聞きなんかやっていたら儲からないということでスーパーやリカーショップみたいな供給者中心のそういう御用聞きが消える時代がやってきたんだけど、今度はインターネットが生まれてきてその効率化からもう少しお客さんのことを考える理、商売の理をもっと戻っていこうという流れがあって、御用聞きっていうのも復活したんですね。ネットの上だと楽天でお買い物したら御用聞き来ますよね。でも昔の御用聞きと全然違って、昔は酒屋さんの御用聞きは酒屋で売っているものだけ言いに来たけど、今じゃ楽天で化粧品買ったら化粧品買ったはずなのに「旅行行きませんか」とか「花束どうですか」とかいろんなものを売りに来ますよね。
川崎 そういうのも御用聞きに含まれるんですね。
藤沢 はい。御用聞きが進化している。だからさっきの牛乳屋さんも、牛乳売りに来ていたはずなのに今は野菜を売りにきて、御用聞きが進化して新しい御用聞きとして復活していますね、っていう話です。
高城 戻るというよりもどんどん変わっていくということだと思うんです。変わりながら大事なものというか大切なものは残っていくということだと思うんです。
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