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堀之内九一郎
株式会社生活倉庫代表取締役 [ 成功法則 ]
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堀之内九一郎
[インタビュー]
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どん底からの成功法則/サンマーク出版(3)
2006.02.26
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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「どん底」とは、自分の中で 明確な目標がないことをいうのだと思います。
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便利さを追うだけではなく、本質を追う文化へ
【高城】 会社がものすごく急成長されていて、今後国内から海外に向けていろいろと夢があるとお聞きしたのですが。
【堀之内】 今、私は中古業をしていますから、日本の中古業とアメリカも含めて西洋の中古業は全然違うんですよ。商品に対する思いも、ものづくりも違う。
【高城】 そうですか。
【堀之内】 ええ。だって日本人はどちらかというと、本質を追わずにただ便利さだけを追うではないですか。ヨーロッパなどはやはり本質を追っていきますから、日本もそういう文化に変わって欲しいなと思うし、日本の中古業は立派かもしれないけれども、もう少し違うテイストの中古業を日本に持ってきたいと思っています。
【高城】 ヨーロッパなどは物をすごく大事にして代々へ引き継いでいくと聞いたので、中古業はあまりないのかなと思っていたのですが。
【堀之内】 いいえ。それこそアメリカには日本でいうと上場企業に匹敵するぐらいの中古屋さんがたくさんありますからね。
【川崎】 そうなんですか。 修繕をする気持ちがすごくあるのですね。
【堀之内】 日本の商品は修理をするような価値がないではないですか。
【川崎】 捨ててしまいますね。
【高城】 逆に日本からこの方法を使って出店することはあるのですか?
【堀之内】 私もそれを考えて一度海外に出店したのですが、あまりうまくいきませんでした。というのは、日本人の中古に対する思いと西洋人やアメリカ人の中古に対する思いは根本的に違いました。 物に対する考え方、つまりライフスタイルが違うわけですよ。だから日本から出ていくよりも、この商売は向こうから持ってきた方がいいような気がしますね。
【高城】 ではまだまだ我々が知らないビジネスの広がりがあるということですよね。
【堀之内】 無限にあるような気がします。というのは、人間が物を作り出す以上、必ず中古が出てくるわけでしょう。
【高城】 はい。
【堀之内】 それがある以上は、たぶんこの商売は変わらないでしょうね。ただ、売っている物が、10年後は違う物かもしれませんけど。だって私が学生の頃、コンピューターは一つの部屋ぐらいの大きさでしたからね。
【高城】 そうですよね。
【堀之内】 コストが何千億、何百億円だったでしょう。それがこんなに小さくなっていますから。
【高城】 そうですね。
【堀之内】 たぶん取り扱う商品が変わってくるでしょうね。
【高城】 海外から素敵な物が入ってくるといいですね。このラジオは海外でもオンエアされていますから、是非そういった方々もどこかで堀之内さんに接点があるかもしれません。
一歩を踏み出してみなければ、わからない
【高城】 本には「いくつかの格言として、日常にすごく役立つことがありましたが、その中で一番私が興味を抱いたのは「理にかなわないことを必死でやれ」というもので、なかなか日常、言えないことだと思うのですが。
【堀之内】 世の中は原理原則通りで動いていますから、道理にかなわないことは実はダメなのですが、一般の「理」というのは社会常識で判断してしまいます。
「先に力を持った者が決めたルールを常識という」と私は思っていますから、本当の原理原則とは違います。したがって、本当の原理原則でやると非常識であったり、今の一般社会からは理にかなわないことであったりします。ですから道理にかなってやり続ければ、必ずそれが常識になる時が来るはずです。
【高城】 それは直感で感じるのですか?
【堀之内】 感じるのではありません。自分達が生きていれば、世の中の原理原則がわかるではないですか。誰でも原理原則がわかるのに、常識や社会通念の過去の習慣に打ち消されて、実は見失っているだけなのです。
【高城】 原理原則を超えたことをやろうとしているのですか?
【堀之内】 例えば本に書いてあるように「プールのお水をお猪口でくみ出せ」を考えてみると、常識的には「生きている間にはできないだろう」と言うではないですか。しかし原理原則は100年、200年生きていて、もし続けてやればくみ出せるわけでしょう。
【高城】 そうですね。
【堀之内】 「自分は80年生きるんだ」と決めたら、80年くんでみればいいではないですか。そのうちにお猪口ではなくて素晴らしいポンプを買うことができたり、しまいには協力者が出たりして、5年間でくみ出すことができるかもしれない。
【川崎】 一歩を踏み出して、やらないとわからないということですね。
【堀之内】 そうです。
【高城】 着実な一歩を踏み出してやはりやり続けていかないと、やはりわからない。
【堀之内】 着実というよりも、あえて言うと「いびつな一歩」です。非常にいびつなのです。「ものすごく大きなプールのお水をお猪口でくめ」というのは、「いびつ」でしょう。
【高城】 「いびつ」ですね。
【堀之内】 しかし原理原則はかなっているでしょう。
【高城】 かなっています。
【堀之内】 いずれかは空になるわけですから。要はここなのです。
【高城】 「いびつな一歩」というと、もっと違うことかと思いました。でも、そうですね。
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