今月ははじめに、結婚や出産、住宅購入の予定などプライベートな部分に触れる内容を、面接の際にどこまで踏み込んで聞くべきか、
お話したいと思います。
正式採用直後に妊娠 典型的な事例をさっそく紹介します。
︿日系製造メーカーA社﹀
財務担当職として27歳の既婚︵結婚1年目︶女性社員を採用
・配偶者と共にマンション購入に向け仕事中心の生活を計画。間近の出産予定なし。30歳前後での出産という夫婦の意向を、面接の際口頭で&キき出していた。
・試用期間が終わり本採用期間に入った数日後に会社への妊娠報告。残業をさせることができないなど、妊娠→出産→授乳期間と長期の業務遂行への影響を余儀なくされる状況が発生してしまった。
こういったケースを「仕方がない」で済ますことなきように。
質問を躊躇する内容こそ、長期勤続の可否を選考する上で極めて重要なポイントなのです。
中国では一般的に、面接官は候補者の基本情報(主要家族構成、両親の職業、婚姻の有無、子供の有無、結婚、出産予定など)につ
いて確認することは法律で禁止されていません。
また口頭≠ナの確認だけでは不十分です。前号で触れた「エントリーシート」に上記質問事項を盛り込み、候補者の署名を得ましょう。
もしもの場合の保険や抑止力としての効果を期待できるかもしれません。
高い権利保護意識 中国では女性労働者の権利保護が厚い傾向にあります。とくに日本語人材には女性が多いためリスクが伴います。
保護されているゆえに本人の「守られるべき」正当に評価されて当然という意識も高い。それでも結果が伴っていれば言うこと無しなのですが。
そこで冒頭の質問です。個人の実績よりも、部門の実績などチームでの業務成果についての記載、回答が多い場合は完成された組
織での歯車としての役割が適しており、自分自身で考える能力の不足が考えられます。
しかしその中で、自分自身がいかに貢献していたかをしっかりとアピールできる候補者はその限りではありません。
実力が伴わないエリート意識をもつ人材も厄介です。
自信過剰な人材は採用後に「担当外です」「契約要項にはない業務です」といった対応をしがちです。そこで面接では、学歴や経歴、実績などを褒めてみてください。
その際の反応で、実力相応なのか、単なる思い込みなのか、ある程度見極めることができます。
回答でここまでわかる面・接・指・南「会社からの評価を 客観的に判断できている」
<筆者>
田中洋介:
10Year’s Staff総経理。1980年札幌生まれ。IT関連会社経て現職。多数の転職支援実績をもつ誠実がモットーのキャリアコンサルタント。
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