|
|
浦田健
株式会社FPコミュニケーションズ代表取締役 [ 不動産 ]
|
|
|
|
浦田健
[インタビュー]
|
金持ち大家さんになるアパート・マンション経営塾/ 日本実業出版社(2)
2006.01.01
|
|
自信をもって家賃を上げられる経営をしていただきたいと思います
|
アパート・マンション経営における時代の移り変わり
【高城】 読者の方からの反響やお問い合わせはありましたか?
【浦田】 多いですね。それが非常に僕自身の一番の「魂のご馳走」みたいになっています。やはり最初、業界の裏話を暴露するので、非常に孤独ですよね。孤独でどうなるかわからない。ただ間違った方向に業界全体が行っていて、僕が間逆の方向から「それは危ない。そんなことじゃいけないよ」と大声をはりあげたらみんなが振り向いたという形なんです。
例えば二冊目に『空室が満室に変わる究極の方法』という本を書いたときは、不動産業界でも、出版業界でも空室対策本は僕の本しか出ていなかったわけですよね。お金をかけず、家賃も下げずに空室を埋めるという方法をたくさん集めて出版したのですが、この本の講演のために地方へ行った際に、「本のとおりにやったら一年間も空いていた物件が30日で埋まりました」という話や、「稼働率7割だった管理物件が95%まで回復しました」という話を直接会って報告してくださるんですね。そういう声は僕にとって何物にも替えがたくて、「やっていてよかったな」という気持ちになりますよね。
【高城】 反響が多いって素晴らしいですよね。 私も小さいアパート・マンション経営をしていまして、恥ずかしながらこの本のおかげで自分の考え方はダメだったんだなと感じました。一つがやはりアパート・マンション経営といいますと、「寝て暮らす」というイメージや「黙っていても家賃が入ってくる」「家賃管理はアパート・マンションの運営会社が全部やってくれる」という気持ちでいたのですが、アパート・マンションの経営は自分で努力をしなければならないと思いました。
【浦田】 そうですね。以前、賃貸業界がどのような流れになっているかを分析してみたんですね。本格的なアパート・マンション経営は、1970年代から始まっているのですが、その当時は、高度成長期で年率10%の高度成長を続けていて、人口も増え地価も上がるため、自分の土地を守る為には借金を作ってでも、相続対策でアパート・マンションを作らなければいけない状況だったんです。ところが物件を作る人がいなかったので、コンクリートを作るゼネコンさんなどは、儲かったんですね。
とにかくその当時は、箱を作りさえすれば満室になる時代でしたから何も考えなくてよかったんです。大手の不動産会社も管理はしないし、ゆっくりとお茶をすすっているような不動産屋さんが活躍した時代が約15年続いたんですね。1983年くらいになりますと有名なアパート・マンション賃貸の企業が出てくるわけですね。
家賃保証などもその当時から出始めて、本格的には、1985年くらいから進んでくるのですが、バブルになって、どんどん地価が上がって、大家さんや地主さんも本業が忙しいですから片手間でできる家賃保証がシステムとして出てくる。そうすると大手が活躍してくるんです。それがまた15年続くわけですね。この時期が賃貸業界の成長期だと僕は考えているのですが、それがついに2000年で終わります。
今、家賃保証(の物件)は売れないんですね。私の会社に家賃保証(の物件)を売っていた人間がいるのですが、1995年から2000年くらいまでは、家賃保証(の物件)はよく売れたんですよ。ところが2000年になって色々な業者が立ち上がってきて、競争が激しくなってくるとなかなか売れなくなってきたのです。
そして2002年、誰が出てきたかというと僕が出てきた訳です。要するに「片手間じゃ大家業では出来ないよ」といい始めたわけなのですが、その転換となったのが2000年。そうするとこれから2015年までは、商売の原点にもどって、「アパート・マンション経営もきちんとした商売なんだよ」という時代がもうすぐそこまで来ているわけです。
大家業とはサービス業である
【高城】 少子化の時代になればアパート・マンションのニーズが少なくなってしまうのではないかと私は思っていたのですが、実はそうではないというこの本に書かれています。人口が減っても世帯数は増えるのですね?
【浦田】 はい。この本を書いた時にはそうでした。そして実際にそうなります。世帯数は増えるんですね。2015−6年までは増え続けるのですが、それを残念ながら上回る勢いで、住宅着工戸数が年々増え続けているんです。
そうすると日本中の大家さんは、そのギャップに気づくはずなんですよね。全体的に「どうしよう?」となるはずなんですよ。そのタイミングで、「空室が満室に変わる」というオレンジの本を書いたのです。
一つ例をあげると、九州のある市では人口10万人の時にアパートを建てて、今その市の人口は6万人に減っているんですよ。8年から10年間で、急激な人口減少。やはり入居数が半減して空室が目立ってしまっている。ところが私がこの本の中でも紹介している大家さんは、98%の入居率を保っているわけです。
【高城】 すごいですよね。
【浦田】 しかも家賃は下げていないんです。やることをやっているわけですね。だから、きちんと商売としてやることさえやっていれば大丈夫なんです。大家業って不動産業などといろいろ言いますが、僕はサービス業だと思っていまして、要するにいかにサービスをするか、居心地をよくしてお客様が出て行かないようにすることがポイントだと思うのですね。人口10万人が6万人になってもきちんと入居率を維持した事例はあるので、さほど心配をしなくてもいいのではないかなと思います。
|