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後藤芳徳
作家 [ コミュニケーション ]
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後藤芳徳
[インタビュー]
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チャンスと出会うための人脈大改造/現代書林(3)
2006.03.19
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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相手が困っていることを聞き出して、 それを助けてあげることが人脈作りの第一歩だと思います。
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あらかじめ、これから会うべき「未来人脈」を考えよう
【主藤】 後藤さんの本の中で書かれている「未来人脈」というのがありますよね。人脈というと、ついつい今現在、もしくは過去というイメージがありますが、未来人脈というのはいったい何なのですか?
【後藤】 自分がやりたいことが小さいことなら1人でも出来るかもしれない、でも大きいことをやろうと思うと、誰かの力を借りないと難しいと思うのですよ。その時に、今ある人脈でまかなえるのであれば、新たに作る必要はないのですけれども、自分が達成したいところに行くのには、こんな人と出会わなければならない、もしくは、こんな能力を持っている人と出会わなければならない、そしてその人から助けを借りなければならない、あるいは、その人間に会ってその能力を自得しなくてはならない、ということがあらかじめ分かると思うのですね。
通信教育でコツコツ真面目にやるのでない限りは、誰かに会って教わるとか、誰かに助けてもらったりするプロセスを経なければならないと思います。実際には、家でコツコツ通信教育をやるよりも人から教わった方が早いですよね。だから、何か自分が未来に目標を設定したら、それを達成するには「こういう人に会わなければならない」ということをあらかじめ考えておくべきです。これが未来人脈ですね。
【主藤】 ということは、後藤さんが定義づけされている人脈というのは、自分の目標を達成するための1つの方法論として、実は人脈という方法もある、ということですね。
ゴルフを習っているからゴルフを上達したい、プロテストに合格したいというとき、目標に向かう方法というのは、ゴルフを教わるとか、ゴルフのビデオを見て勉強すると色々ある中で、人脈というのも1つの目標達成の手段として、付け加えようということですね。
【後藤】 そうですね。今のお話は、とても分かりやすい例だと思うのですが、もしプロテストに合格したいのであれば、誰に教わるかというところを間違えたらもう無理ですよね。中学生ぐらいの運動部の部活だと、全国大会に優勝させた顧問の先生が転校したら、転校した先の学校が次の次の年ぐらいにだいたい出てくるものです。指導者1人で変わってしまうわけですよ。
となったら、ゴルフのプロテストの例を考えても、近所にいるレッスンプロに習って受かるのかということですよ。受からないでしょう。そういうことを考えた時にも、人というキーワードをしっかり考えておかないと、近所で済ませかねないですよね。それで結局時間は過ぎていき、その夢はかないません。だから早い段階で、きちんと合理的に考えていかないといけないと思いますね。
【主藤】 今の例で言うと、レッスンプロに教わりたいが、でもそのようなレッスンプロを知らない、何のつても見当たらない。そういう時に、人脈というものを生かそうという発想ですね。
【後藤】 そうですね。インターネットで調べられるのであれば、調べてもいいと思うのですよ。でも、すごい人なら簡単に教わることはできないかもしれない。だったら、例えば誰かからの紹介してもらえるなら紹介してもらった方がいいし、そうでなければ、レッスンプロ自身が困っていることがあって、それをこちらが助けますからお願いしますという方法もあるでしょう。
単に「お願いします」と言って教えてもらうという方法もあるけれども、相手が困っていることをもしも助けられる能力が僕にあって、そのことを相手が知ったら、相手から「お願いします」ということになる、と僕は考えています。レッスンプロに、「あなたが困っていることはこれでしょ。僕はそれを助けられます」と伝えるのは、簡単ではないかもしれないけれど、僕はそう考えるべきだと思います。
【主藤】 ギブアンドギブというか、ギブアンドテイクというか。まずは、相手にしてあげることが必要だということですね。
【後藤】 ギブがまったくないのはまずいですよね。同じようにお金を払って教わったって、熱心に教えてもらえる生徒とそうでない生徒、絶対違うと思うのですよ。相手に対してこちらができることが何かないと、あまり真剣に教えてもらえない可能性もありますよね。
「会うと楽しくなる人」も重要な人脈
【主藤】 今お話を聞いていて、単なる知り合いという段階では、一方的な関係のような気がしますね。それだったら、まあよくて友人。人脈というのは、お互いに持ちつ持たれつというか。
【後藤】 そうですね。インタラクティブに、こちらが相手のことをサポートできて、相手がこちらのことをサポートできるという関係がないと。少なくともどちらか1つの流れがないと、ちょっと人脈とは言いにくい感じがします。
【主藤】 川崎さん、そういった意味での人脈はたくさんありそうですか?
【川崎】 知り合いが増えるとただうれしいという感覚でいたのですが、もちろん知り合えればそれはうれしいのですが、会うべき人を見極めるというか、そういう目を持って臨むのが大事なのだなあと。
【後藤】 気持ち的な面でのサポートもすごく重要ですよ。この人は物理的に何かをしてくれるわけではないのだけれど、会うとすごく楽しくなるとか、ものすごく気持ちがすっきりするという人は、絶対に人脈なのですよ。自分にとってそのことは欠かすことのできないサポートだと思うから。だから誰かに会うときにも、何も自分が持っていなければ、少なくとも相手を元気付けられるようにはがんばっておいた方がいいですよね。
【川崎】 それは明るいトーンだったり、笑顔だったりでもいいのですか?
【後藤】 そう思います。特に会社の経営者さんの一番の仕事って元気なことだったりするのだと思うのですよ。ブスッとしていると、普通の社員さんがブスっとしているのでも他の社員さんのダメージは大きいじゃないですか。だから、経営者が明るいことも仕事のうちというか、それが一番の仕事みたいなところがありますから。
【川崎】 なるほど。自分にもできそうな気がしてきました。
【主藤】 いろいろ人脈についてお話をさせていただいたのですが、実は後藤さんは15冊も本を出されているとのことですが、今回取り上げた「チャンスと出逢うための人脈大改造」という本以外では、一番新しい本は「ダメな奴でも『たたいて』使え!」という本ですよね。これは、マネジメントの本ですか?たたいて使っちゃっていいのですか?
【後藤】 いや、「たたいて」というのは、具体的な暴力でということではないのですよ。人間の脳のプログラムというのが、アウトプットによってしか書き換わらないから、自分自身のたたき方についても、自分自身がアウトプットをして自分のプログラムを書き換えていかなければなりません。だから自分が社員さんに対しても、もし錬金術的にたたくたたき方があるとすれば、それは相手からアウトプットを引き出すような方法を取らないといけないですよね。
それがたたき方ということなのですが、本当に内情を話すと、これは出版社さんが決めてくださって。僕も「本当にこんなんでいいのですか?」と言ったのですけれどね。粗暴なイメージがあるようでちょっと怖かったのですけれどね。
【主藤】 でもキャッチコピー、タイトルとしてはいいですよね。
【後藤】 ありがとうございます。
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