|
|
後藤芳徳
作家 [ コミュニケーション ]
|
|
|
|
後藤芳徳
[インタビュー]
|
チャンスと出会うための人脈大改造/現代書林(2)
2006.03.19
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
|
|
相手が困っていることを聞き出して、 それを助けてあげることが人脈作りの第一歩だと思います。
|
「顔見知り」と「人脈」は違う
【主藤】 人脈を作ることが得意な人と苦手な人との差というのはどこにあるのでしょうか。人脈というのは、とても魅力的な言葉であって、「あの人、色々な人脈をお持ちだね。」といわれるとうれしいですし、実際に役立つ場面も多いと思うのですよね。「そうなりたいな」と思っている人って多いと思うのですが。
【後藤】 人脈の定義そのものについて、多くの人脈本に出ているものとは考え方を変えなくてはいけないと思っているのです。僕が定義するところの人脈は、自分が、この人好きだからこの人の夢を手伝ってあげたいなと思う人、あるいは、自分が何か夢を持っていたときに、「それ手伝うよ」と来てくれる人の関係だけが人脈だと思っています。これ以外は、「ただの顔見知り」ですよね。そんなの知っていても意味ないですから。
【主藤】 「顔見知り」と「人脈」の違いですね。
【川崎】 よくありますよね。「こういう人知ってるんだけど」って言って、それで話が終わってしまう人いますよね。
【後藤】 相手がその人のことを本当に知っているかどうかも定かではないですからね。
【川崎】 そうですね。そこに密接な関係が必要なのだということですね。
【主藤】 後藤さんの場合、人脈で大きく助かったなど、何かエピソードがありますか?
【後藤】 例えば、僕自身が子供のときに、あまり裕福な家庭ではなかったのですが、周りにはお金持ちの息子がいたりするわけですよ。そいつが困ったりすると僕が助けたりすると毎週末接待されていたのです。お歳暮、お中元を一番もらっていたのも15歳くらいの時です。自分1人で行ったら邪険にされるような高級なレストランでも、そういう人に連れて行ってもらうと、そこのシェフが町ですれ違ってもそれ以降、挨拶してくれたりするのですよ。
こういう紹介みたいなルートって、いきなり二段飛び、三段跳びっていうのができるのだな、と考えたのが1つ。そしてもう1つは、どんなに頭のいい人でも、専門領域を超えた別のジャンルの話は、どんなに考えても推測に過ぎないのですね。専門家に聞けば、「これってどうなの?」と聞くと、推測ではなくて「これが答えだ!」と持ってきてくれるわけする必要がない。
人脈形成というのは、こういう人のところにたどり着けるようにする方法だと思っています。自分が子供だった時の経験から、自分で悩むことも素晴らしいことだと思うけれど、間に1人適切な人が入るだけで、一足飛びに行くのだ、ということを感じて生きてきたのです。
【川崎】 若いうちからそれに気づく、ってなかなかないですよね。
【後藤】 いえいえ、運がよかっただけなので。
人と会えば意識は変わる 【主藤】 川崎さん、この本を読んで、一生懸命勉強して、付箋まで付けたようですね。何かお尋ねしたいことが出てきたのではないですか?
【川崎】 「ああそうか」と思うことがたくさんありました。人脈を作る理由の1つは、自己イメージを書き換えることにあると書いてあって、行動をすることから始めて、自己イメージを書き変えることができると。とにかく行動が先にあって、それからモチベーションができるのだと。
ここまで読んで、自己イメージを書き変えるってどういうことだろうということと、モチベーションは、行動が先なのだなと思いました。普通の人は、先に考えてしまって、自分の意思を確認したりしてから行動に移したりするですが、行動が先なのだと思って。
【主藤】 「モチベーション理論」というのは、僕が考えたことではなくて、専門領域では一般的に言われていることです。例えば、何か習い事をしていたことはありますか?
【川崎】 はい。ギターとか。
【後藤】 行くのがいやな日ってありませんでしたか?
【川崎】 ありました。
【後藤】 でも行ったら結構うまく出来たりしませんでしたか?
【川崎】 そうなのです。行ってよかったって後から思います。
【後藤】 そういうことです。そうなるって、もう分かっていることなのですね。それでも行けない人には別のやり方をしなければならないのですが、人間のプログラムというのは、外から色々な情報を入れても、それだけでは書き換わらないものなのです。
その人をもし変えようとしたら、その人間の行動なり言動なりのアウトプット、外に出すアクションがあって、初めてその人間のプログラムが書き換わります。順番としては、できる範囲のことを何かやらせて、それで書き換えていって、自分が目的とするところに連れていくしかないのですよ。
【川崎】 自分が書き換わるというのは、今まで会うはずのなかった人から得ることがあるということですよね。
【後藤】 人に会うことはすごく重要だと思っています。僕は不遜な人間なので、世間で「すごい」と言われている人に会ってもたいしたことないじゃないかとすぐ思ってしまうのです。子供のときから、「こいつにできるなら、僕にもできるのではないか」とすぐに思う傾向があります。
例えば、知り合いに、年収何百億を稼ぐ社長さんがいるわけです。その社長さんに会うまでは、年収何百億人を稼ぐってすごいと思うのですが、でも、実際に会ってみると全然ダメ親父だったりするわけですね。その親父さんが解決できないことを僕が解決したりすると、また接待されたりするわけですよ。
「こいつにできるなら、僕にもできるだろう」ということが子供のときに書き換わって、それまで経営者になろうなんて微塵も思ったことがなかったのに、「経営者なんてちょろそうじゃん」という考えが出てくる訳ですよ。
そういう風に、自分が自分の自己イメージを書き換えるのに、いろいろな工夫があると思うのですが、いろいろな人に会ってみると、遠い国の話がすごく近いところに来ると思うのですね。そのために僕は、いろいろな人に会うべきだと思うし、いろいろな人をサポートすべきだと思うのですよ。
|