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佐々木俊尚
フリージャーナリスト [ インターネット ]
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佐々木俊尚
[インタビュー]
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グーグルーGoogle既存のビジネスを破壊する/文藝春秋(1)
2006.09.03
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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Googleは我々の生活を支配する インフラになる
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Googleのムーブメントが急速に起こってきた
【高城】 こんにちは。高城幸司です。
【川崎】 こんにちは。川崎ゆかりです。『15分間ビジネスセミナー あのベストセラー著者に聴く!』本日のゲストは文芸春秋の文春新書から出版されている、13万部を突破したベストセラー「グーグル−Google既存のビジネスを破壊する」の著者でいらっしゃいます、佐々木俊尚さんです。
【高城】 本日は宜しくお願いします。
【佐々木】 宜しくお願いします。
【川崎】 それでは、佐々木さんのプロフィールをご紹介します。毎日新聞東京本社社会部記者として、警視庁などを担当されました。殺人事件や海外テロ、コンピューター犯罪などを取材されてきました。「月刊アスキー」編集部などを経て、現在はフリージャーナリストとして週刊誌や月刊誌などでご活躍中です。主な著書には、「ヒルズな人たち−IT業界ビックリ紳士録」そして最新刊に「検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた!中小企業のWeb2.0革命」などをお持ちです。
【高城】 佐々木さんはいつもIT業界で何か1つ出来事起きると、ビシッとしたコメントをされていらっしゃるんですけども、最近の活動をちょっと教えて頂けますでしょうか。
【佐々木】 そうですね。しばらく前まではライブドア問題で、ライブドア事件のことばっかり書いていたんですけれども、それもちょっと一段落したので、ちょうどそれと同じタイミングでこのグーグルとか、あるいはグーグルがやろうとしている新しいビジネスのムーブメントみたいなのが急速に起こってきたので、その関係の取材執筆をすることが非常に多いですね。要するに新しいインターネットの仕組みによってその日本の産業構造がどう変わっていくのかっていう今ちょうど我々そのドア口に立っているという認識なんですけど、その最先端をうまく捉えて、じゃあ日本で何が起きるのかっていうの、ずーっとウオッチしているというのが最近の活動です。
【高城】 川崎さんは使いますか?
【川崎】 私ですか。
【高城】 ええ。
【川崎】 まず最初に友達が「こんなの、あるんだよ」って言って見せてくれたのが、グーグルの中で地図なんですね。グローブっていうか、地球儀の規模のアングルから始まって、どんどんフォーカスしていって、自分のおうちの、家の形まで見えたんですね。それ見た時に、「世の中にこんなもの、あるんだ」と思って、グーグルっていうものへのすごく興味が魅かれたというか。そこが最初で、それからはもう口コミですよね。こんなのあるんだよ。新しい物をすごい提供してくれているイメージがありますね。
【高城】 そうですよね。グーグルというのは1998年に若い大学院生が2名で設立したベンチャーで、実はヤフーとか今世の中にあるインターネット向けのビジネスでいうと、やや後発ですよね。
【佐々木】 そうですね。
【高城】 だいぶ後発にスタートして、地道な形でスタートしたんですけど、そのビジネスがこの今回の本にも書いてありますけど、既存のビジネス全体の破壊をするとか、あるいは既存の権力そのものに対して何かの変化をもたらすんじゃないかみたいなことが書いてあるんですよね。それっていうのはある意味でいえば、「なるほど」っていう部分とかなり驚いた方がいると思うんですね。
【川崎】 ビックリですね。
【高城】 実際にこの本の中にそういったことが書いてあるんですけど「グーグルは破壊者かと、全能の神かと」いう、そこまで言い切っている佐々木さんの思った背景っていうの、ちょっと教えて頂けますか。
インターネットの仕組みが 激変するきっかけになるんじゃないか
【佐々木】 僕も2000年頃からグーグルは使っているんですけど、検索エンジンって、当時はやっぱり単なる情報収集のツールでしかなかったんですが、ところがなんでそれがこういうふうな大きな存在に変わってきたかっていうと、みんながインターネットで例えば物を買ったりとかサービスを使ったりとか、地図を調べたりとかする時に、検索エンジンしか使わない人ってものすごく増えてきたんですよ。昔だったら例えばヤフーのトップページから順にたどっていって、地図サービスに行ったりとかいろんな買物サイトに行ったりとかしていたのに、今はもう例えば液晶プロジェクター買おうと思ったらいきなり検索エンジンで「液晶プロジェクター」検索したりとか。していきなりそれで買物してしまうという。要するに全てのインターネットユーザーの行動の一番中心に検索エンジンがあるっていうふうに変わってきた。これが2002、3年頃からなんですけど、それで要するにその検索エンジンに広告をつけたりいろんなことすることによってどんどんどんどん検索エンジンの重要性が高まってきたというのが徐々に徐々にみんな、気付いてきたわけですよね。それがたぶん2002、3年から3、4年ぐらいで、その頃これは僕はもう大変なパラダイムの転換というか、大きなインターネットの仕組みが激変するきっかけになるんじゃないかっていうところから興味を持ち始めたんですよね。
【高城】 さらに言うと巨大な権力に対してタッチしていくというか、変えていくということも書いてありますけど、それは具体的に言うとどういうところに対してですか。
【佐々木】 結局、インフラになっているんですよね、グーグルというのが。普通インターネットのインフラ、あるいはITのインフラというと光ファイバーとか電話線だったりと思うんですけど、だんだんだんだんネットが普及して、みんな普通に使うようになるとインフラはそういう物理的なものじゃなくて、もう少しサービスの方に移っていく。だから検索エンジンってほとんど全員が使っているわけですよね。そうするともうある種のインフラになってしまっているわけで、そうするとインフラになるっていうことはそれ握ってしまった人が一番強くなるわけですよ。例えば水道局がインフラを握っていますよね。水道局がある日突然、「水道を供給しません」って言ったら、みんな水がなくて死んじゃうわけでしょう。グーグルはそれと同じようなインフラを握っちゃっているわけだから、「検索エンジン、これからこういうふうに変えます」って言ったらみんなそれに従わざるを得ないわけですよ。それはやっぱり1つの権力構造の転換なんじゃないかなと思います。
【高城】 その権力は既存にある日本の歴史的な会社に対してもやはり影響もたらすということになるんですかね。
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