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経沢香保子
トレンダーズ株式会社代表取締役 [ 起業 ]
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経沢香保子
[インタビュー]
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自分の会社をつくるということ/ ダイヤモンド社(2)
2005.11.20
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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女性にとって起業が人生の選択肢の一つになればと思っています
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新しい女性の生き方
【高城】 女性特有の部分が、強みになりますよね。
【経沢】 そうですね。
【川崎】 本にもいろいろ女性ならではのことを書いていらっしゃいましたよね。
【経沢】 そうですね。昔の高度経済成長期は組織力で、マーケットも大きいものがまだ残っていて、会社を一致団結して、日本の所得全体を倍増するような感じだったと思うんですけど、今の時代ってどちらかでいうと成熟に向かっていて、隙間といわれるまだ改善できるところとか、やはり女性が消費の主役なので、女性の感性を活かしたものとか、サービス業とか、繊細な気配りがお金に変わる時代だと思うんです。
女性が普段見ているものの中からヒントが生まれる場合も多いですし、最近は女性の方がビジネスチャンスを見極める目がいいんじゃないかな、と思ったりしています。
【高城】 そうだと思いますね。
【川崎】 でも世の中を見渡すと、私が生まれてから全てのものがあるように思っていたんですけど、まだまだ足りないものってあるんですね。
【経沢】 そうなんですよね。例えば女性向けのエステのサービスがありますが、最近ではメンズエステがすごく流行っていたり、これからは高齢者の方用にサービスの転換ができないかとか考えますよね。
今まであるもので、ターゲットを変えたりとか、違う形にしたりすることによって、まだまだ使っていただける方がたくさんいるというような商品、サービスがあると思いますね。
【高城】 きっとたくさんあるんですよね。
【経沢】 そうですね。女性起業塾も、今まで男性に対する起業支援っていうのはあったと思うんですけど、女性への起業支援がなかったので、女性にターゲットを変えたところニーズがあったっていうことなんだと思うんですね。
【高城】 10万部という大ベストセラーだと思うんですけど、読者の方からの反響はありましたか?
【経沢】 いっぱいありますよ。本当にお手紙をいただいたりすることも増えましたし、あと女性起業塾のへの入塾希望者が増えましたね。それと、今まで自分が自営業でやっていた方は経営モデルに変えたかったからすごく参考になったとか。
もちろん、私は、これから起業したい方とか、起業したての女性に伝えたかったんですけど、それ以外の方が読んで、「本当にそうなの?」というマイナスなお言葉もいただいたりはしますけれど、ほとんどは皆さん共感して下さって、「こういう生き方があるんだ、って初めて気付いて感動しました」と言っていただく方が非常に多いんですよね。
オンリーワンになろう
【高城】 起業するための方法論の本はたくさんありますが、経沢さんの本は起業したくなる本というんですかね。
心を揺り動かされるようなところがすごくあって、特に女性の方がこれを読むと、「それはそうだな」「起業するっていう選択があったんだな」と感じて、具体的に始めの一歩がすごく踏み出しやすくなるんじゃないかな、と思ったんですね。
【経沢】 ありがとうございます。
【高城】 その中で1つ、「あなたのブランドでオンリーワンになりましょう」と書いていらっしゃいますが、オンリーワンというのは、川崎さん、イメージつきますか?
【川崎】 いいえ。
【高城】 どういうことなのでしょうか?
【経沢】 例えば私の会社のような小さい会社とか、まだまだ起業したばかりの小さい会社というのは、いくら自分が飛び込み営業をしてもお客さんが取れないんですよね。つまり、中小企業ならば、日本でそこにしかないから、そこで買わなければいけないというような、お客様が向こうから尋ねてきてくれるような会社でないと、生き残っていけないんですね。
この会社でしか買えないとか、ここの会社でしか受けられないサービスをどのように作るか、それがオンリーワンなんですね。本には、「オンリーワンにならないと駄目ですよ」という話が書いてあるんです。
【高城】 起業塾に来られた女性の方はこの話を聞いて実際に行動に移すんですよね。
【経沢】 そうですね。やはり、誰もが最初はオンリーワンがないんですよ。オンリーワンのポテンシャルは持っているんだけど、それをどういう風に表現したらいいか分からないし、それをどのようにオンリーワンまでブラッシュアップしたらいいか分からない。
もちろん最初はいろんな無駄な動きもしながら、自分が好きなこと、やりたいことを追求してやっと見つけていくんですね。例えば、マダムKさんという方は、専業主婦から会社に就職していたんですけれど、「やっぱり起業したい」と最近、起業をされたんですね。マダムKさんは、人を喜ばせるのが好きで、人を集めるのが得意なのでパーティの企画のようなものをやろうかな、と思いながらいろいろ模索していたんですけれど、毎日ブログを書いて自分と見つめあっていくうちに、自分は何か好きなことをしたい人を支援するのがよいと気づいて、今はサロネーゼ支援事業というのをやっていているんですよ。
【高城】 なるほど。
【経沢】 この事業は、これからおもしろいと思っているんです。最近、自宅で開業する人が増えていますよね。人を雇いたくはないけれど、自宅でお料理教室を開いたり、ネイルサロンを開いたりする方のことをサロネーゼと言うらしいんですよ。
(マダムKさんは)その人達にどのようにPRをしたらいいかとか、お客さんとのリレーション築き方とかを彼女自身が成功させた経験からそのノウハウを伝えていく事業をしているんですね。あとは今の塾生で「これから成功するな」と思っているのは、本人が飲食店への営業をしているので飲食店に対して詳しい。それが自分の強みだから、それをオンリーワンにということで、飲食店の方がやっぱり一番悩んでいるのは人材の問題ということで飲食店に特化した人材派遣事業を立ち上げようとしている人ですね。
自分の中にあるものをどのように商品としてオンリーワンにしていくかということには、コツがあるんですけれど、(女性起業塾で)みんな頑張って考えて、事業にしていくっていうところですね。
【高城】 漠然と起業を考えている女性の方が多いと思いますけれど、やはりアイディアをブラッシュアップをすることによって、研ぎ澄まされていいものになることが多いんですかね。
【経沢】 そうですね。自分もサラリーマンの時には気付かなかったことなんですけれど、色々な女性と話していて思うことなんですが、皆さんは何か売り上げを上げたり、もともとあるネタを何かやるっていうのは慣れているれけれども、ゼロからネタを探してそれを世の中に受け入れられるように自分の商品として作るということがすごく難しくて、起業したいと思った人の8割が諦めるパターンは、ネタが見つからずに諦めてしまうというものなんですね。
だから、ぼんやりと「こういう事したい」と言ってもそれが商品にならないまま終わってしまう方が多いので、塾に来るとみんなが自分のプランを発表したり、色々な先生のプランのパターンを見ていくうちに「あっ、プランってこう考えるんだ」とか、「ネタはこうやって見つけるんだ」ということに気付く人が多いんですよね。
本の中でも「連想ゲームでネタを見つける」という話を書いているんですけれど、そのトレーニングで今まで使ったことのない脳みそを動かしている感じだと思うんですね。やはり「こういうことを教えてくれる場所が今までなかった」と、みんな言ってくれますね。
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