今回はお客様よりよく頂くご質問の一つ、すぐに辞めてしまう人材、長期勤続が見込まれる人材の面接時の見分け方のポイントについて
お話したいと思います。
試用期間中に就職活動先ずは事例を紹介します。
〈日系電子部品製造メーカーB社〉
営業担当者が突然の離職。
欠員の補充のため、26歳の女性人材を採用
・同業界にて営業実務経験3年。日本語堪能。即戦力として期待
・待遇はもとより、全ての条件面に双方同意。内定より一週間で入社
・試用期間2ヶ月、契約期間2年
・教育担当者の指導のもと、新しい環境にも慣れ、本採用を間近に控えた時期に本人より離職希望の申し出
・慰留も受け入れず退職
──このような事例は中国での採用において非常によく見られるとお感じの方も多いと思います。
人材によっては、新しい会社へ入社した後も、転職活動を継続し、少しでも待遇の良い会社へ移る機会を探している人も少なくありません。
ところが今回のケースでは、別の要因が早期離職の要因になっていたようです。
人材の業務スキル、スペックを重視するあまり、人材の性格、社内での人間関係の構築スキルを軽視していたのです。
「直属上司を尊敬することができず、正当な評価を得ることができていない」
彼女は面接時に、離職理由をこのように答えていたそうです。
軽い違和感を掘り下げるここで冒頭の質問を掘り下げてみましょう。
社内での人間関係の構築がうまく出来るタイプなのか、
それとも個人を重視し与えられた業務を淡々とこなすタイプなのか、大まかな判断が可能です。
チームワークを重視する職場では、離職後も同僚や上司と友人関係を継続していけるような、コミュニケーション能力の高い人材が能力を発揮しやすく、チームへも良い影響を与える事が予想されます。
また、このような人材は顧客との関係の構築にも優れる傾向が強くなります。
逆に前職での人間関係に対してネガティブな回答があった場合は、他人を非常に厳しい目で見るうえに、新しい環境(人間関係)にも順応できないタイプと判断できます。
その場合は「なぜそう思いますか?」と質問を追加し、自分自身の問題点を客観的に捉える事ができているか否かを見てください。
最後に1つ。直属の上司となる担当者を面接に同席させ、採用候補者の人間性を理解したうえで、選考を進めることも重要です。
回答でここまでわかる面・接・指・南「人間関係を理由にした離職を未然に防ぐ質問」
<筆者>
田中洋介:
10Year’s Staff総経理。1980年札幌生まれ。IT関連会社経て現職。多数の転職支援実績をもつ誠実がモットーのキャリアコンサルタント。
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