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高島宏平
オイシックス株式会社代表取締役社長 [ 社長の哲学 ]
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高島宏平
[インタビュー]
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サッカーチームのような運営を目指しています(1)
2006.09.24
[ TOPBRAIN RADIO ] 高橋幸司の仕事の哲学
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オイシックスの社員、メンバーというチームで勝ちたい
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牛乳宅配店とインターネットを通じた宅配サービス
川崎 本日のゲストはオイシックス株式会社代表取締役社長高島宏平さんをお迎えしております。
高城 高島さん、本日はよろしくお願いいたします。
高島 よろしくお願いします。
高城 早速ですけど、高島さんが社長を務めていらっしゃるオイシックス株式会社の事業内容をちょっとご紹介いただけますか。
高島 サービスとしては一般の消費者の方向けの食品の宅配事業ということになるんですけれども、比較的付加価値の高い食品に特化していて、有機野菜や添加物を使わない加工食品を一般のお客様にお届けするという仕事をしています。具体的には二つ事業があるんですが、一つはインターネットを使ってお客様にお届けするということで、こちらは小さなお子様のお母様のような方がメインのお客様になります。もう一つはちょっと変わったチャネルになるんですが、牛乳宅配店を通じて牛乳宅配店のお客様に牛乳と一緒に当社の食材をお届けする仕事をしていて、こちらのほうは大体50代から70代くらいのご夫婦二人暮らしというのが主なお客様になります。
高城 なるほど。家庭で体に優しい野菜や加工品といったものをネットを使って買える、というビジネスだと思うんですけども、私はまだネットで野菜を買ったことがあんまり無いんですね。家であまり料理はしないものですから、ピンと来ないんですけど、川崎さんは買ったりすることありますか?
川崎 忙しく働いていた時は買いに行きたいけれども添加物をしょうがなく使っているものしか売っていないところばかりだったので、ある時宅配をお願いしてみたんですよ。そしたらハマりましたね、やっぱり。時間の節約になるというところがすごく自分にとっては良かったですね。
高城 そうすると使われている方々というのは個人の女性の方とか、一人住まいの方とか、家族を持ってらっしゃる方とか、両方あるんですかね。
高島 そうですね。やっぱり一番多いのはお子様のため、というのが一番多いですね。妊娠されている方とか、小さなお子様のお母様とかそういった方々が多いんですよね。働いている方とそうでない方は半々くらいで、川崎さんのようにお忙しくて時間がないからということでご利用頂く方と、逆にホームページの隅から隅までご覧になって美味しいものを探すような専業主婦の方と2パターンある、という風に捉えています。
高城 一年間でインターネットを使って実際に野菜を買う方はどれくらいいらっしゃるんですか?
高島 そうですね、年間ですと今定期的に買われる方は大体1万6千人くらいですね。それ以外に時々買われる、という方が多分5,6万人くらいいらっしゃる、という形です。
高城 すごいいるんだな、という感じもしますけど、実際に日本の家庭や一人暮しの数を考えるとまだありそうな気もしますね。たくさん増えてきたんだなって感じもしますよね。
川崎 今、やっぱり時代的に安全なものというのは皆さん求められるようになってきましたか?
高島 そうですね。弊社のお客様はほとんどの方がいわゆる自然食品の初心者の方が多いんですよ。他の自然食品を使われている方よりは自然食品を使いたいんだけど、従来のサービスだと何が届くか分からない野菜セットを毎週食べなきゃいけないんですよね。それはちょっとハードルが高いよ、というような方が、うちの場合はひとつひとつ自由なものが選べますし、別に定期的な注文でなくてもいいので、ハードルが低いので注文されるというようなケースが非常に多いですね。
川崎 そうなんですよ。余っちゃって余っちゃって。
高城 そんなに沢山買わなきゃいけないんですか?
川崎 会社によると思うんですけど、私が求めていたのはセットになっているんですが、そのセットの内容を変えたりっていう融通がなかなかきかなくて、結局余らせてしまうんですよね。
高城 余ったら野菜はどうしようもないですもんね。
川崎 そうなんですよ。それか無理して食べるので、体調もあんまり良くないですしね。
高城 それじゃ全然体に良くないじゃないですか。
川崎 そうでしたね。
外資系コンサルティング会社からの転職
高城 事業のことでもう一つお聞きしたいのですが、一般の家庭で豊かな食生活の実現ということで、よく最近LOHASとかそれから特に一番よく聞くのはオーガニックという言葉を聞きますよね。オーガニックということと、オイシックスさんのやっている仕事はイコールと考えていいんですか?
高島 そうですね。流れとしてはほぼイコールですね。LOHASとかオーガニックとかそういう言葉も肩肘張らずに体にいい生活を送ろう、というトレンドだと思うんですよね。もともとこういうのは日本の農家を助けようという運動体が主体となってやってきたので、農家を助けるために採れたものを食いなさい、というサービスが殆どだったところを、出来るだけハードルを下げてやっていこう、という意味では我々もまさにそうで同じような流れになるのかな、という風に思っています。
高城 全体的に世の中の流れが逆についてきている気がしますね。今まさにその有機野菜とか、LOHASといった形で野菜をインターネットで注文する方が増えてきたような気がするんですけど、当時2000年に会社を興して事業を始めて現在に至るということでいうと、先見の明があったというか、当時何でこういう事業をやったのかな、と少し不思議だと思うんです。創業のきっかけをお聞きしたいんですけど、なぜ外資系のコンサルティング会社マッキンゼーからこういうビジネスをやろうと思ったんですか?
高島 もともとマッキンゼーでもずっとイーコマースの仕事をやっていて、いろんな業界を見てきたんですが自分でもやりたいなと思っていたんですね。どの業界がいいかな、と思ったところ、食品流通業界って非常に面白いなと。ITとかインターネットは一見遠そうなんですけども、実はすごく親和性がある、と思いまして。というのは、非常にサプライチェーンが長いんですよね。ものを作る人からものを食べる人までの間に、小さな農協とか大きな農協とか、いろんな流通プレーが入っていて、効率が非常に悪いという部分と、食なので本当は一人一人違った食生活の提案を出来れば食生活って本当は一番いいんだろうな、と思うんですが、インターネット使えばそれが低いコストで実現出来るのかな、というのがありましたね。あとは先ほどおっしゃられていたLOHASとかそういう意味でいうと、当時ちょうどいろんな問題が起きる直前くらいではあったんですが、コンビニで食べ物を食べていても、多分きっと食べちゃいけないものをいっぱい食べているんだな、と思いながら食べている。これってやっぱり何かおかしいから、絶対揺り戻しが来るだろう、というのがありましたよね。ですから揺り戻しがいずれ来るのであれば、その揺り戻しをする側に行くのも面白いかな、というのもありました。
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