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林田正光
リッツ・カールトン大阪元営業統括支配人 [ サービス力 ]
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林田正光
[インタビュー]
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社内外に自分のファンはいますか?(1)
2006.12.17
[ TOPBRAIN RADIO ] おもてなしの極意を聴く!
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ホスピタリティに徹してこそ付加価値を持って勝負出来る
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ホスピタリティの深さを学んだ40年間
川崎 本日のゲストはザ・リッツ・カールトン大阪の元営業統括支配人であり、代表書籍「リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと」は10万部を超えるベストセラー著者でもいらっしゃる林田正光さんです。
永田 林田さん、今日は宜しくお願い致します。
林田 宜しくお願い致します。
永田 林田さんというとやっぱり世界ナンバーワンホテルのリッツ・カールトンの元営業支配人ということでご存知の方も多いと思うんですけれども、最近の主な活動をお教えいただけますでしょうか。
林田 はい。約40年間勤め上げましたホテルのホスピタリティ、特にリッツ・カールトンホテルからホスピタリティの深さを学ばせていただきまして、今年は講演が年間に約200回、それにサービス業を中心としたCSセミナーを開いたり、それが中心です。もう1つは社交サロン ザ・クラブジャパン関西で、毎月パーティーをやりながら社交を楽しんでいる。現在はそれが大体ですね。
永田 やっぱり林田さんというとそのご人脈が有名でいらっしゃるので、そこら辺を今の活動にも活かされていると。
林田 そうですね。やっぱり人脈があれば、お蔭様でリッツを辞めるとき3500名位の名簿を整理してましたからね。それもライオンズだ、ロータリーだ、JCだ、医師会だ、歯科医師会だ、弁護士さんだ、とか高いレベルの方でしたからね。そういう方達にご案内差し上げながら、人生を楽しむ。これは営利でやっているわけじゃありませんのでね。
川崎 その沢山の人脈を作られたリッツ・カールトンでの経験などをこれから伺っていきたいと思うんですが、今仰っていたホスピタリティで表わされるかと思うんですけれども、林田さんの考えるおもてなしの極意っていうのは、本当に難しいと思うんですけど。
永田 私自身もリッツ・カールトンの高野社長から強い影響を直接受けたことがあります。その時にホスピタリティ、おもてなしの極意っていうのを突っ込んで具体的にすると“気配り”と“心配り”ということを言われたんですよ。
林田 最終的にはそこに来るんでしょうね。
永田 その「気配りと心配りの差を分かるか?」と言われたんですね。そこら辺を林田さんのご意見を聞かせていただけたらな、と思うんですけども。
林田 やっぱり心配りっていうのは最終的には、やはり相手の心情を理解してその場の空気を読んで、愛を持って対応するということが心配りですね。心配りっていうのは心配って書くんですよ。心配をするっていうことは愛がなくちゃ心配しないんですよ。他人様に対してはやっぱり愛は少ないですからね、それは大体気配りの段階ですよ。だけど家族であれば、例えば永田さんが「歯が痛い」、気配りの段階だったら「それは大変ですね。病院に行かれましたか?」それで済みます。だけど例えば私の息子だとしましょう。息子だったら、夜「腹が痛くなった」「それは大変だ。ひょっとしたら薬局が開いているかもしれないからお父さん今から薬買ってくるから、ちょっと我慢出来るか?明日一番に病院に連れていってあげるから」と。これはやっぱり愛があるからなんですね。やっぱり心から心配する。愛があるから。だけど他人さんだったら「それは大変ですね」で済んで終わりですよね。そこが気配りと心配りの深みの違いなんですね。
フレンドリーな対応が小さな感動を呼ぶ
永田 その中でリッツ・カールトンと言ったら今価格競争になってる中でそういうものに振り回されずに付加価値を持って勝負出来る世界ナンバーワンホテルと言われてますよね。リッツ・カールトンの中でのホスピタリティ、または気配り心配りっていうのはどういうことをご経験されていらっしゃいますか?
林田 1つはですね、本当にありふれたことかもしれませんけどやっぱり温かい笑顔ですね。日本人はやっぱり性格上、気質上少ないんです。今でこそ笑顔っていうのは本当に当たり前のことで。それから2つ目はフレンドリーに対応する。レストランの人でも、サービスはてきぱきはやっているけどフレンドリーさが足りないんですよね。ですからフレンドリーにお客様とお名前を添えて会話を交わす。一番大切なのは商品知識と一緒で、お名前を覚える。例えばね、半年ぶりに永田さんがお見えになって、そうしましたら久しぶりなのにロビーサービスの人が「永田さんご無沙汰いたしております。お元気でいらっしゃいますか?」と言われた瞬間に。
永田・川崎 嬉しいですね〜。
林田 心を開いて「ええっ?」という驚き、そこに小さな感動がありますね。だから一言で言いますとCS顧客満足度っていうのは、その中にホスピタリティ、心からのおもてなしっていうのがあるんですけど、これはやはり信頼関係作りですよ。信頼を作るためには相当要件を整えないと信頼は出来ませんよね。表面的なことはあったとしても、心からはね。だから我々は顧客作りを超えて、ファン作りをしよう、と。そしてそのファンを更に磨きをかけてロイヤル・カスタマーに育てる。限りなく忠誠心のあるお客様にね。「川崎さんのためだったら協力してあげるよ」「紹介するんだったら誰って言って。紹介してあげるよ」って社外セールスマンになって下さるようなね。それには高いレベルでのレディス&ジェントルマンの要件を整えていないとね。
川崎 やっぱり嬉しいからまわりに話しちゃいますよね、お客さんとして行ったらね。
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