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中山庸子
エッセイスト、イラストレーター [ 自己実現 ]
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中山庸子
[インタビュー]
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今日からできるなりたい自分になる方法100の方法/幻冬舎(2)
2006.02.19
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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毎日の小さな積み重ねが いい人生をつくると思っています。
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レシートは自分を振り返る手がかり
【主藤】 この本には、本当に身近な「これ、ちょっと自分も心がけなければいけないな」というところから、男女問わず、たくさんヒントが盛り込まれているのですが、『なりたい自分になる100の方法』では、例えば「レシートは取っておく」。
自営業者の場合は、レシートをほぼ100%取っておくのですが、サラリーマンの方の場合は取っておく必要がない場面が多いのに、サラリーマンでも取っておいたやはりいいというご経験があるのですか?
【中山】 意外に客観的な事実が残っているということが大きいんですね。私は紙切れを捨てないんですよ。
例えば、お弁当を食べた時に全然おいしくなかったら別ですけど、箸袋にだいたいお店の名前と電話番号が書いてありますよね。またそのお弁当を食べたいと思えばそれを見ればいいし、どこに行ったか忘れませんか?
【主藤】 忘れますよね。
【中山】 レシートを見ると、どこのキオスクかわかり、「あっそうだ、あの時仙台へ行ったんだ」とか、結構どういうふうに過ごしてきたか自分の跡が取れるんですよ。
肝心なことは覚えているのですが、意外に細かいところは忘れていて、私は過去の自分をきちんと把握するということはすごく大事だと思うので、ここ一週間ぐらい自分はどんな生活していたかはレシートを見るとほとんどわかりますね。
【主藤】 自分を振り返る材料として。
【中山】 そうですね。一番明らかなもので、手がかりになります。お店に入って、お金を払ったということは、レシートを見ると絶対に思い出しますからね。
人のレシートが入っているということはないので、そういう意味では私は自営業者に近く、もともとレシートを集めておく習慣もあったのですが、整理してから処分するのでもいいし、必要がある人や節約主婦の方はファイルをしておけばいいし、やはりついつい衝動的に「お菓子を買っているな」とか、生活習慣もすごくよくわかるんですよ。
【主藤】 きちんと取っておけば、振り返ってわかりますね。
【中山】 そう。「食べていない」と言いながら、食べていたりね。
【川崎】 私も自営業に近いのでレシートを取っているのですが、本当に忘れていますよね。時々レシートがたくさんで出てきて見直していると、いろいろよみがえってきて楽しいです。
【中山】 私は手帳や日記帳にも貼ったりしますね。
【主藤】 他にも習慣的なお話で「どうしても時間に遅れてしまう」ことに対し、本では「時計を4分進めましょう」と書いてありますね。
【川崎】 微妙な時間ですよね。
【中山】 微妙なんですよ。これは、結構評判が良かったです。
【主藤】 僕も結構時間に遅れることがありまして、10分進めたり、「ちょっと最近まずいな」と思う時は15分進めたりするのですが、やはり4という数字がいいのですか?
【中山】 ビジネスにおいて、本当は15分ぐらい余裕があったらすごくいいと思うのですが、日常的に考えた時に5分進めてしまうと「この時計は5分進んでいる」と自分の中で思ってしまうので、「10分」と思っていながら「実はまだ5分なんだ」と思ってしまう自分がいて、4分はすごく中途半端なのでいいです。
【川崎】 計算しにくくて、中途半端ですね。
【中山】 そう。だからちょうどいい誤差。10時に何かをしなくてはいけない場合、「ああ10時になってしまった」と思っても、実はまだ4分ある。そういう感じですよね。
【川崎】 ちょうどよさそうですね。
【主藤】 中途半端な時間がいいわけですね。
【中山】 そうですね。6分でもいいかもしれないですね。
【主藤】 10分とか計算しやすい数字ではなく。
【中山】 5、10の刻みはダメです。必ず自分で引いてしまいますから。
【主藤】 僕がそうです。あと10分というように、簡単に引けますので。
【中山】 15分というと、時計の4分の1ブロックだから、簡単に戻せてしまいます。
「人生」は「暮らし」の連続
【主藤】 他にも「コピー取りは侮らない」とか、社会人なりたての方にあてはまりますし、「吉野家デート」とありますが、牛丼屋さんというと女性の方はどちらかというと敬遠すると思いますが。
【中山】 私は男の子の生活をある程度大切にしてあげた方がいいと思います。たまにはイタリアンのおいしいお店もいいと思うのですが、彼のエネルギーの素になっているものを大切にしてあげたい。
私は男性の仕事の話や運動している人のスポーツの話、どんなものを食べているか聞くのがすごく好きですね。女性の方が相手の方のホームに飛び込んでみれば、生き生きしている人間を知ることできるのではないですか。だから映画館に行ったら寝ている人でも、もしその人がサッカーが好きで一緒に見に行ったら、すごく説明してくれたりするでしょう。
自分が持っていない得意分野のものを持っている部分が見える。だから「吉野家デート」と呼び、そこに彼の得意な何かにオプションで「吉野家」がついたら、女性がいつも頭で描いているデートとは違う広がりがある。
【主藤】 自分のいつもの行動パターンと明らかに違う世界にいけるということですか?
【中山】 そうです。1人で女の子が吉野家へ乗り込んで行くよりは、男の子について行った方がいいですよね。
【川崎】 体験しやすいですしね。
【主藤】 なるほど。経験上「これ良かったな」とか、「こうしておけば良かったな」というのが、川崎さん、何かあるのでは?
【川崎】 たくさんありましたよ。女性の心の細かいことをすごく書いてあるので、たぶん今まで書店にある男性がよく読むような啓発本とも違うと思いましたね。ハンカチ1つ持ち歩かない私はハンカチの項目で、ハンカチを持つだけではなく、「ハンカチにどういうものを持ったらいいか」ということや、「それで1日気分が変わってくる」ことをすっかり忘れていたような気がします。
【中山】 女性の場合、例えば爪が欠けたとか、ストッキング伝線したとか、ハンカチを持っていないとか、そういうちょっとしたことで、すごく作業能率が落ちたりするんですよ。
【川崎】 そう思いますね。
【主藤】 ちょうど今月、PHP研究所から新刊、『「いいこと」がどんどん起こる72のヒント 暮らし上手になる小さな習慣』を出されました。これは今までの中山さんのベスト版と言ってもいいような内容ですね。
【中山】 そうですね。いろいろ本を書いている時、「あっ、これがポイントだな」と思うことがいくつか自分の中に見つかって、「いいことをどのくらい1日の中で探せるかな」と思ったのです。基本的に物事とは解釈をどうするかの問題なので、例えば転んだ時に、「転んだ」ことをどうその人がその後、解釈するかという問題ですよね。
例えば転んだ事実は1つでも「膝は打ったけど、頭まで打たなくてよかった」と考えられる人と、「今年出だしから何か不吉な感じだ」と思う人まで幅があるではないですか。いいことを見つけることが上手になるために。私は「暮らし」という言葉が大好きなのですが、言い換えると「人生」ですよね。
「人生」は「暮らし」の連続にしか過ぎないので、「暮らし」が上手にならないと「人生」の達人にもなれない。でも「人生」の達人になるというと、何か小さな習慣ではダメそうですけど、「暮らし」の達人にはなれそうですよね。
【主藤】 確かに「暮らし」と言われた方が身近に感じますし、自分でできそうな気がしますよね。
【中山】 だから「毎日の生活をいい加減にしていて、いい人生になるはずは決してない」というのが、最近の持論です。
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