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石田淳
行動科学マネジメント研究所所長 [ 経営 ]
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石田淳
[インタビュー]
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リーダーのためのとっておきのスキル/フォレスト出版(3)
2006.05.14
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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リーダーには部下へのねぎらいの言葉を 身につけて欲しいと思います。
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叱って、褒めて、ねぎらって・・・。究極の部下の育て方には”比率”がある!
【主藤】 様々なノウハウがある中の1つだと思うのですが、今日はせっかくなのでもう1つ私の方からお尋ねしたいと思うのが、叱ると褒めるとねぎらう。これについてちょっとお尋ねしたいと思うんですね。
【石田】 なるほど。
【主藤】 叱るっていうことは、ある程度人を指導するうえで必要な要素だとは思うのですが、もちろんそれは当然必要でしょうけども、叱り過ぎてもいけない。
【石田】 ダメですよね。
【主藤】 そのラインというのが。
【石田】 だいたい4対1ですね。
【主藤】 4対1の法則。4が。
【石田】 褒めて。
【主藤】 4が褒める。
【石田】 叱るんだったら1つ叱るっていうような形が、1番ベストだというふうにいわれますよね。褒めてばっかりっていうのもよくないですし、叱ってばかりっていうのもやっぱりよくない。
【主藤】 だけども、褒めるほうが4。
【石田】 そうです。褒めるほうが4。
【主藤】 褒めるが6じゃない。
【石田】 褒めるほうが4ですね。
【主藤】 褒めるほうが4なんですね。
【石田】 そうですね。褒めたり認めたりするの、ねぎらいも含めてなんですけども、褒めるとかねぎらうのが4で、1つ叱るような形が一番ベストだと思います。
【川崎】 4対1。
【主藤】 4回褒めた時に叱るが1つという。
【石田】 そうです。4対1ぐらいの比率であるのが一番ベストだといわれていますよね。
【主藤】 なるほど、なるほど。そうすると、4回褒めるなり、ねぎらうなり、認めるなりということをする中で1つぐらい注意を促すとか。
【石田】 そうです、そうです。
【主藤】 5回に1回だと少な過ぎるんですね。
【石田】 そうですね。だいたい4回に1回。
ただ極力、もちろん理由を説明してこういうところが直した方がいいとするのはいいと思いますが、人格をいきなり否定しちゃう。「お前、ダメなんだ」というような怒り方は絶対してはいけないですよね。
例えば勉強できない子供に向かって、「お前が悪い」と言ったとしても本人が傷つくだけであってどこを直したらいいかわからないですよね。往々に叱るというとどうしても人格否定だって入っちゃうので、「英単語を20回練習してこなかったからダメなんだよ」と言ってやるのはいいんですけども、「お前が勉強しないからダメなんだろう」というのはよくないですよね。言われた本人はただ傷つくだけですし、何の改善にもなってこないので。
【主藤】 ということは、子供であれば「昨日夜遅くまでテレビゲームしたからいけないんでしょう」。これはどうなんですか。
【石田】 それは別にいいと思いますよ。
【主藤】 今度は社会人の場合ですと「昨日遅くまで飲みに歩いていたからお前、この企画書できていないんだろう」。やっぱり飲みに行ってという、これは。
【石田】 別にいいと思いますよ、それは。
【主藤】 叱る対象としていいわけですね。
【石田】 そうですよね。それは全然構わないと思います。だから具体的な行動に対して言うことは全然問題ないと思うんですよね。ただ「お前がダメだ」とか「やっていないから悪い」というのはあんまりよくないですね。改善の仕方がよくわからない部分があるので。
【主藤】 とかく「お前がダメだ」と言うほうが言うほうは楽なことがあるので。
【石田】 そうです。私もそうですけど、社長、はよくいいますよね。
【主藤】 「何やってるんだ、お前」で終わらせますけども、「何やっているんだ、お前」のもう一つ一歩踏み込んだところで、「昨日の夜、何やっていたの」とか。
【石田】 そうです、そうです、そうです。そういったところはいいと思いますよね。実際、人を否定するとかレッテルを貼るということもやってしまうんですけど、でもやったって何も改善しないんです。「お前がダメだ」と言ったとしても、じゃあ次の日からそいつが良くなるかってほとんどやっぱりあり得ないですし。
【川崎】 やる気も出ないですしね。アメリカの映画でよく出てきますけど、アメリカ人のお母さんとかお父さんが子供を叱る時に「お前は愛している」と。「お前はいいんだけれども、これをしちゃったらダメでしょう」というような言い方をすると、愛されたまま「あっ、いけないんだな」という気がしますよね。
【石田】 そうですね。
社員のモチベーションをあげるには、ねぎらいの一言 【主藤】 もう一つ、ねぎらいという言葉ですけど、このマネージメントを勉強された社長さんは必ず行き当たる言葉だと思うのですが。
【石田】 そうです、ねぎらいですよね。
【主藤】 最初、わからないと思うんですよね。ねぎらいイコール褒める。私もそう思っていました。
【石田】 なるほど、なるほど。
【主藤】 ねぎらうコツ。この本の中には具体的にこういう言葉がねぎらう言葉だよとご紹介されてありますけども、それと同時にこういう マニュアル的に覚えてもダメだと。
【石田】 全然ダメ。
【主藤】 ということで、「相手の人間性を尊重して、努力を認めて心から感謝すること」とありますけども、なかなか社長さんというのはそういう思考にすぐにはならないものですよね。
【石田】 ならないですよね。よくわかります。僕もならなかったです。
【主藤】 僕もそうでした。常に模索しているこのねぎらいというのは、社長にとってかなり難敵ですよね。
【石田】 難敵ですね。
【主藤】 これ、なんかコツないです。つい褒めちぎってしまうんですが。
【石田】 なるほど、なるほど、なるほど。だったらそのあと一言だけ言ってあげればいい。「ありがとう」。それか「助かったよ」。一言だけ言ってあげればそれで十分ねぎらいになると思いますよ。
【主藤】 「ありがとう」はねぎらいのほうに。
【石田】 「ありがとう」なると思いますよ。
【主藤】 あとは「助かったよ」。
【石田】 「助かったよ」。
【主藤】 これはいいですね。
【石田】 「君がやってくれて助かったよ」と一言だけ言ってあげると、それで十分ねぎらいになると思いますよ。
【主藤】 なるほど。
【石田】 まず本当に、僕自身も最初はできなかったんですけど、「そんなの仕事なんだからやって当たり前」ぐらいに思っていたんですけど、でもやっぱり「助かった」と言ってやると本人達はまたすごく頑張ってやってくれるようになりますよね。
【主藤】 なるほど。そうするとこのラジオをお聞きの社長さん方、あるいは社長じゃなくてもこの部下を持っている人、みなそうですよね。
【石田】 そうです。
【主藤】 叱るというのは、4つ褒めるあるいはねぎらう中で1回ぐらいに。
【石田】 そうです。しかも叱る時に具体的な行動に対して叱るような形がいいですね。
【主藤】 そうですね。すると褒めるばかりではなく、このねぎらい。「助かったよ」とか「ありがとう」とかいうのも入れる。
【石田】 そうですね。
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