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箱田忠昭
インサイトラーニング株式会社代表取締役 [ コミュニケーション ]
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箱田忠昭
[インタビュー]
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「できる人」の話し方&コミュニケーション術/ フォレスト出版(3)
2006.01.22
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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あなたの人生の大事なことを全部他人が決めていませんか?
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人前であ話すときの4つのポイント
【高城】 例えば、箱田さんから見て、話すのが下手だと思っている方が、まず始めにコミュニケーションや話し方を少しでもいいから上手にしたいと思ったときに、こんなところから始めたらいいなというヒントはありますか?
【箱田】 人前で話をするときのコツは四つあるのです。これはあんまり知られていないのです。
【高城】 四つといいますと?
【箱田】 まず一つはアイコンタクトです。要するに、上見て話す、下見て、横見て。日本人はシャイでアイコンタクトができないのです。ところが、あるとき美空ひばりのショーを見ていたら、彼女はじーっと聴衆の目を見て、涙をポロッとこぼしていたんですよ。そうすると見ている方も涙流しているんですよ。彼女がそっぽを向いて歌っていたら「なんなの?」となるはずですよ。
目は力なのです。目は口よりもものを言っているのです。人間関係は目が中心でしょう。目があった、目をつける、目上、目下、目をかけてあげる。あるいは、人間性そのものも目で表現されていますよ。やさしい目。利口そうな目。怖い目、冷たい目、いやらしい目とね。目って一番大事なのですよ。
ところが、スピーチの先生などもそれに関して考えていない人が多いのですが、私は、まず真っ先に目は力だと。目を見て話す。目は口以上にものを言う。だってこういう歌があるのを知っています?「京都三条、糸屋の娘。姉は、十八。妹は、十五。将軍大名、弓矢で殺す。糸屋の娘は目で殺す。」糸屋の娘は目で殺すって、それだけ目は強い。だから目に力を込めて。
アメリカのボブ・アリソンもそうでした。アメリカ流のプレゼンセミナーを受けた時に、3日間セミナーの最初の一日は、「目に力入れなさい。目をもっとしっかり見て話しなさい。あなた目が死んでいる」あるいは、「そっぽ向いてはだめだ。」と徹底的に先生は直します。
【川崎】 今まで生活してきた方法、習慣を変えるのは難しいですね。
【高城】 凝視するのはなかなか勇気が要りますからね。
【箱田】 二番目のポイントは、手なのです。ほとんどの人は、手を前に組んで話すのです。これは、アメリカでは、fig leaf positionといいます。Fig leafってイチヂクの葉っぱの意味です。アダムとイブがイチヂクの葉っぱで前を隠している感じになるのではないでしょうか?そうではなくて、ジェスチャーを入れるべきなのです。
「あの人オーラがある」とか、「カリスマだ」と言われる人は手を広げるというジェスチャーを多く使うんですよね。手を広げる動作は、自信の表れなのです。包み込む感じですね。手を閉じる動作は、壁を作って自分を隠そうとしているのです。だから弱いのです。だからジェスチャーを入れる。手で表現する。
そうすると「あの人うまいね。」となるのです。視線、手、それから私は、姿勢ニッコリと言っているのですが、良い姿勢ね。リラックスしなければいけないのです。リラックスして、気をつけの姿勢は非常に硬いですよね。肩の力を抜いて、時々前に出て。聴衆に近づいた方がいいのです。マイクを手に持って動いた方がいいのです。
固定されたマイクだと手をついてしまいがちです。これもよくないんですよ。これは、気の弱い表れで、何かにしがみついていたいという気持ちの表れなのです。
チャーリーブラウンのセイフティブランケット。チャーリーブラウンの手下のライナスがいつも毛布をぶら下げて歩いているわけです。同じようにしがみついているわけです。よくないです。手を置かないで、ジェスチャーをする。
それからにっこり笑顔で話す。聴衆は、あなたの笑顔を見ていますから、にこやかに話す。あるときは真剣な顔。それだけでかなりあなたの意思が伝わるようになりますか。にこやかにしていればいい人だと思われるし。基本的にはいまお話したのは、全てボディーランゲージなのです。
人の受け取る印象はボディーランゲージが55%。声38%。中身7%という説があるんですよ。本にも書いてありますが、メラビアンの法則といって確かにそうなのです。
【高城】 どうですか? 川崎さん。
【川崎】 大学生の時に初めて英語でスピーチをしたときに、初めてアイコンタクトという言葉を聞きました。そして会社に入った後プレゼンテーションをするときに、部屋の四隅を定期的に見るといいと教えてもらった時に初めて耳にしました。ですから、学生のときに教えてくれればよかったのに・・・と思いました。
【箱田】 そうですね。四隅というのは人間ではないですから、やっぱり人間の目を見たほうがいいです。見やすい人を見ればいいのですよ。中には、ゴリラみたいな人がいますよね。そういう人は、見ないのです。川崎さんがニコニコして聞いてくれている。これを私はこっくりさんって言っているのですが、こっくりさんを見つけて、 「今日は、暑いですね」「外は暑いですよ」「どのぐらい暑いですか?」「相当暑いですよ」 と。いまのギャグよ。無視しないで(笑)。 要するに一人ずつ話かけていくのです。これをワンonワンコミュニケーション。一対一コミュニケーションと言うのですね。
大勢が相手でも一対一で話す。聴衆という生き物はいないので、聴衆とは、一人がいっぱい集まると聴衆になるのですよね。あなたは聴衆だと思っている人は、いないのです。一人で聞いているのだから一人一人に話しかけて。一対一コミュニケーションですね。
入念に準備することが何よりも大切です
【高城】 まだまだお話をお聞きしたいのですが、そろそろ時間になりましたので、最後一分間、リスナーのみなさんに何かメッセージとアドバイスをいただきたいのですがよろしいでしょうか?
【箱田】 人前での話し方は、まずぶっつけ本番は絶対やめたほうがいいですね。ぶっつけ本番だと必ず失敗します。
プロほど、練習するのですよ。イチローでも松井でも影ではすごい練習しているわけです。だから本舞台で、ホームランを打てるのですよね。アマチュアは、ほとんどぶっつけ本番になってしまう。
だからリハーサルをすることが大切ですね。これはすごく大事。それから常日頃から奥さんやご主人の前でできるだけ練習をする。
それから具体例をあげるのがうまい人の話し方なのです。
これは、話し方の大先生であるデール・カーネギーの言葉でGive examplesというものがあります。具体例をあげるという意味です。それから演説しないで、対話をするように話すこと。
これからもう一つ、細かいところを詳しく話す。これはどういう意味だかわかりますか?
「うちの犬が逃げました」ではなくて、「うちで飼っているゴールデンレトリバーのハブダパプタローというのがいまして、昨日の夜中の2時頃、塀をこえてぽーんと逃げたのです」
このように詳しく言葉で絵を描くように、聴衆の頭のスクリーンにその場が浮かぶように話す。これがコツなのですね。
【高城】 勉強になりました。是非、さらに詳しいことについては、本をお読みください。本日は、「できる人の話し方&コミュニケーション術」の著者、箱田忠昭さんにお話を伺いました。ありがとうございました。
【箱田】 ありがとうございました。
【川崎】 ありがとうございました。
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