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山ア武也
ビジネスコンサルタント [ 礼儀作法 ]
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山ア武也
[インタビュー]
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上品な人、下品な人/PHP研究所(2)
2006.03.26
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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ビジネスマンとしての上品さは 礼儀正しさが基本になると思います。
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自分に対して厳しく、相手に対して礼儀正しく
【高城】 「上品な人、下品な人」の定義は山アさんから見て、簡単にいうとどういう違いになってくるのですかね。
【山崎】 ちょっとあとがきの方で書いたと思うのですが、品を良くする、上品な人になるには人のことを考える。ということは、人のことを考えると自分の欲を抑えなくてはならないですよね。欲を抑えるとよく卑屈になる人がいますけど、そうではなくて自分自身は自信を持っているのだから「これでいいんだ」といって、毅然として何かに立ち向かっていって振舞う人というのが上品な人の定義だと思います。
普通の定義とはちょっと違って目的になるかもしれませんけど、そういうことだと思うんですよね。だから下品な人というのは逆で、もう自分のことしか考えない。自分勝手な人。結局、「あれ下品だな、品が悪いな」という時は、自分勝手なことをしている時ですよね。
【高城】 そうですね。いろいろなケースが本の中には出てきて、上品と下品という中でもビジネスの部分もありますし、それからプライベートに近いような、例えば食事の場面ですかね。そういった日常の中の上品、下品というものを両面から書かれていますね。
場合によっては人間関係もあると思うのですが、我々のように今現場で仕事をしている立場からすると、ビジネスは一番身近でありまして、ビジネスの場で「上品な人、下品な人」は山アさんから見てどんなところで感じますか?
【山崎】 ビジネスの場でいうと、結局仕事の内容は当然効率よくきちんとやらなくてはいけない。効率よい仕事をしていなくて無駄なことばかりしたり失敗が多かったりすると、やはり品は良くない気はしますよね。
だからそれは、仕事をする時は当然の上品の条件だと思うんですよ。仕事ができない人は下品だと決め付けるのはちょっと大げさかもしれないけれど、ビジネスの場では決め付けていいと思うんですね。そうなるとどこが違うかといったら、やはり人との付き合い方。人との接し方。だから私も時々使いますけど、「人の扱い方」という言葉を使わないようにしているんですよね。「扱う」という言葉は「よく扱う」、「丁寧に扱う」とは言いながら、何かものを扱うという感じ。
【川崎】 上からの言い方。
【山崎】 そういうのがありますよね。ですから「人と接触する」とか「接する」という言葉遣いを使いたいのですが、先ほどの定義の時に言いましたけど、その時にどの程度人のことを思ってできるかがポイントだと思いますよね。ですから各論的に言うと、例えば責任をきちんと取る。これは当たり前のことですけど、みんな取っていませんよね。
ビジネスの場であれ、いろいろな場で全部責任を取っていませんよね。ちょっと話がそれるかもしれませんけれど、僕はいつも何かの責任の時に言うのですが、自分が何か悪いことして責任を取らなくてはいけない時、一生懸命それまでの過去や周囲を探すんですね。誰かちょっと悪いことをした人がいると全部責任を押し付けようとするんですよね。
だけどもうそうした時は自分が責任を感じていることだから、人のことをとやかく言わないで、例えば自分が10%しか悪くなくても「僕の責任」、「私の責任だ」と言って責任を取る姿勢ですね。だから自分に対して厳しく、相手に対して礼儀正しく。相手が悪い人の場合、私は礼儀正しくするにも程度があると思います。これは極論ですけど、犯罪者に対してそれ程礼儀正しくしなくていいと思います。そうしないと犯罪を犯さないでコツコツやっている人に対して、礼を尽くさないことになりますよね。
【高城】 そうですね。
【山崎】 そういう差別はつけないといけないと思うんですね。ちょっと横道にそれましたけど、責任を取るなど大事なポイントで人のことを考えて、「悪いものは自分に、いいものは人に」というセンスがやはり品の良い方に向かっていくのではないですか。
人に格好悪いなと思われたときは、下品なことをしているはず
【高城】 ちなみに川崎さんから見て、「上品なビジネスマン、下品なビジネスマン」はどんなところで見ますかね。
【川崎】 今、高城さんが「本の中でこういうところがあったね」とおっしゃったことと、山アさんがおっしゃったことがそのままです。
やはり人を上からの目線で見ているような言葉遣いであったり、レストランに行った時そこで働いている方々にひどい振る舞いをしたりする男性がいたとしたら、素敵なビジネスマンだと思えないです。
【高城】 見たことありますか、そういうの。
【川崎】 あります。タクシーに乗ったら、運転手さんに「あれ?」と思うくらいビックリするような言葉遣いに変わることが。職場でストレスをためているのかなと思ったりします。格好悪いなと思いますね。
【山崎】 今の「格好悪いな」という言葉は1つの基準になりますね。人に格好悪いなと思われた時は下品なことをしているはずなんですね。
【高城】 なるほど。最近ある意味で上品というものがセレブという言葉に代表されるように、形や見た目に少し偏ってきている点でいうと、それだけではなく、やはり中身ですかね。
本を読んで精神的な部分や原点に返ることを考えされられて、自分自身が不遜にならないようにしなくてはいけないなということの戒めになった気がすごくしました。
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