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栢野克巳
株式会社インタークロス、九州ベンチャー大学代表、零細企業コンサルタント [ 経理・会計 ][ 経営 ]
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栢野克巳
[インタビュー]
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小さな会社★儲けのルール/フォレスト出版(3)
2005.09.11
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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挫折は、次の成功への第一歩。 貴重な経験として捉えると良いでしょう。
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大手の狙わない分野で事業をする!
【主藤】 主藤 栢野さんからご覧になって、成功するビジネスの選び方、あるいは成功するテンショク。テンショクというのも・・・。
【栢野】 天職?
【主藤】 そうです。天の職ですね。これは何か秘訣みたいなものありますか?
【栢野】 やはりいつの時代も、これ竹田先生も言ってますけど、その業界の中で馬鹿にされてる商品、サービスとかですよね。HISっていう旅行会社がありますけども、今ではもうもの凄い会社ですよね。(年商)3千億近いもの凄い会社です。誰もが分かる上場、かっこいい会社です。ところがあの澤田社長っていうのは30年前始めた時には、今では当たり前ですけど、海外専門の安売りチケットですよね。これは30年前旅行業界の中で言ったら、クソみたいな商品なんです。
ですから、一番旅行業界の中で馬鹿にされる海外の格安のチケット、ここだけに絞って日本一になるまでは他の国内パッケージ旅行には手を出さない、と実は決めていたんですよ。その通りにやって、大手が手を出さない格安のばら売りチケット、ここ10年間で日本一になりましたね。それから、格安チケット以外の企画旅行とかを広げていって、海外一になった。それから国内旅行に出ましたもんね。
ですからそれぞれの業界で馬鹿にされている、大手・エリートが無視する、だけどしっかり需要がある、そういう商品、若しくはそういう客層を、HISで言ったら当時の客層、今もそうですけど、大学生とか、大手の旅行会社が相手にしない客層と、さっき言った大手が力を入れてない商品、サービスですね。
【主藤】 業界が見向きもしてないような、小さな遅れてる分野だとか馬鹿にされてる分野。
【栢野】 そうですね。例えばリフォームもそうですよ。ちょうど今いいですよね。住宅リフォームっていうのは。もう世間から大バッシング浴びてます。やはり住宅業界で言ったら、大手・エリートっていうのはかっこいい新築の一戸建て、積水、大和、みんな大手一流企業っていうのは一戸建てを一生懸命やってます。
ところがリフォームっていうのは単価も一桁、二桁で安いし、且つ大量生産きかないし、かっこいいモデルルームなんかも殆どないし、仕事は床下潜っていくと。悪徳も、ちゃんとしたリフォーム会社も作業着で泥臭くやりますよね。だから本気でやらないですよ。市場が5兆円もリフォームっていうのはあるのに、未だに大手、一流企業っていうのは本気でしないですね。
だから本にも紹介した福岡のホームテックなんかは創業7年で、この9月決算で70億いきそうですからね。それはライバルがいいかげんな業者ばっかり、悪徳ばっかり。「且つ、大手が本気でしないんだよ、栢野さん」と。7年前に小笠原社長が言ってましたが、本当でした。
諦めない!人生は逆転できる! 【主藤】 この本の中にも具体的に書いてありましたけども、やっぱりそういう風な市場なりビジネスを見つけること、それが天職なりビジネスを成功させる。
【栢野】 そうですね。難しいですけどね。
【主藤】 難しいけども、今お話いただいたのも全て具体的なお話ですし、この本の中にも普通の文章と、ビジネスな内容と同じぐらいの事例がありますので、非常に分かりやすいので、ちょっといろんなビジネス書を読んで、なかなか本質が分かりにくいな、難しいな、と思ってる方は、是非この「小さな会社★儲けのルール」この本が8万部売れてるのはおそらく具体的な事例と、栢野さんがいろんな起業家を見てこられた経験がふんだんに盛り込まれてるからこそだと思うんです。是非読んで勉強していただければと思っております。
まだまだ楽しいお話、いろんな事例をお聞きしていきたいんですけども、時間の関係もありますので、そろそろ終わりになっていきますが、リスナーの方に何かメッセージを1分間ほど栢野さんから。これから起業、独立したいなと、思ってる方も多いと思うんですが、栢野さんから是非メッセージを。
【栢野】 一言で言うと、「人生は逆転出来る」ってことですよ。要は、今まだまだみんな間違ってる。人生成功するにはいい大学に行って、大会社に就職しないと成功出来ない、と思ってる特に親が、まだまだ大半ですよね。残念ながら。
未だに福岡でも進学塾、何とか九大、東大行かせようとか一生懸命やってますけど、そんな暇があったら、例えば私も子供には実際にやってるんですけど、塾には行かせない、その代わり新聞配達させるとか、チラシ配りをさせたりとかしてるんですけどね。ほぼ殆どの人は独立しないといけないですよ。大半の一流会社もだいたいもう50代で殆どみんなリストラですから、出来たらやっぱり早めに独立起業した方がいいですね。
そのためにはいい会社、大学っていうのは迷信って言うかこれは統計上私達がとってみたら間違いなんですから必要ない。若しくは私自身も実は7回就職・転職失敗して、独立も今2回目なんですね。まさに七転び八起きなんですけど、就職、転職、脱サラ、多少失敗しても何度でもやり直しは出来ますね。
特に若い時は、私もそうでしたけど、いい大学行って、大会社に就職する。私もヤマハ発動機入って、9ヶ月でノイローゼで辞めました。人生終わったと思ってました。というのはそういう価値観だったから。いい学校、大会社が人生の成功と。そこからどんどん転げていって、中小、零細、自営業の世界へ行って、自分で脱サラもやるようになりましたけどその過程で何回も人生終わったと思ったけど、結果としては自営でやるしかなくて、でも今組織としては小さいですけど本当に楽しくやってるし。
だからいろいろ段階でみんな所謂、本人の思う失敗って言うのは経験すると思います。例えば入試で失敗する。いい大学行けなかった。三流大学しか行けなかった。就職も大企業行けなかった。変な中小企業しか行けなかった。ところがそこが倒産したとか、若しくは出世競争で敗れて、大半の人が転職の理由が実は仕事が出来ずに辞めてるんですからね。アンケートには出てこないですけど。私と同じように挫折してるんですよ。それでも転職繰り返す。ダメと思うけど、実はダメじゃないですね。
特に天職、天の職、というのは普通は何回か転職しないと分からないです。ワタミフードの渡邉さんみたいに、大学時代に世界を放浪して、ヨーロッパの外食産業のところのあるシーンを見て、「あぁ、美味しい食事を食べてる時の喜んだあの顔、あの笑顔が素晴らしい。だから僕は外食産業で頑張る。」とかですね、そんなの22歳で発見出来るような人は滅多にいないですよ。
だから普通はみんな転職するのは当たり前なんですね。だから就職、転職で失敗しても構わないし。脱サラしても、私も主藤さんもそうですけど、小さくあまり資本をかけずにやったら破産、倒産まではいかないですからね。
【主藤】 これから起業を考えている人にとっては非常に心強いメッセージだと思います。是非この本を読んで勉強もしながら行動力も高めていっていただければ、と思います。
本日は「小さな会社 儲けのルール」の著者でいらっしゃいます栢野克巳さんにお話を伺いいたしました。栢野さん、ありがとうございました。
【栢野】 どうもありがとうございました。
【主藤】 どうでした?川崎さん。
【川崎】 学歴関係ないぞというところがうれしかったですね。あと、苦しい思いをした人こそ這い上がってきているということを聞いて、私も大丈夫かも、って思いました。
【栢野】 栢野さんは、Tシャツ一枚で自転車で移動することが多い方なんですよね。零細企業コンサルタントという、これから事業を起こす人や弱い者の見方だよというのがわかったインタビューだったと思います。
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