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原尻淳一
エイベックス・エンタテイメント株式会社にて、アーティストのマーケティングや、プランニングを担当。 [ 仕事術 ][ 時間管理 ][ キャリア ]
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原尻淳一
[インタビュー]
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発想やアイデアのヒントが満載(2)
2007.03.11
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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チーム全体で生産性があがって楽しく仕事ができる環境になっていったらいいなと思ってます。
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感覚としてはブログを書いて、共感してコメントをもらっている感じ
高城 これは、テーマ別に分業でやったのですか。
原尻 そうですね。得意分野がそれぞれあって、小山はデジタルなところはもうプロフェッショナルなので、デジタル系や道具のツールみたいなところは集中するのがすごく得意だし、もともとクリエイティブな人なので発想は小山に任せて、僕はロジックとか整理とかを中心にやったという感じですね。
高城 回、内容としては「情報ハック」「時間管理ハック」「整理ハック」「五感ハック」「思考ハック」「発想ハック」「意思決定ハック」と7つのテーマにわかれて、合計で89ですね。
原尻 一応それ、ハックで89。
高城 89にしているのはハックで。今、気づきました。ハックの89のテーマを作るにあたって、もっと数的には。
小山 はい。100いくつあった。
高城 この本を共著で作られて、そこでもっと広がった部分をまた新たに広げていこうという気はあるんですね。
小山 ありますね。
高城 非常にビジネスマンに参考になり、仕事術というよりも発想やアイデアの部分のヒントが山のようにあった気が私はしましたね。
川崎 書き方がやはり広告代理店の戦略のプレゼンのまとめ方という感じが。「セレンビリティ」という言葉が出てきたり、「自分のテーマソングを作ろう」とかすごくわかりやすい。アイデアの本はほかにも出ていると思うんですけど、例えがすごくおもしろかったですね。
高城 私はこの本を読んで思ったのは、こういったテーマが世の中で支持されるような時期になったのかなと感じましたよね。私が社会人なりたての頃、ちょっと違うんですけど似たような発想法がすごく流行ったんですよ。景気がよくていろいろなことを考えていこうという時代だったんですよね。読者の方がそういうものを求めているということは、それだけ今また景気がよくなってきたのかなという感じがすごくしたんですけども、4万部のベストセラーの本を出して、周囲の変化はありますか。
小山 基本的に僕はないですね。ただ、出版社の方から声がかかるのが多くなったぐらいです。
高城 実際、読者の方からお手紙を頂いたりとかは。
小山 ないですね。
原尻 小山がブログで「続きのやつは残り11個を差し上げます」と最後に書いたから、いろいろ小山の方に送ってくるので、細かいところは僕は見ていないんです。
高城 小山さんの担当なんですね。
小山 そうですね。普通、本を書くことはすごく偉いことというふうに一般的には思われているのかもしれないけど、僕らの意識としては全然そういうことは感じていなくて、読者の方からの感想を読んでも、非常に同じ目線でみなさん見て頂いていると。なので、一応本にはなっているんですけども、感覚としてはなにかブログを書いてそのブログに皆さんから共感してコメントを頂いているような感じです。確かに4万部売れましたけれども、周りの人からはむしろすごく身近な存在として見て頂いていると感じています。
原尻 たぶんきっかけがそもそもメールのやりとりで、「これ、おもしろいからやってみな」とかそういう話ですよね。要するにシェアウエアとかフリーウエアみたいな感じで、「みんなで共有しようよ」というような知恵と言ったら大げさですけど、「みんなでこれを共有したらもっとハッピーになるよ」というのを公表しただけなので、本当に小山が言うようにブログを見てもらって意見もらっているという感じが一番近いかなと思うんです。
高城 実際に読んで頂いた読者の方は、年齢的にはお若い方が多いんですかね。
小山 そうですね。若い方は「目から鱗」と言われることがすごく多くて、やはり自分のやってきたその仕事の範囲から少しやはりはずれるところ、今まで気づかなかったところを気づかせてもらえたという感想が多いんですけれども、逆に年齢が上の方で40代、50代の方から改めて自分の仕事のやり方について、1回どうしてもパターンが決まっていたのに「でもこういったやり方もあるんだなと、気づかせてもらいました」という感想を頂くことも多くて、そのあたりは想定してなかった読者で、すごく新鮮でしたね。
原尻 僕らが想定してたターゲットというのは、入社3年から5年ぐらいの人なんですよ。
高城 そうなんですか。
原尻 要は現場で「自分で何か主体的にやっていかなくてはいけないような人がこういうの持ってたら、もっとおもしろく仕事が動かせるよね」という話で書いてたので、あまり難しいことを書かなかったんです。
川崎 なるほど。でも読みやすかった。
すぐやってみたらすごい効果が出るアイデア
高城 私がおもしろいと思ったのは、「アイデアは一刻も早く忘れる」。アイデアは忘れてはいけないと思っている人いますよね。でも実は脳みその中にためておくと結構陳腐化してしまったりするケースがあって、紙に書いたりして置いておくと。それで判断するのはすごく大事だと思うんですけども、当たり前のようでいて意外と気づかないんですよね。頭の中にとっておきたくなるんですよね。「なるほどね」「あっ、確かにそうだ、やってる、やってる」と。川崎さん、何かありましたか。
川崎 「手帳に自分の辞書を作る」というの。
小山 それ、僕ですね。これですね。
川崎 あっ、お持ちなんですね。
高城 今、お手元にその手帳を持ってきて頂いたんですけども。
川崎 このデータを覚えられないくらいの量を持っているんですが、説明をお客様にしているうちに頭の中にどんどん入って覚えていくみたいで、「すごい、これは便利だわ」と。どんな業種の方でも自分の辞書を作るのはすごく有効ですよね。
原尻 何か絶対聞かれることとか、自分がやっていることで、何かいつも問われることがあるのですが、全部覚えるのは不可能ですよね。
川崎 数字とか。
原尻 だったら、携帯しておこうと思って。それを教わってやっているのがこれなんです。
高城 実際にご利用されている辞書をお持ち頂いていて、手元には出版社のご案内図という地図が貼ってあって。
川崎 縮小コピーが小さな手帳に張ってあって。
高城 めちゃめちゃ小さいですね。
原尻 めちゃめちゃ小さいんですけど、文字は結構読めるんですよね。
川崎 見えますね。
高城 手帳作ることによって、全部整理されてしまうのかもしれないですね。
原尻 はい。あと、安心するんです。
川崎 自分の中でも。
原尻 ここにあるからなんか言われても見ればいいんで。
川崎 「またちょっと帰って調べます」みたいなこと、日常あると思いますけど、これだとないですね。
原尻 はい。
高城 実際、89個のうち1つというのはなかなか難しいと思うので、是非読者の方に読んで頂いて、自分の中でこれがお気に入りというのを選んで頂ければと思います。そろそろ時間の方も迫ってまいりまして、お聞きしたいことがたくさんあるのですが、最後に是非お二人からリスナーの皆さんにビジネスに生かせるアドバイスがございましたらお1人ずつちょっとお願いできればと思うんですけども。
小山 仕事はすごく複雑なようでいて、人にアドバイスする時は、実は長くアドバイスしても通じないことが多いんですね。例えばゴルフでスイングがうまくできなかったら「グリップをちょっと絞ってみて」というコメントの方が実際にやってみると効果が出るとか、ビジネスで必要なアドバイスは、本当はそういった小さくまとめられたコツ。なおかつすぐやってみたらすごい効果が出るというものに集約されるのかなと思っています。この89個は全部すぐできるコツを集めているので、1個でも2個でもやって頂いて「あっ、効果があるな」と思って頂けたらいいなというのと、他の方にアドバイスして頂いたらたぶん1人だけでなく、チーム全体で生産性があがって楽しく仕事ができる。そういう環境に仕事場がなっていったらいいなと思ってます。
原尻 僕はよく思うのですが、イチローがあれだけ活躍しているのは、相当なトレーニングをやっているからですよね。WBCの時もそうでしたけどどこでも同じで、アイデアでも何でも準備が必要なんですよ。例えばアイデアを発想しようと言って、会議室にこもるのに、そこに何もなくてアイデアが思い浮かぶのかな、というわけです。雑誌がいっぱい置いてあったり、いろいろな写真が置いてあったりした時に、そこから導かれる情報がいろいろあるわけですよね。アイデアもそうだし、企画もそうだし、何でもそうですけど、やはりみんな準備の部分に目を向けてなくていいものができると思ったら大間違いで、準備にもう少し時間かけるともっといいものがポンポン出てくるような気がするんですよ。だから準備はやって欲しいなと思います。
川崎 ありがとうございます。本日のゲストは「IDEA HACKS!」の著者でいらっしゃいます、原尻淳一さん、そして小山龍介さんでした。
高城 どうもありがとうございました。
原尻・小山 ありがとうございました。
川崎 ありがとうございました。
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